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「鳶が鷹を生む」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「鳶が鷹を生む」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「鳶が鷹を生む」ということわざ、聞いたことはあるけれど、正確な意味や使い方を説明できるかと聞かれると、ちょっと迷ってしまいますよね。平凡な親から優秀な子が生まれるという意味だとは知っていても、どんな場面で使えばいいのか、由来は何なのか、気になることがたくさんあるかもしれませんね。

実は「鳶が鷹を生む」には、江戸時代から続く深い歴史があるんですね。しかも最近では、遺伝子研究や子育て論の観点からも注目されているんですよ。この記事では、このことわざの意味や由来、実際の使い方を示す例文、類語や対義語、さらには英語での表現まで、わかりやすく解説していきます。

日常会話やビジネスシーンで自然に使えるようになりたい方、子育てや教育の場面でこのことわざの本当の意味を理解したい方にとって、きっと役立つ内容になっていますよ。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「鳶が鷹を生む」を理解するための基礎知識

「鳶が鷹を生む」を理解するための基礎知識

まずは「鳶が鷹を生む」の基本的なことから見ていきましょう。読み方や意味、そしてこのことわざがどのように生まれたのかを知ることで、より深く理解できるようになりますよ。

読み方

「鳶が鷹を生む」の読み方は、「とびがたかをうむ」です。また、「とんびがたかをうむ」と読まれることもあるんですね。

鳶(とび・とんび)は猛禽類の鳥の一種で、「トンビ」という呼び方の方が馴染みがあるかもしれませんね。「ピーヒョロロロ」と鳴きながら空を旋回している姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

読み間違いやすいポイントとしては、「鳶」を「えん」と音読みしてしまうことがあるかもしれませんが、このことわざでは必ず「とび」または「とんび」と訓読みしますので、注意してくださいね。

意味

「鳶が鷹を生む」とは、平凡な親から優れた子どもが生まれることを表すことわざです。親はごく普通なのに、子どもは才能豊かで優秀な人物に育つという、意外性のある状況を指しているんですね。

このことわざでは、鳶(トンビ)を凡庸な親に、鷹を優秀な子に喩えています。どちらもタカ目タカ科の鳥なのですが、一般的に鷹の方が体格が良く、気高く見えることから、このような比喩が使われるようになったんですよ。

ポジティブな驚きを表現するときに使われることが多く、「思いがけず素晴らしい結果が生まれた」という喜びのニュアンスが含まれています。ただし、使い方には注意が必要で、他人の親を「平凡」と評価することになるため、使う相手や場面を選ぶ必要があるんですね。

語源と由来

「鳶が鷹を生む」の由来は、江戸時代初期まで遡ることができます。このことわざの初出とされているのは、1633年(寛永10年)に刊行された俳諧集『犬子集(えのこしゅう)』なんですね。

この中に「雪ふれば鴟も鷹うむ」という表現が見られます。「鴟」は「とび」と読み、現在使われている「鳶」と同じ意味ですよ。つまり、約390年以上前から使われている、歴史の長いことわざなんですね。

なぜ鳶と鷹が選ばれたのかというと、両者は同じタカ科の鳥でありながら、明確な違いがあったからなんです。鷹は古くから鷹狩りに使われる高貴な鳥として扱われ、武士階級に愛されてきました。一方、鳶は市街地や港などでも見られる身近な鳥で、ときには生ゴミをあさる姿も見られることから、あまり高貴なイメージはなかったんですね。

この身分や価値の違いが、「平凡な親」と「優秀な子」という対比を表現するのにぴったりだったわけです。江戸時代の人々も、きっと実際にそのような親子を目にして、このことわざを使っていたのでしょうね。

歴史的な逸話として有名なのが、幕末の英雄・勝海舟さんと、そのお父さんである勝小吉さんの関係です。小吉さんは若い頃から素行が悪く、問題を起こすことが多かったと言われています。そんな父親から、明治維新の立役者となる海舟さんが育ったことに、小吉さん自身が「鳶が鷹を生んだ」と評したという逸話が残っているんですね。

この例からも分かるように、「鳶が鷹を生む」は単なる比喩ではなく、実際の人間関係の中で使われてきた、生活に根ざしたことわざなんですよ。

「使い方」がわかる「例文」3選

「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、「鳶が鷹を生む」が実際にどのように使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。日常会話やビジネスシーン、家庭での会話など、さまざまな場面での使い方をご紹介しますね。

1:「うちの両親は高校卒業後すぐに働き始めたけど、兄は東大に合格したんだ。まさに鳶が鷹を生むだね」

これは家族の話をする場面での使い方ですね。親が特別高い学歴を持っているわけではないのに、子どもが難関大学に合格したという状況を表しています。

この例文のポイントは、自分の家族について話しているという点です。「鳶が鷹を生む」は親を「平凡」と評価することになるため、他人の家族について使うと失礼に当たる可能性があります。でも、自分の家族について謙遜を込めて使う場合は、まったく問題ないんですね。

むしろ、兄弟や子どもの成功を素直に喜び、誇らしく思う気持ちが表現できる温かい使い方と言えますよ。友人との会話で、自分の家族の嬉しい出来事を共有するときなどにぴったりですね。

2:「社長のお嬢さんが会社を継いだけれど、お父さん以上の経営手腕を発揮しているらしい。鳶が鷹を生むとはこのことだ」

これはビジネスシーンでの使い方の例ですね。親子で事業を引き継ぐケースで、子どもの世代がさらに優れた成果を上げているという状況を表しています。

ただし、この使い方には注意が必要です。社長さんを「鳶(平凡な親)」と評価していることになるため、本人たちに直接伝えるのは避けた方がいいかもしれませんね。第三者同士の会話で、驚きや感心を表現する場合に使うのが適切でしょう。

もし本人に直接伝えたい場合は、「お嬢さんの活躍、素晴らしいですね」といった、より直接的な褒め言葉の方が適していますよ。ことわざの使い方は、相手への配慮が大切なんですね。

3:「母は普通の主婦だったけど、私が料理コンテストで優勝したら『鳶が鷹を生んだわね』って笑っていたよ」

これは親が自分自身を謙遜しながら、子どもの成功を喜んでいる場面での使い方ですね。親自身が自分を「鳶」に喩えて、子どもを褒めているという、とても微笑ましい使い方です。

この例文からは、親の愛情や、子どもの成長を素直に喜ぶ気持ちが伝わってきますよね。謙遜と誇りが両立した、日本的な表現の美しさが感じられる使い方だと思いませんか。

家庭内での会話や、親しい間柄での会話では、このように温かいユーモアを込めて使うことができるんですね。子どもの立場からすると、親のそんな言葉に照れくささと嬉しさを感じるのではないでしょうか。

似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現

「鳶が鷹を生む」と似た意味を持つことわざは、実は日本にいくつも存在するんですよ。それぞれ微妙にニュアンスが異なるので、状況に応じて使い分けることができますね。ここでは代表的な類語を見ていきましょう。

烏の白糞(からすのしろぐそ)

「烏の白糞」とは、めったに起こらない珍しいことの喩えとして使われることわざです。黒い烏(カラス)が白いフンをするはずがないという意味から、あり得ないほど珍しいことを指すんですね。

「鳶が鷹を生む」との共通点は、「普通では考えられない意外な出来事」を表現している点です。ただし、「烏の白糞」の方がより広い意味で使われ、親子関係に限定されないという違いがありますよ。

例えば、「あの真面目な彼が遅刻するなんて、烏の白糞だ」というように、人の行動や出来事全般について使うことができるんですね。一方、「鳶が鷹を生む」は親子や世代間の関係に特化した表現と言えるでしょう。

鳶が孔雀を生む(とびがくじゃくをうむ)

「鳶が孔雀を生む」は、「鳶が鷹を生む」のバリエーションとも言えることわざです。意味はほとんど同じで、平凡な親から美しく優れた子どもが生まれることを表しています。

孔雀は鷹よりもさらに美しく華やかな印象の鳥ですよね。そのため、「鳶が孔雀を生む」の方が、より一層の驚きや、見た目の美しさ・華やかさを強調したいときに使われることがあるんですね。

例えば、容姿の美しさや芸術的才能について話す場合は、「鳶が孔雀を生む」の方がニュアンスが合うかもしれません。ただし、「鳶が鷹を生む」の方が一般的によく使われるので、迷ったら「鷹」のバージョンを選ぶといいですよ。

百舌が鷹を生む(もずがたかをうむ)

「百舌が鷹を生む」も、「鳶が鷹を生む」とほぼ同じ意味のことわざです。百舌(モズ)は小型の鳥で、鳶よりもさらに小さく、力も弱い鳥なんですね。

つまり、「百舌が鷹を生む」の方が、親と子の差がより大きい状況を表現していると言えます。非常に意外性が高い、驚くべき逆転劇のようなケースで使われることが多いんですよ。

ただし、このことわざは「鳶が鷹を生む」ほど一般的ではなく、地域によっては使われていない場合もあります。そのため、より多くの人に伝わりやすいのは「鳶が鷹を生む」の方と言えるでしょうね。

竹の子親まさり(たけのこおやまさり)

「竹の子親まさり」は、子どもが親よりも優れていることを表すことわざです。竹の子(タケノコ)は成長すると親竹よりも高く太く育つことがあることから、このように言われるんですね。

「鳶が鷹を生む」との違いは、親を「平凡」と決めつけていない点です。「竹の子親まさり」は単純に「子が親より優れている」という事実を述べているだけで、親を低く評価するニュアンスがないんですよ。

そのため、他人の親子について話す場合や、より丁寧に表現したい場合は、「竹の子親まさり」の方が適切かもしれませんね。相手を尊重しながら、子どもの優秀さを褒めることができる、配慮のある表現と言えるでしょう。

「対義語」は?

「鳶が鷹を生む」の対義語には、「親の特性が子にそのまま受け継がれる」という意味のことわざがいくつかあります。遺伝や環境の影響を強調する表現ですね。こちらも見ていきましょう。

鳶の子は鷹にならず(とびのこはたかにならず)

「鳶の子は鷹にならず」は、平凡な親からは平凡な子しか生まれないという意味のことわざです。「鳶が鷹を生む」と正反対の意味を持つ、完全な対義語と言えますね。

このことわざは、遺伝や家庭環境の影響を重視する考え方を表しています。親の能力や地位が子どもにもそのまま受け継がれるという、やや宿命論的なニュアンスがあるんですね。

現代では、このような決めつけは教育的にも問題があるとされることが多いです。努力や環境次第で人は変われるという価値観が主流になっているため、使う際には注意が必要かもしれませんね。ただし、「血筋や育ちは簡単には変えられない」という現実的な側面を指摘する場合には、今でも使われることがあるんですよ。

蛙の子は蛙(かえるのこはかえる)

「蛙の子は蛙」は、子は親に似るものだという意味のことわざです。蛙の子はオタマジャクシで、見た目は全く違うけれど、最終的には親と同じ蛙になるという自然の摂理から生まれた表現なんですね。

このことわざは、「鳶の子は鷹にならず」よりも柔らかいニュアンスで使われることが多いです。親子が似ているという事実を、肯定的にも否定的にも使えるんですよ。

例えば、「お父さんそっくりの笑顔だね、蛙の子は蛙だね」というように、微笑ましい場面で使うこともできます。一方で、「あの子もだらしないね、蛙の子は蛙だから」というように、やや批判的に使われることもあるんですね。文脈によって受け取られ方が変わる、興味深いことわざと言えるでしょう。

瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ)

「瓜の蔓に茄子はならぬ」は、平凡な親から優れた子は生まれないという意味のことわざです。瓜の蔓からは瓜の実しかならず、茄子がなることはあり得ないという、植物の法則を喩えとして使っているんですね。

この表現も「鳶が鷹を生む」の対義語として位置づけられます。自然の法則に逆らうことはできないという、やや諦めのニュアンスが含まれているんですよ。

ただし現代では、このような決定論的な考え方は必ずしも支持されていません。遺伝子だけでなく、環境や教育、本人の努力によって人生は大きく変わるという考え方が一般的になっているからですね。それでも、現実を冷静に受け止める場面では、今でも使われることがあるかもしれませんね。

「英語」で言うと?

「鳶が鷹を生む」のような表現は、英語圏にも存在するんですよ。文化は違っても、人間が感じる驚きや喜びは共通しているんですね。英語での類似表現を見ていきましょう。

A black hen lays a white egg.(黒い雌鶏が白い卵を産む)

これは英語圏でよく使われる表現で、「鳶が鷹を生む」にもっとも近い意味を持つことわざと言われています。黒い雌鶏から白い卵が生まれるという意外性を表現しているんですね。

直訳すると「黒い雌鶏が白い卵を産む」となりますが、意味としては「平凡な親から優れた子が生まれる」ということです。日本語の「鳶が鷹を生む」と同じように、親子間の意外な違いを驚きとともに表現しているんですよ。

英語圏の友人と話す機会があったら、このフレーズを使ってみるといいかもしれませんね。文化を超えて、親子関係における驚きは共通の話題になるはずですよ。

Even plain parents can produce a genius child.(平凡な親でも天才的な子を産むことができる)

これは比較的現代的な表現で、直接的に意味を伝える言い方です。ことわざというよりも、説明的な文章として使われることが多いですね。

"plain parents"(平凡な親)と"genius child"(天才的な子)という対比が明確で、「鳶が鷹を生む」の意味をストレートに表現しています。ビジネスシーンや教育の場面で、より正確に意図を伝えたいときに適した表現と言えるでしょう。

プレゼンテーションや論文などで使う場合は、このような明確な表現の方が誤解が少なくていいかもしれませんね。相手の英語レベルに合わせて、ことわざと説明的表現を使い分けるといいですよ。

The apple doesn't fall far from the tree.(りんごは木から遠くには落ちない)※反対の意味

実は、この表現は「鳶が鷹を生む」の対義語に近い意味を持つ英語のことわざなんです。「りんごは木から遠くには落ちない」、つまり「子は親に似る」という意味ですね。

この表現を知っておくと、英語で「鳶が鷹を生む」を説明するときに便利なんですよ。例えば、「"A black hen lays a white egg" is the opposite of "The apple doesn't fall far from the tree"」(「黒い雌鶏が白い卵を産む」は「りんごは木から遠くには落ちない」の反対の意味です)というように説明できますね。

対義語を知ることで、元の表現の意味がより明確になることってありますよね。英語の表現を学ぶときも、セットで覚えておくと理解が深まるかもしれませんね。

まとめ

「鳶が鷹を生む」について、意味や由来、使い方まで詳しく見てきましたが、いかがでしたか。このことわざは、平凡な親から優れた子が生まれる意外性を表現する、江戸時代から続く歴史あることわざなんですね。

大切なポイントをまとめると、こんな感じになりますよ。

  • 読み方は「とびがたかをうむ」または「とんびがたかをうむ」
  • 平凡な親から優秀な子が生まれることを表す
  • 江戸時代初期の『犬子集』(1633年)が初出
  • 使う際は相手への配慮が必要(特に他人の親について話すとき)
  • 類語には「烏の白糞」「竹の子親まさり」などがある
  • 対義語には「蛙の子は蛙」「鳶の子は鷹にならず」などがある
  • 英語では"A black hen lays a white egg"が近い表現

最近では、遺伝子研究や子育て論の観点から、このことわざが改めて注目されているんですね。環境や教育、本人の努力によって、人は親の枠を超えて成長できるという希望を与えてくれる表現とも言えるでしょう。

ただし、使う場面には注意が必要です。自分の家族について謙遜を込めて使うのは問題ありませんが、他人の親子関係について使う場合は、相手を傷つけないよう配慮することが大切ですよ。

日本語には、このように深い意味と長い歴史を持つことわざがたくさんあります。「鳶が鷹を生む」も、知っているだけでなく、適切な場面で使えるようになると、会話がより豊かになりますよね。ぜひ、日常会話の中で使ってみてくださいね。