
「逃げるが勝ち」ということわざ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。でも、いざ「正確にはどういう意味?」と聞かれると、ちょっと迷ってしまいますよね。ただ単に「逃げる」ことが良いってこと?それとももっと深い意味があるのかな、と気になりますよね。
実はこのことわざ、単なる「臆病」を勧めているわけではないんですね。むしろ、賢明な判断力を持って行動することの大切さを教えてくれる、とても実践的な人生の知恵なんです。
この記事では、「逃げるが勝ち」の意味や由来から、実際の使い方がわかる例文、さらには類語や対義語、英語表現まで、網羅的にご紹介していきますね。きっとこのことわざを正しく理解して、日常生活でも使えるようになるはずですよ。
「逃げるが勝ち」を理解するための基礎知識

まずは、このことわざの基本的な情報からしっかりと押さえていきましょう。読み方から意味、そして語源まで、順番に見ていきますね。
読み方
「逃げるが勝ち」は、「にげるがかち」と読みます。
比較的シンプルで読みやすいことわざですよね。漢字も難しくないので、読み間違いをする心配はほとんどないかもしれませんね。でも、会話の中で使うときには、はっきりと「にげるがかち」と発音すると、より伝わりやすくなりますよ。
意味
「逃げるが勝ち」の意味は、無駄な争いや勝ち目のない勝負から身を引く方が、最終的には有利な結果をもたらすというものなんですね。
これって、とても実践的な知恵だと思いませんか?私たちは時々、「戦わなければならない」とか「逃げるのは負けだ」という考えに囚われてしまうことがありますよね。でも、このことわざは違うことを教えてくれているんです。
つまり、戦略的な撤退なんですね。無益な争いに巻き込まれて時間やエネルギーを浪費するよりも、賢く身を引いて、自分にとって本当に大切なことに集中する方が、結果的に成功につながるという考え方です。
これは単なる「臆病」とは全く違います。むしろ、状況を冷静に判断して、大局的な視点で最善の選択をする勇気と知恵を持つことを意味しているんですね。
たとえば、職場で理不尽な上司と無駄な言い争いをするよりも、その場は引いて別の解決策を探す方が賢明かもしれません。あるいは、投資で損失が膨らみそうなときに、早めに損切りして撤退する判断も、この「逃げるが勝ち」の精神と言えるでしょう。
語源と由来
「逃げるが勝ち」の語源については、実は明確な記録が残っていないんですね。これってちょっと意外かもしれませんが、多くのことわざと同様に、長い年月をかけて庶民の間で自然に生まれて定着したものだと考えられています。
ただ、一説によると、小説家の立原正秋さんの『冬の旅』という作品にこの言葉が登場するとされています。もしかしたら、この作品を通じて広まった可能性もあるかもしれませんね。
また、このことわざの考え方自体は、古くから世界中にあったものなんです。戦争や武術の世界では、「戦略的撤退」という概念が昔から重要視されてきました。戦って全滅するよりも、一時的に退いて戦力を温存し、次の機会を待つ方が賢明だという考え方ですね。
中国の兵法書『三十六計』にも「走為上計(逃げるを上計と為す)」という教えがあります。これは「三十六計逃げるに如かず」という日本のことわざにもなっていて、「逃げるが勝ち」と非常に近い意味を持っているんですね。
つまり、このことわざは、東洋の古い知恵を背景に持ちながら、日本の文化の中で独自に発展してきた表現だと言えるかもしれません。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際に「逃げるが勝ち」がどのような場面で使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。これを読めば、きっとあなたも日常生活で使えるようになりますよ。
1:「あの上司とはいくら話しても無駄だから、逃げるが勝ちで部署異動を願い出たんだ」
これは職場でのシチュエーションですね。理不尽な上司との関係に悩んでいる方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
この例文では、無駄な争いを避けて、より建設的な解決策を選んだことを表しています。上司と正面から対立しても状況が改善されないなら、環境を変えるという選択も一つの賢明な判断ですよね。
「逃げるが勝ち」は、こういった自己防衛的な賢い選択を指すときによく使われます。決して「責任放棄」という意味ではなく、自分の心身の健康や将来のキャリアを守るための戦略的な行動なんですね。
実際、最近では「毒性のある職場からの脱出」が、メンタルヘルスの観点からも推奨されていますよね。これも「逃げるが勝ち」の精神と言えるでしょう。
2:「友人との意見の対立が深まってきたので、逃げるが勝ちとこの話題には触れないことにした」
これは人間関係における使用例ですね。友人との関係って、大切にしたいけれど、時には意見が合わないこともありますよね。
この例文では、友情を壊さないために、あえて対立を避けるという賢明な選択を示しています。すべての意見が一致する必要はないんですね。むしろ、「この話題は避けておこう」という判断ができることが、長続きする人間関係を築く秘訣かもしれません。
特に政治や宗教、価値観に関わる話題では、無理に議論を続けるよりも、「逃げるが勝ち」の精神で一歩引く方が、お互いにとって良い結果になることも多いんですね。
3:「この投資案件はリスクが高すぎる。逃げるが勝ちで今回は見送ることにした」
これはビジネスや投資の場面での使用例ですね。「逃げるが勝ち」は、経済的な判断においても非常に重要な考え方なんです。
投資の世界では、損切りのタイミングを見極めることが成功の鍵だと言われていますよね。この例文では、リスクを正確に評価して、無理な挑戦を避けるという賢明な判断を表しています。
「機会を逃すのがもったいない」という気持ちもわかりますが、無理な投資で大きな損失を出すよりも、確実な案件を待つ方が、長期的には成功につながるかもしれませんね。
このように、「逃げるが勝ち」は日常生活のさまざまな場面で活用できる、とても実用的なことわざなんですね。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「逃げるが勝ち」と似た意味を持つことわざや表現も、いくつか存在します。それぞれ微妙にニュアンスが異なりますので、一緒に見ていきましょう。
三十六計逃げるに如かず
「三十六計逃げるに如かず」は、中国の兵法書『三十六計』に由来することわざですね。
意味は「どんな策略よりも、逃げることが最上の策である」というものです。これは「逃げるが勝ち」と非常に近い意味を持っていますよね。
ただ、微妙な違いもあるんです。「三十六計逃げるに如かず」は、複数の選択肢がある中で、逃げることが最善という比較のニュアンスが強いんですね。一方、「逃げるが勝ち」は、もっとシンプルに「逃げることの賢明さ」を表現している感じがします。
どちらも戦略的撤退の重要性を説いていますが、「三十六計〜」の方がより兵法的で、やや格式高い表現と言えるかもしれませんね。
君子危うきに近寄らず
「君子危うきに近寄らず」も、似た意味を持つことわざですね。
これは賢い人は危険な状況に最初から近づかないという意味です。「逃げるが勝ち」が「危険から逃げる」ことを教えているのに対して、「君子危うきに近寄らず」は「そもそも危険に近づかない」という予防的な姿勢を表しているんですね。
つまり、こちらの方がより事前の判断を重視している表現だと言えるでしょう。危険を察知したら近づく前に避ける、という賢明さを説いているわけです。
「逃げるが勝ち」がすでに関わってしまった状況からの撤退を含むのに対して、「君子危うきに近寄らず」は関わる前の段階での判断を重視しているという違いがあるかもしれませんね。
触らぬ神に祟りなし
「触らぬ神に祟りなし」も、よく使われることわざですよね。
これは余計なことに関わらなければ、災いを受けることもないという意味です。「逃げるが勝ち」と共通するのは、「関わらないことの賢明さ」を説いている点ですね。
ただ、「触らぬ神に祟りなし」は、他人の問題や厄介ごとに首を突っ込まないという、やや消極的・中立的な姿勢を表す傾向があります。一方、「逃げるが勝ち」は、より積極的に「戦略的に避ける」というニュアンスが強いんですね。
言い換えれば、「触らぬ神に祟りなし」は「関わらない」ことを、「逃げるが勝ち」は「能動的に逃げる」ことを強調しているとも言えるでしょう。
逃ぐるをば剛の者
「逃ぐるをば剛の者」という表現もあります。これはやや古い言い回しですが、知っておくと良いかもしれませんね。
意味は逃げることができる人こそ本当に強い人であるというものです。これは「逃げるが勝ち」と本質的に同じ考え方を表していますよね。
この表現の面白いところは、「逃げる」という行為を「強さ」や「勇気」と結びつけている点です。普通、逃げることは弱さだと思われがちですが、実は逃げるという判断をすることこそが本当の強さなんだ、という深い洞察が込められているんですね。
現代ではあまり使われない表現ですが、「逃げるが勝ち」の本質をより明確に表現している言葉だと言えるかもしれません。
「対義語」は?
「逃げるが勝ち」とは反対の意味を持つことわざも見ていきましょう。対義語を知ることで、このことわざの意味がより深く理解できますよ。
当たって砕けろ
「当たって砕けろ」は、結果を恐れずに思い切ってやってみるという意味のことわざですね。
これは「逃げるが勝ち」とは正反対の姿勢を表しています。「逃げるが勝ち」が戦略的な撤退を勧めるのに対して、「当たって砕けろ」は果敢に挑戦することの価値を説いているんですね。
どちらが正しいということではなく、状況によって使い分けることが大切ですよね。新しいチャンスに挑戦するときには「当たって砕けろ」の精神が必要かもしれませんし、無益な争いに巻き込まれそうなときには「逃げるが勝ち」の判断が賢明かもしれません。
つまり、状況を正確に見極める力が、どちらのことわざを選ぶかの鍵になるんですね。
石にかじりついても
「石にかじりついても」という表現も、対義語的な意味を持っていますね。
これはどんな困難があっても決して諦めずに頑張るという強い意志を表す言葉です。「逃げるが勝ち」が撤退を選択肢として認めるのに対して、こちらは最後まで粘り抜くことを重視しているんですね。
特にビジネスや目標達成の場面では、この「粘り強さ」が成功につながることも確かにあります。簡単に諦めてしまっては、達成できることも達成できなくなってしまいますよね。
ただ、ここで大切なのは、「粘るべき時」と「引くべき時」を見極めることなんです。すべての状況で石にかじりつく必要はないし、すべての状況で逃げる必要もない。状況判断力こそが重要なんですね。
七転び八起き
「七転び八起き」も、ある意味で「逃げるが勝ち」の対義語と言えるかもしれません。
これは何度失敗しても諦めずに立ち上がるという不屈の精神を表すことわざですね。失敗しても逃げずに、何度でも挑戦し続けることの大切さを説いているんです。
「逃げるが勝ち」が戦略的な撤退を肯定するのに対して、「七転び八起き」は困難に立ち向かい続けることを美徳としています。
これもまた、どちらが絶対的に正しいということではないんですね。自分の夢や目標に向かって努力するときには「七転び八起き」の精神が必要でしょうし、他人の無益な争いに巻き込まれそうなときには「逃げるが勝ち」の判断が賢明でしょう。
つまり、人生においては両方の知恵を持っておいて、状況に応じて適切に使い分けることが大切なんですね。
「英語」で言うと?
「逃げるが勝ち」の考え方は、実は世界共通のものなんです。英語にも似た意味を持つ表現がいくつかありますので、見ていきましょう。英語を学んでいる方にも役立つかもしれませんね。
Discretion is the better part of valor(思慮分別は勇気の大部分である)
この英語表現は、「逃げるが勝ち」に最も近い意味を持つフレーズだと言われています。
直訳すると「思慮分別は勇気の大部分である」となりますが、その本質的な意味は、「本当の勇気とは無鉄砲に突進することではなく、状況を冷静に判断して賢明な行動を取ること」というものなんですね。
この表現の素晴らしいところは、「逃げる」という行為を「勇気」の一部として肯定的に捉えている点です。これは「逃げるが勝ち」の精神そのものですよね。
実はこの言葉、シェイクスピアの戯曲『ヘンリー四世』に登場する表現だとされています。古くから西洋でも、戦略的撤退の重要性が認識されていたことがわかりますね。
ビジネスシーンや日常会話でも使える表現ですので、覚えておくと便利かもしれませんよ。
He who fights and runs away may live to fight another day(戦って逃げた者は、また別の日に戦える)
これも「逃げるが勝ち」の考え方をよく表している英語の諺ですね。
意味は「今は逃げても、また次の機会に戦えるから生き延びることが大切」というものです。これって、とても実践的なアドバイスだと思いませんか?
この表現の重要なポイントは、「逃げる」ことが単なる敗北ではなく、次の機会を待つための戦略だと捉えている点なんですね。一時的に退くことで、戦力を温存し、より良いタイミングで再挑戦できるという考え方です。
軍事戦略だけでなく、ビジネスや人生においても、この考え方は非常に有効ですよね。無理に戦って全てを失うよりも、一度引いて次のチャンスを待つ方が、長期的には成功につながるかもしれません。
Better safe than sorry(後悔するより安全な方が良い)
「Better safe than sorry」も、「逃げるが勝ち」に通じる考え方を持つ英語表現ですね。
これは「後悔することになるよりも、安全策を取る方が良い」という意味です。リスクを冒して後で後悔するよりも、最初から慎重に行動する方が賢明だという教えなんですね。
「逃げるが勝ち」が「危険から逃げる」ことを勧めるのと同様に、この表現も予防的に安全を選ぶことの重要性を説いています。
特に英語圏では日常会話でもよく使われる表現なので、覚えておくと役立ちますよ。たとえば、天気が怪しいときに傘を持っていくかどうか迷ったときなど、ちょっとした場面でも使える便利なフレーズなんですね。
これらの英語表現を見ると、「逃げるが勝ち」の考え方が文化を超えた普遍的な知恵であることがわかりますよね。東洋でも西洋でも、賢明な人々は「戦略的撤退」の価値を理解してきたということなんですね。
まとめ
さて、ここまで「逃げるが勝ち」について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
このことわざの本質は、無益な争いを避け、戦略的に撤退することの賢明さを教えてくれるものでしたね。単なる臆病や責任放棄ではなく、状況を冷静に判断して、自分にとって最善の選択をする勇気と知恵を持つことの大切さを説いているんです。
現代社会では、「頑張ること」や「諦めないこと」がしばしば美徳とされます。もちろん、それも大切なことですよね。でも同時に、「引くべきときに引く」という判断力も、とても重要なスキルなんです。
職場での理不尽な対立、友人との無益な議論、リスクの高い投資案件など、私たちの日常生活には「逃げるが勝ち」の精神が活きる場面がたくさんあります。すべての戦いに勝つ必要はないし、すべての問題を解決する必要もないんですね。
時には、自分の心身の健康や幸せを守るために、あえて「逃げる」という選択をすることも、立派な勇気なんだということを覚えておいてくださいね。
ぜひ、このことわざの知恵を日常生活に活かしてみてください。きっと、無駄なストレスから解放されて、より充実した人生を送れるようになるはずですよ。