
「盗人猛々しい」という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ニュースやSNSなどで時々見かける表現ですよね。でも、正確にどういう意味なのか、どんなシーンで使うのが適切なのか、と聞かれると少し戸惑ってしまうかもしれませんね。
この記事では、「盗人猛々しい」の意味や由来、具体的な使い方について、わかりやすく丁寧に解説していきます。例文や類語、対義語、英語表現まで網羅的にご紹介しますので、この言葉を正しく理解して、実際の会話やビジネスシーンで自信を持って使えるようになりますよ。一緒に学んでいきましょうね。
「盗人猛々しい」を理解するための基礎知識

読み方
「盗人猛々しい」の読み方は、「ぬすびとたけだけしい」、または「ぬすっとたけだけしい」です。
「盗人」の部分は「ぬすびと」と読むのが正式な音読みですが、日常会話では「ぬすっと」という訓読みも広く使われていますよね。どちらの読み方も正しいので、自分が言いやすい方で大丈夫なんですね。
「猛々しい」は「たけだけしい」と読みます。これは少し読みにくいかもしれませんね。でも、このことわざをマスターすれば、自然と覚えられますよ。
意味
「盗人猛々しい」は、盗みや悪事を働いたにもかかわらず、平然としている様子や、咎められた際に居直ったり逆ギレしたりする図々しい態度を非難するときに使う日本のことわざです。
つまり、悪いことをした人が反省するどころか、堂々としていたり、文句を言われると逆に怒り出したりする、そんな厚かましい態度を批判する言葉なんですね。
このことわざの核心は「反省の欠如」にあります。単に悪事を働いたことだけではなく、それに対して恥じらいや後悔の気持ちがまったく見られず、むしろ開き直ってしまう、そんな態度を強く非難する表現といえますよね。
日常生活では、不正を指摘されているのに謝罪もせず言い訳ばかりする人や、自分の非を認めずに相手を責める人に対して使われることが多いんですね。道徳的に許せない態度を表現する、とても強い非難の言葉なんです。
語源と由来
「盗人猛々しい」の語源は、「盗人」(泥棒)と「猛々しい」(図々しい、勇ましい)という二つの言葉の組み合わせから生まれています。
「猛々しい」という言葉には、本来「勇ましい」「力強い」といったポジティブな意味もあるんですね。戦国時代の武将などが「猛々しく戦う」といった使い方をされていたように、勇敢さや強さを表す言葉でもあったんです。
でも、このことわざでは、悪人である「盗人」に対して、本来は褒め言葉である「猛々しい」を使うことで、皮肉を込めた批判を表現しているんですね。「泥棒のくせに勇ましく堂々としている」という矛盾した状況を、強烈な皮肉として表しているわけです。
このことわざがいつ頃から使われ始めたのか、明確な記録は残っていないようですが、日本の伝統的な道徳観や正義感を表す言葉として、古くから使われてきた表現だと言われています。
江戸時代の文献などにも似たような表現が見られることから、かなり歴史のあることわざなんですね。庶民の間で自然発生的に生まれ、社会的な不正や道徳違反に対する批判の言葉として定着していったのかもしれませんね。
「使い方」がわかる「例文」3選

1:「借りたお金を返さないだけでなく、催促すると逆ギレするなんて盗人猛々しいにも程がある」
この例文は、日常生活でのトラブルを想定したものです。
お金を借りておきながら返済しないというのは、それだけでも道義的に問題がありますよね。でも、この例文では、それに加えて「催促されると怒り出す」という開き直った態度が描かれています。
まさに「盗人猛々しい」という言葉がぴったり当てはまるシチュエーションなんですね。自分が悪いのに、相手を責めるような態度を取る。そんな理不尽な状況に対して、この言葉を使うことで強い非難の気持ちを表現できるわけです。
友人間のトラブルや、ビジネスでの取引相手とのやりとりなど、さまざまな場面で起こりうる状況ですよね。私たちも気をつけたいものです。
2:「会社の備品を持ち帰っておきながら『これくらい問題ないだろう』と開き直る態度は盗人猛々しい」
この例文は、職場でのモラル違反を表しています。
会社の備品を勝手に持ち帰ることは、規模の大小にかかわらず窃盗に当たる行為ですよね。それなのに「これくらい」と軽視して、悪びれる様子もない。そんな態度を批判する表現なんです。
このように、明らかな違反行為をしながら、それを正当化しようとしたり、軽く考えたりする態度に対して「盗人猛々しい」という言葉を使うことができます。
職場でのコンプライアンス意識が高まっている現代では、こうした行為は以前よりも厳しく見られるようになっていますよね。小さなことでも誠実でありたいものですね。
3:「自分が約束を破っておきながら、相手に『信用できない』と言うのは盗人猛々しいとしか言いようがない」
この例文は、人間関係における矛盾した態度を指摘しています。
自分が約束を破るという信頼を裏切る行為をしておきながら、逆に相手を「信用できない」と非難する。これはまさに開き直りの典型的なパターンですよね。
このような、自分の非を棚に上げて相手を責めるような態度に対して、「盗人猛々しい」という言葉は非常に効果的な批判表現になります。
恋愛関係や友人関係、ビジネスパートナーシップなど、あらゆる人間関係において、このような矛盾した態度は信頼関係を壊してしまいますよね。お互いに誠実でいたいものです。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
厚かましい
「厚かましい」は、他人への配慮がなく、図々しい態度を取ることを意味する形容詞です。
「盗人猛々しい」との違いは、必ずしも悪事を前提としていない点ですね。単に遠慮がない、図々しいという状態を表す言葉として使われます。たとえば「厚かましくお願いしますが」というように、自分をへりくだる表現としても使えるんですね。
一方、「盗人猛々しい」は、何か悪いことをした上での開き直りや図々しさを指すので、より強い非難のニュアンスがあります。使い分けとしては、悪事があるかどうかがポイントになりますね。
図々しい
「図々しい」は、遠慮がなく、恥知らずな態度を表す形容詞です。
これも「厚かましい」と同様に、悪事を前提としない場合にも使える言葉なんですね。「図々しく頼む」「図々しい人だ」といった使い方をしますよね。
「盗人猛々しい」と比べると、道徳的な非難の度合いがやや軽いと言えるかもしれません。単に遠慮がない、空気が読めないといった程度から、かなり非常識な態度まで、幅広いニュアンスで使える言葉です。
ただし、「盗人猛々しい」のように、悪事を働いた上での開き直りという強烈な批判のニュアンスは含まれないことが多いですね。
開き直り
「開き直り」は、非を指摘されたときに、反省せずに居直ることを意味する名詞です。
これは「盗人猛々しい」の意味の核心部分と非常に近い言葉なんですね。悪いことをしたのに謝らず、むしろ堂々とした態度を取る、その様子を表しています。
「開き直った態度」「開き直って文句を言う」といった使い方をしますよね。「盗人猛々しい」を一言で言い換えるなら、この「開き直り」という言葉が最も近いかもしれませんね。
ただし、「開き直り」は中立的な描写としても使えるのに対し、「盗人猛々しい」は明確に非難する言葉である点が違います。
無恥
「無恥」(むち)は、恥を知らないこと、恥じらいがないことを意味する漢語です。
「無恥な行為」「無恥にも程がある」といった使い方をする、やや硬い表現ですね。書き言葉として使われることが多い言葉です。
「盗人猛々しい」との共通点は、どちらも恥じらいや反省の気持ちがない状態を批判している点です。ただし、「無恥」は「盗人猛々しい」に比べて、開き直りや逆ギレといった積極的な態度よりも、単に恥の感覚が欠如している状態を指すニュアンスが強いかもしれませんね。
「対義語」は?
潔い
「潔い」(いさぎよい)は、未練がなく、さっぱりしている様子を表す形容詞です。
自分の非を認め、責任を取る姿勢を「潔い態度」と表現しますよね。これは「盗人猛々しい」とは正反対の態度なんですね。
「盗人猛々しい」が開き直りや言い訳を表すのに対し、「潔い」は素直に認めて、きちんと対処する姿勢を表します。「潔く謝罪する」「潔く責任を取る」といった使い方をする、ポジティブな評価を含む言葉です。
私たちも何か失敗したときは、潔い態度でいたいものですよね。
謙虚
「謙虚」は、控えめで、へりくだった態度を意味する言葉です。
自分の能力や成果を誇示せず、他人を尊重する姿勢を「謙虚な態度」と言いますよね。これも「盗人猛々しい」の対義語と言えるでしょう。
「盗人猛々しい」が図々しく、傲慢な態度を表すのに対し、「謙虚」は慎み深く、自分を抑える姿勢を表します。特に、自分に非があるときに謙虚な態度で対応することは、人間関係を円滑にする大切な要素ですよね。
反省
「反省」は、自分の言動を振り返り、悪かった点を認めて改めようとすることを意味する言葉です。
これは「盗人猛々しい」という態度に最も欠けている要素なんですね。悪いことをしたら反省する、これは人として当然の姿勢ですよね。
「盗人猛々しい」が反省の欠如を強く批判する言葉であるのに対し、「反省」はその正反対の、望ましい態度を表しています。「深く反省している」「反省の色が見られる」といった使い方をしますよね。
失敗や過ちは誰にでもあるものですが、大切なのはその後の反省と改善ですよね。
「英語」で言うと?
The guilty are audacious(有罪者が大胆無敵である)
この表現は、「盗人猛々しい」を英語のことわざ風に訳したものです。
「guilty」は「有罪の、罪を犯した」という意味で、「audacious」は「大胆な、厚かましい」という意味なんですね。直訳すると「罪を犯した者が大胆である」となります。
この表現は、悪事を働いた人が堂々としている矛盾をうまく表していますよね。日本語の「盗人猛々しい」の皮肉的なニュアンスも、ある程度伝わる表現だと言えるでしょう。
ただし、これは直訳的な表現なので、実際の英会話ではあまり使われないかもしれません。もっと日常的な表現を知りたい場合は、次の例も参考になりますよ。
Not showing remorse in spite of being in the wrong(間違っているにもかかわらず反省を示さない)
この表現は、「盗人猛々しい」の意味を説明的に英語で表したものです。
「remorse」は「後悔、自責の念」という意味で、「in spite of」は「〜にもかかわらず」、「in the wrong」は「間違っている、悪い」という意味なんですね。
この表現は、悪いことをしたのに反省しない態度を明確に説明しているので、英語圏の人にも理解しやすい表現だと言えるでしょう。
「He's not showing any remorse in spite of being in the wrong.」(彼は自分が悪いのに全く反省していない)といった使い方ができますね。
How dare you(よくもそんなことが言えたものだ)
「How dare you」は、相手の厚かましさや図々しさに対する驚きと怒りを表す英語表現です。
これは日常会話でよく使われるフレーズで、相手が非常識なことを言ったりしたりしたときに、「よくもまあ」「厚かましい」といった気持ちを込めて使いますよね。
完全に「盗人猛々しい」と同じ意味ではありませんが、開き直った態度や図々しい言動に対する批判という点では、近い表現だと言えるでしょう。
「How dare you say that after what you did!」(自分がやったことの後で、よくそんなことが言えるね!)といった使い方で、「盗人猛々しい」に近いニュアンスを表現できますよ。
まとめ
「盗人猛々しい」ということわざについて、意味から由来、使い方まで詳しく見てきましたね。
このことわざの核心は、悪事を働きながら反省せず、むしろ開き直る態度を強く非難するという点にあります。「盗人」という悪人に対して、本来は褒め言葉である「猛々しい」を使うことで、皮肉を込めた批判を表現している、古くから伝わる日本の知恵なんですね。
日常生活では、不正を指摘されても謝らずに言い訳する人や、自分の非を認めずに相手を責める人に対して使う言葉です。ビジネスシーンでもプライベートでも、残念ながらこういった態度に出会うことはありますよね。
類語には「厚かましい」「図々しい」「開き直り」などがあり、対義語には「潔い」「謙虚」「反省」といった言葉がありましたね。英語では「The guilty are audacious」や「How dare you」といった表現が近いニュアンスを持っています。
このことわざを知っておくことで、社会的な不正や道徳違反に対して適切に批判する言葉を持つことができます。ただし、非難のニュアンスがとても強い表現なので、使う際は相手や状況をよく考えて、慎重に使いたいものですね。
私たち自身も、何か失敗や過ちを犯したときには「盗人猛々しい」と言われないように、素直に反省し、誠実に対応する姿勢を大切にしたいものですよね。
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