
「嘘から出た実」ということわざ、聞いたことがある方は多いですよね。でも、いざ「どういう意味?」と聞かれると、なんとなくわかるような、わからないような…そんな経験はありませんか?
冗談で言ったことが本当になってしまった経験って、皆さんにもあるかもしれませんね。実はそんな不思議な出来事を表現するのが、この「嘘から出た実」なんです。
この記事では、「嘘から出た実」の正確な意味から、その由来、実際の使い方がわかる例文、さらには類語や対義語、英語表現まで詳しくご紹介していきますね。日常会話やビジネスシーンでも使える知識ばかりですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「嘘から出た実」を理解するための基礎知識

まずは「嘘から出た実」の基本的な情報から見ていきましょう。読み方や正確な意味、そしてこのことわざがどのように生まれたのか、一緒に確認していきますね。
読み方
「嘘から出た実」は、「うそからでたまこと」と読みます。
「実」という漢字を「まこと」と読むところがポイントですよね。「じつ」と読み間違えてしまいそうになりますが、ここでは「まこと(誠・真)」という意味で使われているんですね。真実や本当のことを表す言葉なんです。
ちなみに、「うそより出た誠」という言い方もあります。こちらも同じ意味で使われることわざなんですよ。
意味
「嘘から出た実」の意味は、嘘のつもりで言ったことや出任せで言ったことが、偶然にも本当になってしまうことを指します。
わかりやすく言うと、冗談半分で「こうなるんじゃない?」と適当に言ったことが、なぜか現実になってしまった…そんな状況を表現するんですね。
たとえば、友達に「この商品、絶対流行るよ!」と根拠なく言っていたら、本当に大ヒットしてしまった、なんて経験はありませんか?そういう時に使えることわざなんです。
単なる偶然の一致だけでなく、言葉の力によって現実が引き寄せられたような不思議な現象も含んでいるんですよ。
語源と由来
「嘘から出た実」の由来については、いくつかの説があるんですね。
最も有力な説は、江戸時代の「江戸いろはかるた」に由来するというものです。いろはかるたの「う」の札として使われていたことから、江戸時代にはすでに広く知られていたことわざだったと考えられています。
また、十返舎一九さんの有名な戯作『東海道中膝栗毛』のエピソードに関連しているという説もあるんですよ。この作品の中で、主人公たちが出任せを言ったことが偶然現実になってしまう、というような場面があったとされています。
江戸時代の人々も、私たちと同じように「冗談で言ったことが本当になっちゃった」という経験をしていたんでしょうね。そんな不思議な体験を上手に言葉にしたのが、このことわざなんです。
考えてみれば、人間の言葉には不思議な力があると昔の人も感じていたのかもしれませんね。言霊という考え方も日本にはありますから、言ったことが現実になるという現象は、昔から興味深いテーマだったんでしょう。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは実際に、「嘘から出た実」がどんな場面で使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。日常生活やビジネスシーンでの使い方がイメージできると思いますよ。
1:「冗談で彼女ができると言っていたら、本当に素敵な人と出会えた。まさに嘘から出た実だね」
これは日常会話でよく使われるパターンですね。
友達同士で「そろそろ彼女できるんじゃない?」なんて冗談半分で話していたら、本当に恋人ができてしまった…そんな嬉しい展開を表現しているんです。
この例文のポイントは、最初は本気ではなかった、あるいは根拠がなかった発言が、結果的に現実になったという点ですよね。予期しない幸運な出来事にも使えるんです。
きっと皆さんも、軽い気持ちで言ったことが実現して驚いた経験、一度や二度はあるんじゃないでしょうか。
2:「新商品の販売予測を適当に立てたら、ぴったり当たってしまった。嘘から出た実で、上司に褒められたよ」
こちらはビジネスシーンでの使用例ですね。
仕事で数字を予測する場面って、よくありますよね。データに基づいて綿密に計算することもあれば、時には経験や勘で判断することもあるかもしれません。
この例文では、確たる根拠なく立てた予測が偶然にも的中してしまったという状況を描いているんです。結果としては良いことなんですが、本人としては「たまたまだったのに…」という複雑な気持ちもあるかもしれませんね。
もちろん、ビジネスでは正確なデータ分析が大切ですが、時にはこういった偶然もあるものなんですよね。
3:「できないのにできると言ってしまい、必死に練習したら本当にできるようになった。これも嘘から出た実というべきかな」
この例文は、少し違ったニュアンスで使われているパターンですね。
純粋な偶然ではなく、嘘をついてしまったことがきっかけで、それを本当にするために努力した結果、実現したという状況を表しているんです。
学生時代、できないことを「できる」と言ってしまって、慌てて特訓した経験はありませんか?そして、その結果本当にできるようになったとき、まさにこの「嘘から出た実」という状況になるんですね。
言葉が自分を動かし、結果として現実を変えてしまうという、ポジティブな意味でも使えることわざなんですよ。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「嘘から出た実」と似た意味を持つことわざや表現は、実はいろいろあるんですよね。それぞれ微妙にニュアンスが異なるので、一緒に見ていきましょう。
瓢箪から駒
「瓢箪から駒」(ひょうたんからこま)は、思いがけないところから意外なものが出てくること、または冗談が現実になることを意味することわざです。
瓢箪という入れ物から、まさか駒(馬の置物や将棋の駒)が出てくるなんて普通は考えられませんよね。そんな驚きの展開を表現しているんです。
「嘘から出た実」と似ていますが、こちらは予想外の驚きや意外性により重点を置いた表現なんですね。冗談が本当になるというよりも、あり得ないことが起こった驚きを表す時によく使われますよ。
冗談から駒が出る
「冗談から駒が出る」は、冗談のつもりで言ったことが本当になってしまうことを意味します。
これは「嘘から出た実」とほぼ同じ意味で使われることわざですね。「瓢箪から駒」から派生した表現とも言われているんですよ。
軽い気持ちで言った冗談が、なぜか現実になってしまった…そんな時に使える表現です。日常会話では「嘘から出た実」よりも気軽に使える印象があるかもしれませんね。
虚は実を引く
「虚は実を引く」(きょはじつをひく)は、嘘や虚構が現実を引き寄せる、または嘘が本当のことになるという意味のことわざです。
「虚」は嘘や空虚なこと、「実」は真実や現実を表しています。嘘が現実を引き寄せてしまうという、言葉の持つ不思議な力を表現しているんですね。
「嘘から出た実」よりも少し文学的で格調高い表現かもしれません。また、言葉の力や言霊の概念により近い表現とも言えますよね。
怪我の功名
「怪我の功名」(けがのこうみょう)は、過失や失敗が偶然にも良い結果を生むことを意味することわざです。
これは「嘘から出た実」とは少し違ったニュアンスなんですね。嘘や冗談ではなく、失敗やミスがきっかけで思わぬ成功につながったという状況を表しているんです。
たとえば、道を間違えたおかげで素敵なお店を発見した、なんていう時に使えますよね。予期しない良い結果という点では共通していますが、出発点が「嘘」ではなく「失敗」である点が異なるんですよ。
「対義語」は?
「嘘から出た実」の反対の意味を持つことわざも見ていきましょう。対義語を知ることで、元のことわざの意味がより深く理解できますよね。
言うは易く行うは難し
「言うは易く行うは難し」(いうはやすくおこなうはかたし)は、口で言うのは簡単だが、実際に実行するのは難しいという意味のことわざです。
これは「嘘から出た実」とは対照的な考え方を示していますよね。「嘘から出た実」が言ったことが偶然現実になるという意味なのに対し、こちらは言葉と現実の間には大きなギャップがあることを強調しているんです。
理想を語るのは簡単でも、それを実現するのはとても大変…そんな現実の厳しさを教えてくれることわざなんですね。
絵に描いた餅
「絵に描いた餅」(えにかいたもち)は、実際には役に立たない空想や計画のことを意味することわざです。
どんなに美味しそうな餅を絵に描いても、実際に食べることはできませんよね。つまり、言葉や計画だけで、実現しないものを表現しているんです。
「嘘から出た実」が言葉が現実になるという意味なのに対して、「絵に描いた餅」は言葉や計画が現実にならない、実行不可能なものを指すという点で、まさに対義的な関係にあるんですね。
有言不実行
「有言不実行」(ゆうげんふじっこう)は、言うことは言うけれど、実際には行動しないことを意味する四字熟語です。
これは「嘘から出た実」の対義語として、とてもわかりやすい表現ですよね。言ったことが実現するのではなく、言ったことを実行しない、口だけの状態を表しているんです。
「明日から本気出す」と言いながら結局やらない…そんな状況を指す言葉でもありますね。ビジネスや日常生活でも、この状態は避けたいものです。
「英語」で言うと?
「嘘から出た実」を英語で表現する方法もいくつかあるんですよ。国際的なコミュニケーションでも使える表現を見ていきましょう。
Many a true word is spoken in jest.(冗談の中に真実あり)
これは英語圏で最もよく使われる、「嘘から出た実」に近い表現なんですね。
直訳すると「多くの真実の言葉が冗談の中で語られる」という意味になります。冗談半分で言ったことが、実は真実だったり、本当になってしまったりすることを表しているんです。
シェイクスピアの時代から使われている古い英語表現で、格言やことわざとして広く認知されているんですよ。ビジネス英語でも使える格調高い表現なんですね。
An incorrect statement may turn out to be correct in the end.(間違った発言が最終的には正しくなることもある)
こちらはより現代的で、直接的な表現ですね。
「誤った発言が最終的には正しいことになることがある」という意味で、「嘘から出た実」の意味をストレートに伝えることができます。
ことわざや慣用表現ではなく、説明的な言い方なので、英語があまり得意でない人にも伝わりやすい表現かもしれませんね。会話の中で補足説明として使うのにも適していますよ。
A lie becomes reality.(嘘が現実になる)
最もシンプルで分かりやすい表現がこちらですね。
「嘘が現実になる」という、そのままの意味を伝える表現です。簡潔でわかりやすいので、カジュアルな会話では一番使いやすいかもしれません。
ただし、これは慣用表現やことわざではないので、文学的な雰囲気や深みは前述の二つに比べると少ないかもしれませんね。でも、言いたいことが確実に伝わるという点では優れた表現だと思いますよ。
まとめ
「嘘から出た実」について、詳しく見てきましたがいかがでしたか?
このことわざは、嘘のつもりで言ったことや出任せが、偶然にも本当になってしまうことを意味しているんでしたね。江戸時代から伝わる歴史あることわざで、現代でも様々な場面で使われているんです。
ポイントをおさらいすると、次のような特徴がありましたよね。
- 読み方は「うそからでたまこと」で、「実」を「まこと」と読む
- 江戸いろはかるたに由来する古典的な表現
- 日常会話からビジネスシーンまで幅広く使える
- 「瓢箪から駒」「冗談から駒が出る」などの類語がある
- 言葉が現実を引き寄せる不思議な現象を表している
言葉には不思議な力があるんですよね。冗談半分で言ったことでも、それが自分や周りの人の意識に働きかけて、思わぬ形で実現することがあるんです。
もしかしたら、私たちが何気なく発する言葉一つ一つが、未来を作っているのかもしれません。そう考えると、ポジティブな言葉を使うことの大切さも感じられますよね。
「嘘から出た実」という言葉、ぜひ日常会話の中で使ってみてください。きっと会話がより豊かで味わい深いものになると思いますよ。