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「生みの親より育ての親」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「生みの親より育ての親」の意味や由来とは?例文でわかりやすく解説!

「生みの親より育ての親」って、聞いたことはあるけれど、正確にどういう意味なのか説明してと言われると、ちょっと迷いますよね。なんとなく雰囲気はわかるけれど、どんな場面で使うのが正しいのか、由来は何なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「生みの親より育ての親」の意味や由来、実際の使い方がわかる例文、似た意味のことわざや対義語、さらには英語表現まで、網羅的にご紹介していきますね。きっとこの記事を読み終えるころには、自信を持ってこのことわざを使えるようになっているはずですよ。

「生みの親より育ての親」を理解するための基礎知識

「生みの親より育ての親」を理解するための基礎知識

まずは、このことわざの基本的な情報から見ていきましょう。読み方や意味、そしてどのようにして生まれたことわざなのかを知ることで、より深く理解できるはずですよ。

読み方

「生みの親より育ての親」は、「うみのおやよりそだてのおや」と読みます。

比較的シンプルな読み方なので、間違えることは少ないかもしれませんね。「生み」を「いきみ」などと読み間違えないように気をつけてくださいね。また、別の言い方として「生みの恩より育ての恩(うみのおんよりそだてのおん)」という表現もあるんですよ。

意味

「生みの親より育ての親」は、自分を産んでくれた実の親よりも、長い間苦労して養い育ててくれた親のほうに、より深い愛情や恩義を感じるという意味のことわざです。

つまり、血のつながりよりも、実際に育ててくれた人との絆のほうが大切であるという教えを表しているんですね。生んでくれたことへの感謝ももちろん大切ですが、毎日ご飯を作ってくれたり、着る物を用意してくれたり、病気のときに看病してくれたりと、日々の生活の中で面倒を見てくれた人への恩のほうが、はるかに大きいということなんです。

育ての親には、祖父母さんや叔父叔母さん、養父母さん、里親さんなど、実の親以外で子どもを育ててくれた人が該当しますよね。

語源と由来

「生みの親より育ての親」の由来については、いくつかの説がありますが、日本では古くから「育ての恩」を重視する文化があったことが背景にあると言われています。

このことわざの初出例としては、1897年(明治30年)の落語「自称情夫」に登場したという記録が残っているんですね。もしかしたら、それ以前から口承で伝えられていた可能性もありますが、文献として確認できるのはこの時期からなんです。

歴史的に見ると、日本では昔から血縁関係よりも「家」という単位が重視されてきました。養子縁組も一般的でしたし、跡継ぎとして迎えられた子どもが家を守るという文化があったんですね。そういった社会背景の中で、「生んでくれた親よりも、育ててくれた親のほうが大切」という考え方が自然に生まれてきたのかもしれませんね。

また、このことわざが使われる背景には、実の親が何らかの理由で子どもを育てられなかった、あるいは育てなかったという事情があることも多いんです。戦争や病気、貧困などで親を失った子どもたちが、親戚や知人に育てられるというケースは、昔は珍しくありませんでした。そんな中で、血はつながっていなくても、愛情を持って育ててくれた人への感謝の気持ちを表す言葉として、このことわざが広まっていったと考えられているんですよ。

「使い方」がわかる「例文」3選

「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、「生みの親より育ての親」を実際にどう使うのか、例文を見ていきましょう。様々なシチュエーションでの使い方を知ることで、自然にこのことわざを使えるようになりますよ。

1:「彼女は実母に育児放棄されたけれど、祖母に愛情いっぱいに育てられた。まさに生みの親より育ての親だね」

これは、実の親が子育てをせず、別の人が育てたというケースでの使い方ですね。

残念ながら、実の母親が何らかの理由で子どもを育てられなかった、あるいは育てなかったという状況があったとき、代わりに祖母さんが愛情を持って育ててくれたという場面です。血のつながりがある実母よりも、実際に育ててくれた祖母への恩のほうが深いということを表現していますよね。

このような場合、子ども自身も祖母さんのことを「本当の親」と感じることが多いんですね。毎日の生活を共にし、喜びも悲しみも一緒に分かち合ってくれた人との絆は、確かに強いものになりますよね。

2:「叔父夫婦に引き取られて育った彼は、今でも叔父さんたちを本当の親のように慕っている。生みの親より育ての親とはよく言ったものだ」

この例文は、親を亡くしたり、何らかの事情で親と離れて暮らすことになった子どもが、叔父さん夫婦に育てられたというケースですね。

実の親がいなくなってしまったり、一緒に暮らせなくなったりしたとき、親戚が子どもを引き取って育てるということは、昔も今もありますよね。そうして育ててくれた叔父さん夫婦への感謝と愛情が、血縁以上に深いということを表現しているんです。

「とはよく言ったものだ」という言い回しは、このことわざの意味が的確だと感心している気持ちを表していますね。

3:「僕を一人前にしてくれたのは、入社したときの上司だ。生みの親より育ての親というけれど、本当にそう思うよ」

実はこのことわざ、親子関係だけでなく、職場の師弟関係や指導者と学習者の関係にも使われることがあるんですよ。

この例文では、社会人として成長させてくれた上司への感謝を表現していますね。親が子どもを産み育てるように、上司が部下を一人前の社会人に育ててくれたという比喩的な使い方です。

もちろん、本来は親子関係について使うことわざですが、「育ててくれた人への恩義」という本質的な意味を拡大解釈して、このような場面でも使われることがあるんですね。ただし、やや比喩的な使い方になるので、相手やシチュエーションによっては誤解される可能性もあることは覚えておいてくださいね。

似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現

「生みの親より育ての親」と似た意味を持つことわざや表現は、他にもいくつかあるんですよ。微妙なニュアンスの違いを理解すると、より表現の幅が広がりますね。

生んだ子より抱いた子

「生んだ子より抱いた子(うんだこよりだいたこ)」は、自分が産んだ子どもよりも、養子として迎えて育てた子どものほうに深い愛情を感じるという意味のことわざです。

「生みの親より育ての親」とほぼ同じ意味ですが、こちらは育てる側の親の視点から語られているのが特徴ですね。実の子として産んだわけではないけれど、愛情を持って抱き育てた子どもは、本当の我が子のように愛おしいという気持ちが込められています。

つまり、育てられる側の視点が「生みの親より育ての親」で、育てる側の視点が「生んだ子より抱いた子」と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

血は水よりも濃いという考えを覆す「情けは人の為ならず」

「情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)」は、人に親切にすれば、巡り巡って自分に良いことが返ってくるという意味のことわざですよね。

一見すると「生みの親より育ての親」とは関係なさそうですが、血縁関係がなくても、情けや愛情をかけることの大切さを説いているという点で共通しているんです。血のつながりがなくても、人として相手を思いやり、育てるということの価値を示唆していると考えることができますね。

ただし、このことわざは親子関係に特化したものではなく、より広い人間関係全般に当てはまる教えなので、使う場面は少し異なりますね。

恩は石に刻め

「恩は石に刻め(おんはいしにきざめ)」は、受けた恩は決して忘れず、石に刻むように心に深く留めておきなさいという意味のことわざです。

「生みの親より育ての親」が、育ててくれた人への恩義の深さを表すのに対し、「恩は石に刻め」は受けた恩を忘れてはいけないという教えを説いているんですね。育ての親への感謝の気持ちを持ち続けるという意味で、両者は通じるものがありますよね。

育ててくれた人の恩は、まさに石に刻むべき大切なものだと考えると、このことわざとの関連性がよくわかるのではないでしょうか。

親の恩は子知らず

「親の恩は子知らず(おやのおんはこしらず)」は、親が子どものために注ぐ愛情や苦労は、子どもには理解しにくいという意味のことわざです。

これは「生みの親より育ての親」と角度は違いますが、親(特に育ての親)の恩の深さを説いているという点では共通していますよね。実際に自分が親になって初めて、育ててくれた人の苦労や愛情の深さがわかるということもよくあります。

育ててくれた人への恩義を強調するという意味で、「生みの親より育ての親」の補足的な表現として使えるかもしれませんね。

「対義語」は?

では次に、「生みの親より育ての親」とは反対の意味を持つことわざや表現を見ていきましょう。対義語を知ることで、このことわざの意味がより明確になりますよ。

血は水よりも濃い

「血は水よりも濃い(ちはみずよりもこい)」は、血縁関係は他のどんな関係よりも強い絆があるという意味の表現です。

これは「生みの親より育ての親」とは正反対の考え方ですよね。血のつながりこそが最も大切で、他の関係では替えられないという価値観を表しています。

実際、どちらが正しいということではなく、人や状況によって考え方は異なりますよね。実の親との関係が良好で、深い絆がある人にとっては「血は水よりも濃い」が真実でしょうし、育ての親に大切に育てられた人にとっては「生みの親より育ての親」が真実になるわけです。

血縁は切れぬ

「血縁は切れぬ(けつえんはきれぬ)」は、血のつながりは何があっても消えることはないという意味の表現ですね。

これも「生みの親より育ての親」とは対照的な考え方です。どんなに関係が悪化しても、どれだけ離れて暮らしても、親子の血のつながりは永遠に変わらないという事実を述べているんですね。

ただし、この表現は単に生物学的な事実を述べているだけで、必ずしも「血縁が最も大切」という価値判断を含んでいるわけではないんです。その点が「血は水よりも濃い」とは少し違うところかもしれませんね。

親子の縁は切れない

「親子の縁は切れない(おやこのえんはきれない)」は、親子の絆は何があっても断ち切れないという意味の表現です。

これは特に実の親子について言われることが多く、生物学的なつながりの強さや、産んでくれた恩の重さを強調していますね。どんなに喧嘩をしても、何年会っていなくても、親子の縁は続いているという考え方です。

「生みの親より育ての親」が育ててくれた人の恩を重視するのに対し、こちらは生んでくれた人との縁の永続性を重視しているという点で、対義的な関係にあると言えますね。

「英語」で言うと?

最後に、「生みの親より育ての親」の考え方を英語でどう表現するか見ていきましょう。英語圏にも似たような表現があるんですよ。

The mother who raises you is more important than the mother who gives birth to you(あなたを育てる母親は、あなたを産む母親よりも重要である)

これは「生みの親より育ての親」を直訳に近い形で英語にした表現ですね。

英語圏でも、養子縁組や里親制度などで、実の親以外に育てられる子どもたちはたくさんいます。そうした状況で、育ててくれる親の重要性を強調する表現として使われることがあるんですよ。

ただし、これは直訳的な表現なので、英語のことわざや慣用句としては一般的ではありません。説明的に伝える場合に使われる表現だと考えてくださいね。

Blood is thicker than water, but love is thicker than blood(血は水よりも濃いが、愛は血よりも濃い)

これは非常に興味深い表現ですね。まず「Blood is thicker than water(血は水よりも濃い)」という有名な英語の格言があり、これは血縁関係の強さを表しています。

しかし、それに続けて「but love is thicker than blood(しかし愛は血よりも濃い)」と付け加えることで、血のつながり以上に、愛情のほうが大切であるという「生みの親より育ての親」の考え方を表現できるんですね。

血縁関係よりも、実際の愛情や絆のほうが深く強いという価値観を、とても詩的に表現していますよね。

Foster parents' love is deeper than biological parents' care(里親の愛は実親の世話よりも深い)

この表現は、養父母や里親(foster parents)と実の親(biological parents)を対比させたものですね。

「love(愛)」と「care(世話、ケア)」という言葉の選択にも注目してください。単に面倒を見るという「care」よりも、深い愛情を持って育てるという「love」のほうが大切だというニュアンスが込められているんですよ。

実際に養子縁組や里親制度が盛んな英語圏では、このような表現で育ての親への感謝を表すことがあるんですね。

まとめ

さて、ここまで「生みの親より育ての親」について、いろいろな角度から見てきましたね。改めてポイントをまとめてみましょう。

「生みの親より育ての親」は、産んでくれた実の親よりも、実際に苦労して育ててくれた親のほうに深い恩義を感じるという意味のことわざでしたよね。血のつながりよりも、日々の生活の中で愛情を注いでくれた人との絆のほうが大切だという教えを表しているんです。

このことわざは、1897年の落語に初出例があり、日本の「家」を重視する文化や、養子縁組が一般的だった社会背景の中で生まれてきたと考えられています。現代でも、祖父母さんや親戚、養父母さん、里親さんなど、実の親以外に育てられた子どもたちが、育ててくれた人への感謝を表すときに使われることが多いんですね。

また、職場の上司と部下の関係など、広い意味での「育ててくれた人」への感謝を表す場面でも使われることがあります。

一方で、「血は水よりも濃い」など、血縁関係の重要性を説く対義的な表現もあり、どちらが正しいということではなく、人それぞれの経験や価値観によって、共感できる考え方は異なるんですよね。

大切なのは、自分を育ててくれた人への感謝の気持ちを忘れずに持ち続けることではないでしょうか。それが実の親であっても、育ての親であっても、愛情を注いでくれた人への恩は、決して忘れてはいけないものですよね。

もしあなたの周りに、血縁関係はなくても愛情を持って子どもを育てている人がいたら、「生みの親より育ての親って言いますもんね」と、この知識を使って共感を示してあげてくださいね。きっと、その一言が相手にとって大きな励みになるはずですよ。