ことわざ

「捨てる神あれば拾う神あり」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「捨てる神あれば拾う神あり」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「捨てる神あれば拾う神あり」ということわざ、聞いたことはあるけれど正確にどういう意味なのかと聞かれると、ちょっと迷ってしまいますよね。

失敗したときや落ち込んだときに誰かから「捨てる神あれば拾う神ありだよ」と励まされた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、このことわざには実は深い意味や由来があって、使い方を知っておくと人生の様々な場面で心の支えになってくれるんですね。

この記事では、「捨てる神あれば拾う神あり」の正しい意味や由来、実際の使い方がわかる例文、似た意味のことわざや対義語、さらには英語でどう表現するかまで、網羅的にご紹介していきます。

きっと読み終わる頃には、このことわざを自分の言葉として使いこなせるようになっているはずですよ。

「捨てる神あれば拾う神あり」を理解するための基礎知識

「捨てる神あれば拾う神あり」を理解するための基礎知識

まずは、このことわざの基本的な知識から見ていきましょう。読み方や意味、そして由来を知ることで、より深く理解できるようになりますよ。

読み方

「捨てる神あれば拾う神あり」は、「すてるかみあればひろうかみあり」と読みます。

特に難しい読み方ではないのですが、「拾う」を「じゅうう」と読んでしまわないように注意してくださいね。正しくは「ひろう」です。

また、口語では「捨てる神あれば拾う神ありだよ」「捨てる神あれば拾う神ありって言うじゃない」のように、自然な会話の中で使われることが多いんですね。

意味

「捨てる神あれば拾う神あり」は、自分を見捨てたり愛想を尽かしたりする人がいる一方で、助けたり親切にしてくれる人もいるという意味のことわざです。

つまり、一つの失敗や挫折があったとしても、必ず助けてくれる誰かが現れるから悲観せず希望を持ちなさい、という前向きなメッセージが込められているんですね。

世の中には様々な人がいて、あなたを拒絶する人もいれば、あなたを受け入れてくれる人もいるということなんです。

就職活動で不採用が続いたり、恋愛で失恋したり、ビジネスで取引先に断られたりしたときに、くよくよせず前を向くことを促す表現として使われるんですね。

このことわざには、困難な状況でも諦めずにいれば、必ず道は開けるという日本人の楽観的な世界観が表れているとも言えるかもしれませんね。

語源と由来

「捨てる神あれば拾う神あり」の由来は、神道の八百万の神(やおよろずのかみ)という考え方から来ているとされています。

日本の神道では、一つの神だけを信仰する一神教とは異なり、世の中には無数の神々が存在すると考えられてきたんですね。

山の神、海の神、火の神、水の神など、自然界のあらゆるものに神が宿っているというアニミズム的な発想が、日本人の精神性の根底にあるわけです。

そして、多くの神々がいるのだから、あなたを見放す神がいても、別の神があなたを救ってくれるという多神教ならではの楽観的な考え方が、このことわざに反映されているんですね。

興味深いことに、17世紀頃のアテネに似た表現があったという説もあるようですが、主に日本独自の表現として定着してきたようですね。

また、文学作品の中でも使われてきた歴史があります。

中里介山さんの長編小説『大菩薩峠』では「捨てる神があれば拾う神もあるもので…」という形で登場しており、昔から人々の間で親しまれてきた表現だということがわかりますよね。

「使い方」がわかる「例文」3選

「使い方」がわかる「例文」3選

それでは実際に、「捨てる神あれば拾う神あり」がどのような場面で使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。日常生活の様々なシーンで活用できる表現なんですよ。

1:「就職活動で何社も落ち続けた兄だったけど、最後に志望度の高かった会社から内定をもらえたんだよ。まさに捨てる神あれば拾う神ありだね」

この例文は、就職活動という人生の大きな節目における使い方を示していますね。

何度も不採用通知を受け取って落ち込んでいた状況から、最終的には希望する会社に採用されたという逆転劇を表現しています。

たくさんの企業が「採用しない」という判断(捨てる神)をした一方で、最後に一社が「採用したい」という判断(拾う神)をしてくれたわけですね。

しかも、その会社が志望度の高いところだったというのが、このことわざの持つポジティブな意味を象徴していると言えるでしょう。

就職活動中の方や、身近に就活で苦労している人がいる方にとっては、希望を持ち続けることの大切さを伝える励ましの言葉として使えますよね。

2:「長年付き合っていた恋人に別れを告げられて落ち込んでいた姉だけど、半年後には素敵な人と出会って今ではとても幸せそうなの。これこそ捨てる神あれば拾う神ありよね」

この例文は、恋愛における別れと新しい出会いという、多くの人が経験する人生の転機を描いていますね。

長く続いた関係が終わってしまった悲しみ(捨てる神)の後に、さらに良い相手との出会い(拾う神)が訪れたという展開です。

失恋の痛みは本当につらいものですが、その経験があったからこそ新しい幸せに気づけることもあるんですよね。

このように、恋愛で傷ついた友人や家族を励ますときにも、「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉は温かい支えになってくれます。

ただし、失恋直後の人に対して使う場合は、相手の気持ちが少し落ち着いてからのほうが良いかもしれませんね。タイミングも大切です。

3:「親会社から取引を打ち切られて困っていたうちの会社だけど、その直後に別の大手企業から大型発注があったんです。本当に捨てる神あれば拾う神ありでした」

この例文は、ビジネスシーンでの使い方を示していますね。

企業間の取引において、長年の取引先から契約を切られるというのは、会社にとって大きな痛手ですよね。

でも、そのピンチの直後に別の会社から大きな仕事の依頼が来たという状況は、まさに「捨てる神あれば拾う神あり」を体現していると言えるでしょう。

ビジネスの世界では、一つの扉が閉じたときに別の扉が開くということがよくあるんですね。

このことわざは、仕事で困難に直面している同僚や取引先を励ますときにも使えますし、自分自身が困難な状況にあるときに心の支えにすることもできますよ。

また、この例文のように過去形で「捨てる神あれば拾う神ありでした」と使うことで、実際に良い結果が得られたという報告の形にもなるんですね。

似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現

「捨てる神あれば拾う神あり」と似た意味を持つことわざや表現は他にもあります。それぞれ微妙にニュアンスが異なるので、状況に応じて使い分けるといいですよね。

渡る世間に鬼はない

「渡る世間に鬼はない」は、世の中には情け深い人もいて、必ず助けてくれる人がいるという意味のことわざです。

「捨てる神あれば拾う神あり」が「見捨てる人もいれば助ける人もいる」という両面を表現しているのに対して、「渡る世間に鬼はない」は助けてくれる人の存在に焦点を当てている点が少し違いますね。

つまり、「捨てる神あれば拾う神あり」は逆境の後の希望を強調しているのに対し、「渡る世間に鬼はない」は世間の温かさそのものを強調しているんです。

困っている人に「世の中捨てたもんじゃないよ」と励ますときに使いやすい表現ですよね。

塞翁が馬(さいおうがうま)

「塞翁が馬」は、人生の幸不幸は予測できず、何が幸いになるか不幸になるかわからないという意味の中国由来のことわざです。

これは古代中国の故事に由来していて、国境近くに住む老人の馬が逃げたことが結果的に幸運につながったという話から来ているんですね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が「助けてくれる人がいる」という人間関係に焦点を当てているのに対し、「塞翁が馬」は出来事そのものの吉凶が移り変わることを表現している点が異なりますね。

もう少し哲学的で、人生の浮き沈みを俯瞰的に見る視点が含まれているとも言えるかもしれません。

終わりよければすべてよし

「終わりよければすべてよし」は、過程で多少の困難があっても、最終的に良い結果になればそれでよいという意味の表現です。

これはシェイクスピアの戯曲のタイトルにもなっている言葉で、英語では「All's Well That Ends Well」と言うんですね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が困難な状況から助けが現れることを表すのに対し、「終わりよければすべてよし」は結果の良さを強調している点が違います。

プロジェクトの途中で問題があったけれど最後には成功した、というようなビジネスシーンでよく使われる表現ですよね。

果報は寝て待て

「果報は寝て待て」は、運を天に任せて、焦らずゆったりと待つべきだという意味のことわざです。

これは「捨てる神あれば拾う神あり」と同じく、良いことは必ずやってくるという楽観的なメッセージを持っていますね。

ただし、「捨てる神あれば拾う神あり」が「助けてくれる人がいる」という具体的な救いを示すのに対し、「果報は寝て待て」はもっと漠然とした幸運の到来を示している点が異なります。

あれこれ焦っている人に対して「もう少しリラックスして待ってみたら?」と助言するときに使いやすい表現ですよね。

「対義語」は?

次に、「捨てる神あれば拾う神あり」とは反対の意味を持つことわざや表現を見ていきましょう。対義語を知ることで、元のことわざの意味がより鮮明に理解できますよね。

泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)

「泣きっ面に蜂」は、悪いことの上にさらに悪いことが重なるという意味のことわざです。

泣いている顔を蜂に刺されるという状況から、不運が連続して起こる様子を表現しているんですね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が「悪いことの後には良いことがある」という希望を示すのに対し、「泣きっ面に蜂」は「悪いことが重なる」という絶望的な状況を表している点で、まさに対義語と言えるでしょう。

ただし、実際の使い方としては、あまりにも不運が重なったときに、自虐的に「泣きっ面に蜂だよ」と笑い飛ばす場合もありますよね。

弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)

「弱り目に祟り目」も、弱っているときにさらに災難が降りかかるという意味のことわざです。

「泣きっ面に蜂」とほぼ同じ意味ですが、「弱り目」という表現がより心身の疲弊した状態を強調している感じがしますよね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が救いの手が差し伸べられることを期待させるのに対し、「弱り目に祟り目」は助けがなく苦しみが増すばかりという、対照的な状況を表しているんですね。

病気で休んでいたら仕事でもトラブルが起きた、というような状況で使われることが多い表現です。

一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

「一難去ってまた一難」は、一つの困難が終わったと思ったら、また別の困難がやってくるという意味の表現です。

これも「捨てる神あれば拾う神あり」とは真逆の状況を表していますよね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が「困難の後には救いがある」というポジティブな展開を示すのに対し、「一難去ってまた一難」は困難が次々と続くというネガティブな展開を表現しているんです。

ただし、この表現も実際には「本当に一難去ってまた一難だよ」と、苦労を笑い飛ばすようなニュアンスで使われることも多いんですね。

「英語」で言うと?

「捨てる神あれば拾う神あり」の概念は、日本独自の表現ではありますが、英語でも似た意味を持つ表現がいくつかあるんですよ。国際的なコミュニケーションで使える表現を見ていきましょう。

When one door shuts, another opens(一つの扉が閉まれば、もう一つが開く)

これは「捨てる神あれば拾う神あり」に最も近い英語表現と言えるでしょう。

一つの機会を失っても、別の機会が必ず訪れるという楽観的なメッセージが込められているんですね。

この表現は、スペインの作家セルバンテスの『ドン・キホーテ』に由来するとも言われていて、西洋文化圏でも広く使われている格言なんです。

「捨てる神あれば拾う神あり」が神という存在を使って表現しているのに対し、こちらは「扉」という比喩を使っている点が文化的な違いとして興味深いですよね。

ビジネス英語でも日常会話でも幅広く使える便利な表現ですよ。

Every cloud has a silver lining(どんな雲にも銀の裏地がある)

この英語表現は、どんな悪い状況にも良い面があるという意味を持っています。

雲の裏側には太陽の光が反射して銀色に輝いているという視覚的なイメージから来ているんですね。

「捨てる神あれば拾う神あり」が「助けてくれる人が現れる」という人との出会いを強調するのに対し、「Every cloud has a silver lining」は状況そのものの中に希望を見出すというニュアンスが少し異なりますね。

困難な状況の中でも前向きでいようという励ましの言葉として、英語圏でよく使われる表現です。

There are plenty of fish in the sea(海にはたくさんの魚がいる)

これは主に恋愛の文脈で使われる英語表現で、一人の相手に振られても、世の中にはたくさんの出会いがあるという意味なんですね。

「捨てる神あれば拾う神あり」を恋愛に特化させた表現とも言えるでしょう。

失恋した友人を励ますときに「Don't worry, there are plenty of fish in the sea!(大丈夫、世の中にはまだまだ素敵な人がたくさんいるよ!)」のように使われることが多いんです。

魚と海という比喩を使うところが英語圏らしい表現方法ですよね。

ただし、これは恋愛に限定された表現なので、ビジネスや他の場面では使いにくいという点が「捨てる神あれば拾う神あり」との違いです。

まとめ

「捨てる神あれば拾う神あり」は、困難な状況にあっても希望を失わないことの大切さを教えてくれる、とても前向きなことわざなんですね。

その意味は、自分を見捨てる人がいても、必ず助けてくれる人も現れるというもので、日本の神道における八百万の神という多神教的な発想から生まれた表現でした。

就職活動、恋愛、ビジネスなど、人生の様々な場面で使えるこのことわざは、落ち込んでいる人を励ますときや、自分自身を勇気づけるときに心強い味方になってくれますよ。

「渡る世間に鬼はない」や「塞翁が馬」といった類語と合わせて覚えておくと、状況に応じて適切な表現を選べるようになるでしょう。

また、英語では「When one door shuts, another opens」という似た表現があることも知っておくと、国際的な場面でも同じような励ましの言葉をかけられますよね。

人生には思い通りにいかないこともたくさんありますが、「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉を心に留めておけば、きっと前向きな気持ちで歩んでいけるはずです。

ぜひ日常会話の中で使ってみてくださいね。