
「得手に帆を揚げる」ということわざ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ「どういう意味?」と聞かれると、正確に説明するのはちょっと難しいですよね。
なんとなく「得意なことで頑張る」みたいなイメージは浮かぶけれど、本当のニュアンスはどうなんだろう…と気になりますよね。
この記事では、「得手に帆を揚げる」の意味や由来、使い方を詳しく解説していきます。
例文や類語、対義語、英語表現まで幅広くご紹介しますので、この記事を読めばこのことわざを自信を持って使えるようになるはずですよ。
それでは一緒に見ていきましょう。
「得手に帆を揚げる」を理解するための基礎知識

まずは「得手に帆を揚げる」ということわざの基本的な情報から押さえていきましょう。
読み方や意味、そして由来を知ることで、このことわざの本質がより深く理解できるんですね。
読み方
「得手に帆を揚げる」は、「えてにほをあげる」と読みます。
「得手」を「とくて」と読んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、正しくは「えて」なんですね。
「得手」は「得意なこと」「上手なこと」を意味する言葉で、江戸時代から使われている表現なんですよ。
また、「揚げる」は「あげる」と読みますが、「上げる」と同じ意味で使われることもあります。
意味
「得手に帆を揚げる」の意味は、自分の得意とする分野で好機が訪れたときに、勢いよく全力で取り組むことを表しています。
つまり、チャンスが来たときに、自分の得意なことで思いっきり力を発揮する、という意味なんですね。
「調子に乗って全力疾走する」といったニュアンスも含まれていて、ただ頑張るだけじゃなくて、勢いに乗って一気に進むというイメージが大切なんです。
得意なことで好機が巡ってきたら、遠慮せずに思い切りやってみよう、というポジティブな教えが込められているんですね。
語源と由来
「得手に帆を揚げる」の由来は、船が航海する際の様子から来ています。
昔の船は、風の力を利用して帆を張って進んでいたんですね。
向かい風が吹いているときは、帆を揚げても思うように進めません。
でも、追い風が吹いてきたときに帆を張れば、船はぐんぐんと勢いよく進んでいくことができるんです。
この船の様子を人生やビジネスに例えたのが、このことわざなんですね。
「船」は「自分自身」を表していて、「追い風」は「得意分野での好機」を表しているんです。
だから、自分の得意なことでチャンスが来たら、それをしっかりとつかんで一気に前進しよう、という意味になるわけですね。
このことわざは、江戸いろはかるたの「え」の札としても知られているんですよ。
江戸時代から親しまれてきた教えで、人々にとって大切な人生の知恵として受け継がれてきたんですね。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、「得手に帆を揚げる」が実際にどのように使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。
シチュエーション別に3つご紹介しますので、使い方のイメージがつかめるはずですよ。
1:「彼女はピアノが得意だから、コンテストの話が来たときはまさに得手に帆を揚げるチャンスだった」
この例文は、自分の特技を活かせる機会が訪れたときの状況を表しています。
ピアノが得意な人にとって、コンテストという舞台は自分の力を発揮できる絶好の場なんですね。
そんなチャンスが巡ってきたら、それはまさに「追い風が吹いた」状態だと言えますよね。
このように、得意分野での好機が訪れたときに「得手に帆を揚げる」という表現を使うことができるんです。
2:「為替相場で自分の得意なパターンが来たとき、彼は得手に帆を揚げて一気に利益を上げた」
この例文は、ビジネスや投資の場面での使い方を示しています。
投資やトレードでは、経験を積むと「このパターンは自分が得意だ」という局面が見えてくることがありますよね。
そんな得意なパターンが現れたときに、迷わず行動して成果を上げるのが「得手に帆を揚げる」状態なんです。
チャンスを見極めて、自信を持って全力で取り組む姿勢を表現できるんですね。
3:「宴会で急に歌の話になって、得手に帆を揚げた彼は得意の隠し芸を披露した」
この例文は、日常生活での使い方を表しています。
もしかしたら「調子に乗った」というニュアンスも少し感じられるかもしれませんね。
でも、それは決してネガティブな意味ではないんです。
自分の得意なことで盛り上がれる場面が来たら、遠慮せずに楽しんでいいよ、という肯定的なメッセージが込められているんですね。
「得手に帆を揚げる」には、チャンスを逃さず積極的に行動する姿勢を応援する意味があるんです。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「得手に帆を揚げる」と似た意味を持つことわざや表現は、実はいくつもあるんですよ。
それぞれ微妙にニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けられると素敵ですよね。
順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
「順風満帆」は、物事が順調に進んでいる様子を表すことわざです。
帆に風がいっぱいに受けて、船が順調に進んでいる状態から来ているんですね。
「得手に帆を揚げる」との違いは、「順風満帆」がすでに順調に進んでいる状態を指すのに対して、「得手に帆を揚げる」は好機が来たときに行動を起こすという点なんです。
「順風満帆」は結果や状態を表すのに対し、「得手に帆を揚げる」は行動を表すと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
渡りに船(わたりにふね)
「渡りに船」は、困っているときにちょうど良い助けが現れることを意味することわざです。
川を渡りたいと思っているときに、ちょうど船が来てくれる、というイメージなんですね。
「得手に帆を揚げる」が「得意なこと」に焦点を当てているのに対して、「渡りに船」はタイミングの良さに重点が置かれているんです。
必ずしも自分の得意分野でなくても、必要なときに必要な助けが来る、というニュアンスがあるんですね。
流れに棹さす(ながれにさおさす)
「流れに棹さす」は、時流に乗って物事を進めることを表すことわざです。
川の流れに沿って棹を使って船を進める様子から来ているんですね。
このことわざは、好調な流れをさらに後押しするというニュアンスがあるんです。
「得手に帆を揚げる」が「得意分野」という個人の能力に焦点を当てているのに対し、「流れに棹さす」は「時流」という外的な要因を活かす意味合いが強いんですね。
得手に棒(えてにぼう)
「得手に棒」は、「得手に帆を揚げる」とほぼ同じ意味を持つことわざなんです。
得意なことに道具(棒)を得て、さらに力を発揮するという意味なんですね。
「帆」か「棒」かという違いはありますが、「得意なことで好機を活かす」という本質は同じなんです。
地域や時代によって、どちらの表現が使われるかが違うこともあるそうですよ。
「対義語」は?
次に、「得手に帆を揚げる」とは反対の意味を持つことわざや表現を見ていきましょう。
対義語を知ることで、このことわざの意味がより明確になりますよね。
泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)
「泣きっ面に蜂」は、悪いことが重なって起こることを表すことわざです。
泣いているところに蜂に刺されるという、踏んだり蹴ったりの状況を表しているんですね。
「得手に帆を揚げる」が好機が重なって良い状態を表すのに対し、「泣きっ面に蜂」は不運が重なる状態を表しているので、対義語と言えるんです。
一方は追い風、もう一方は向かい風といった対比がわかりやすいですよね。
苦手を克服する
これは慣用句というよりは一般的な表現ですが、考え方として対義的な概念なんです。
「得手に帆を揚げる」が「得意なことを活かす」という戦略なのに対し、「苦手を克服する」は不得意なことに取り組むという姿勢を表しています。
どちらの考え方も人生では大切ですが、アプローチの方向性は正反対なんですね。
状況に応じて、得意を伸ばすか苦手を克服するか、バランスよく考えることが大切かもしれませんね。
逆風に立ち向かう
これも慣用的な表現ですが、「得手に帆を揚げる」の対義語として考えることができます。
「得手に帆を揚げる」が追い風(好機)を活かすのに対し、「逆風に立ち向かう」は不利な状況でも頑張るという意味なんですね。
航海の比喩で言えば、一方は追い風で帆を張ること、もう一方は向かい風の中を進むこと、という対比になるんです。
どちらも大切な姿勢ですが、状況によって使い分けることが重要だと言えますよね。
「英語」で言うと?
「得手に帆を揚げる」を英語で表現すると、どんなフレーズになるのでしょうか。
日本のことわざを英語で伝えるのは難しそうに思えますが、実は似たような表現があるんですよ。
Hoist your sail when the wind is fair(風が良いときに帆を揚げよ)
これは「得手に帆を揚げる」の直訳に近い英語表現なんです。
"Hoist"は「揚げる」、"sail"は「帆」、"fair"は「順調な、好都合な」という意味なんですね。
まさに好機が来たときに行動せよ、という意味を表していて、日本のことわざのニュアンスとぴったり合っているんです。
船乗りの知恵として、英語圏でも似たような考え方が受け継がれてきたのかもしれませんね。
Strike while the iron is hot(鉄は熱いうちに打て)
これは英語圏でよく使われることわざなんです。
鍛冶屋が鉄を打つときは、熱くて柔らかいうちに打たないと形が作れない、という意味から来ているんですね。
チャンスが来たらすぐに行動すべきだ、というニュアンスは「得手に帆を揚げる」と共通しているんです。
ただし、「得意なこと」という要素は含まれていないので、「好機を逃さず行動する」という部分だけの類似と考えるといいかもしれませんね。
Make hay while the sun shines(太陽が照っているうちに干し草を作れ)
これも英語圏で広く使われることわざなんです。
農業では、天気の良い日に干し草を作っておかないと、雨が降ってしまったら台無しになってしまうんですね。
だから、好条件のときにしっかり準備や仕事をしておこう、という教えが込められているんです。
「得手に帆を揚げる」の「好機を活かす」という部分と似ていますが、こちらは「準備」や「計画性」のニュアンスも含まれているのが特徴なんですね。
まとめ
「得手に帆を揚げる」ということわざについて、詳しく見てきましたがいかがでしたでしょうか。
自分の得意とする分野で好機が訪れたときに、勢いよく全力で取り組むという意味を持つこのことわざは、人生やビジネスにおいてとても大切な教えなんですね。
船が追い風を受けて進む様子から生まれたこの表現は、江戸時代から現代まで、多くの人々に愛されてきたんです。
類語として「順風満帆」や「渡りに船」「流れに棹さす」などがありますが、それぞれ微妙にニュアンスが違うことも分かりましたよね。
また、英語でも似たような表現があることから、好機を活かすという考え方は、文化を超えて共通する知恵なのかもしれませんね。
2025年現在でも、ビジネスの場面で「得意領域で仕事の機会を活かす」というキャリア戦略として注目されているそうですよ。
私たちの日常生活でも、自分の得意なことを活かせるチャンスが巡ってきたら、遠慮せずに思い切って挑戦してみることが大切なんですね。
ぜひこのことわざを心に留めて、あなたの得意分野で好機が訪れたときには「得手に帆を揚げる」チャンスとして捉えてみてください。
日常会話やビジネスシーンで使ってみると、周りの人にも「この人は教養があるな」と思ってもらえるかもしれませんよ。