
「心は二つ身は一つ」ということわざ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ「どういう意味?」と聞かれると、ちょっと答えに迷ってしまいますよね。
現代って、やりたいことがたくさんあって、毎日が選択の連続だと思いませんか?
仕事も頑張りたいし、趣味も充実させたいし、家族との時間も大切にしたい……そんな風に思っている方も多いかもしれませんね。
この記事では、「心は二つ身は一つ」ということわざの意味や由来、そして実際の使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
類語や対義語、英語ではどう表現するのかまで、網羅的にご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
「心は二つ身は一つ」を理解するための基礎知識

読み方
「心は二つ身は一つ」は、「こころはふたつみはひとつ」と読みます。
「心二つに身は一つ」という形で表記されることもあるんですね。
どちらの表記も正しく、意味も同じですので、覚えやすい方で覚えてくださいね。
意味
「心は二つ身は一つ」とは、心ではあれもこれもと二つ以上のことを望むが、体は一つしかないため思うようにいかないことを表すことわざです。
もう少しわかりやすく言うと、気持ちの上では複数のことを同時にやりたいと思っているけれど、実際には体が一つしかないので、全部を同時にこなすことはできないということなんですね。
このことわざには、欲張りすぎず、優先順位をつけて物事に取り組むべきだという教訓が込められています。
現代風に言えば、「マルチタスクには限界がある」「選択と集中が大切」といった意味にも通じるかもしれませんね。
語源と由来
「心は二つ身は一つ」の明確な語源や由来については、実は詳しい記録が残っていないんですね。
ただ、このことわざは日本で古くから使われている表現で、人間の本質的な悩みを表したものだと言われています。
「心」と「身」という対比が面白いですよね。
心はいくらでも自由に広がっていくことができます。
想像力には限界がなくて、あれもしたい、これもしたいと思うのは人間の自然な感情ですよね。
でも、実際に行動する「身」、つまり体は一つしかありません。
時間も有限ですし、体力にも限界があります。
この心と身体の乖離こそが、このことわざが伝えたいポイントなんですね。
東洋思想では「心身一如」という言葉があり、心と体を一つのものとして捉える考え方がありますが、「心は二つ身は一つ」は、その理想と現実のギャップを表現しているとも言えるかもしれません。
このことわざには、限られた時間と体を大切に使いなさいという、昔の人々の生活の知恵が詰まっているんですね。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際に「心は二つ身は一つ」がどのような場面で使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。
1:「サッカーの練習とピアノのレッスンが同じ時間に重なってしまった。どちらも大切だから心は二つ身は一つで困っているよ」
これは、子どもさんや学生さんがよく直面する状況ですよね。
習い事や部活動が複数ある場合、どうしてもスケジュールが重なってしまうことがあります。
サッカーも上達したいし、ピアノのコンクールも控えているし……どちらも諦めたくない気持ちがあるのに、物理的に一人では両方に出席することはできません。
この例文では、まさに「心では両方やりたいと思っているけど、体は一つしかないからどちらかを選ばなければならない」というジレンマを表現していますね。
こういう時って、本当に悩ましいですよね。
親御さんも一緒に悩んでしまうかもしれません。
2:「副業も始めたいし、資格の勉強もしたいけど、心は二つ身は一つだから、まずは資格取得に集中することにした」
これは、大人の方がキャリアアップを考える際によくある状況ですよね。
将来のために収入源を増やしたいという気持ちと、スキルアップしたいという気持ち、どちらも大切だと思いませんか?
でも、仕事をしながら副業と資格勉強を同時に進めるのは、なかなか大変なことです。
この例文の方は、自分の体と時間が有限であることを認識して、優先順位をつけて行動することを決めたんですね。
これは「心は二つ身は一つ」の教訓を実践している良い例だと言えるかもしれません。
欲張らずに一つずつコツコツと進めていく姿勢、素敵ですよね。
3:「友人の結婚式と大切な仕事のプレゼンが同じ日に入ってしまった。心は二つ身は一つで本当に申し訳ない気持ちだ」
これは、社会人になると誰もが経験する可能性があるジレンマですよね。
大切な友人の人生の晴れ舞台には絶対に駆けつけたい、でも仕事も責任があって外せない……。
どちらも本当に大切で、心の中では両方に出席したいと強く願っているのに、現実には選択を迫られてしまいます。
この例文では、自分が分身できないことへの後悔や申し訳なさの気持ちが表現されていますね。
「心は二つ身は一つ」は、こういった嘆きや反省の場面でもよく使われるんです。
きっと多くの方が共感できる状況なのではないでしょうか。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「心は二つ身は一つ」と似た意味を持つことわざや表現は、実はいくつかあるんですね。
それぞれ微妙にニュアンスが違いますので、一つずつ見ていきましょう。
二兎を追う者は一兎をも得ず
これは、「心は二つ身は一つ」と最もよく似た意味を持つことわざですね。
二匹のウサギを同時に追いかけようとすると、どちらも捕まえられないという意味です。
「心は二つ身は一つ」が「物理的に同時には無理」という事実を述べているのに対して、「二兎を追う者は一兎をも得ず」は結果的にどちらも失敗するという帰結まで含んでいるんですね。
つまり、欲張った結果、何も得られないという教訓がより強調されているかもしれません。
ビジネスシーンでも「二兎を追うな」という表現はよく使われますよね。
東家に食して西家に息わん
これは少し古風な表現で、現代ではあまり聞かないかもしれませんね。
「東の家で食事をして、西の家で休もうとする」という意味で、あちこちで良いとこ取りをしようとする欲張りな態度を批判することわざです。
「心は二つ身は一つ」が単に物理的な限界を表すのに対して、こちらは道徳的な批判のニュアンスが強いんですね。
両方の良いところだけを享受しようとする姿勢は、結局どちらからも信頼を失うという教訓が込められています。
あれもこれもと欲張らない
これはことわざというより、慣用的な表現ですね。
そのままの意味で、複数のものを同時に手に入れようとする態度を戒める言葉です。
「心は二つ身は一つ」をもっとシンプルに、わかりやすく言い換えた表現だと考えてもよいかもしれません。
日常会話で使いやすいですし、子どもにも理解しやすい表現ですよね。
一度に一つのことに集中する
これも現代的な言い換え表現ですね。
「心は二つ身は一つ」のネガティブな面(できないこと)ではなく、ポジティブな行動指針として表現したものだと言えます。
時間管理や自己啓発の分野では、「マインドフルネス」や「シングルタスク」といった概念とも結びついていますよね。
一つのことに集中することで、かえって効率が上がり、質の高い成果が得られるという考え方です。
「対義語」は?
それでは次に、「心は二つ身は一つ」とは反対の意味を持つことわざや表現を見ていきましょう。
一石二鳥
これは有名なことわざですよね。
一つの行動で二つの成果を得ることを意味します。
「心は二つ身は一つ」が「複数のことを同時にはできない」という限界を表すのに対して、「一石二鳥」は効率よく複数の目的を達成できる理想的な状態を表しているんですね。
たとえば、通勤電車の中で読書をすることで、移動時間を勉強時間にも使えるといった感じでしょうか。
まさに対義的な考え方ですよね。
一挙両得
これも「一石二鳥」と似た意味を持つことわざです。
一つの行動で二つの利益を得ることを表します。
「心は二つ身は一つ」が選択を迫られる状況を表すのに対して、「一挙両得」は選択せずに両方を手に入れられる幸運な状況を表しているんですね。
現実にはなかなか難しいことですが、工夫次第でそういった状況を作り出すことができるかもしれません。
器用貧乏にならず
これは少し視点が異なりますが、ある意味で対義的な考え方だと言えるかもしれません。
「器用貧乏」とは、何でもそこそこできるけれど、どれも中途半端で秀でたものがない状態のことですよね。
「心は二つ身は一つ」が物理的な限界を認識して選択することを促すのに対して、「器用貧乏にならず」という表現は、能力的にできるからといって何でも手を出すべきではないという教訓なんです。
つまり、できるできないではなく、戦略的に選択することの重要性を説いているんですね。
「英語」で言うと?
「心は二つ身は一つ」を英語ではどう表現するのでしょうか。
直訳は難しいですが、似た意味を持つ英語表現がいくつかありますので、ご紹介していきますね。
You can't be in two places at once(一度に二つの場所にいることはできない)
これは「心は二つ身は一つ」に最も近い英語表現だと言えるかもしれません。
物理的に同時に複数の場所にいることは不可能という、まさにそのままの意味ですね。
会話の中でスケジュールが重複してしまった時などに、「I can't be in two places at once.(一度に二箇所にはいられないよ)」という風に使われます。
とてもシンプルでわかりやすい表現ですよね。
You can't have your cake and eat it too(ケーキを持ちながら食べることはできない)
これは英語圏でよく使われることわざですね。
日本語に訳すと少し不思議な感じがしますが、二つの相反することを同時に実現することはできないという意味なんです。
ケーキを食べてしまったら手元には残らないし、手元に残しておきたいなら食べられないということですね。
「心は二つ身は一つ」のように、何かを得るためには何かを諦めなければならないという選択のジレンマを表している点で、似た意味だと言えます。
You can't chase two rabbits at the same time(同時に二匹のウサギを追うことはできない)
これは日本の「二兎を追う者は一兎をも得ず」とほぼ同じ意味の英語表現ですね。
実は、英語圏でもウサギを使った同じような比喩が使われているのは面白いですよね。
複数の目標を同時に追求すると、どちらも達成できないという教訓を表しています。
ビジネスシーンでも「Don't chase two rabbits.(二兎を追うな)」という表現は頻繁に使われるんですね。
グローバルに通じる考え方だということがわかります。
まとめ
さて、ここまで「心は二つ身は一つ」ということわざについて、詳しく見てきましたね。
心ではあれもこれもと望むが、体は一つしかないため思うようにいかないという意味のこのことわざ。
現代を生きる私たちにとって、とても身近なテーマではないでしょうか。
やりたいことがたくさんあって、でも時間も体も限られているというジレンマは、誰もが感じていることだと思います。
このことわざが教えてくれるのは、欲張りすぎず、優先順位をつけて一つ一つ丁寧に取り組むことの大切さなんですね。
全部を同時にやろうとして中途半端になるよりも、今本当に大切なことに集中する。
そうすることで、かえって質の高い成果が得られるかもしれません。
「心は二つ身は一つ」という言葉を覚えておいて、選択に迷った時には思い出してみてくださいね。
きっと、あなたの人生の指針になってくれるはずです。
ぜひ日常会話でも使ってみてください。
自分の気持ちを表現する時や、誰かにアドバイスする時にも、このことわざは役立つと思いますよ。