
「鯉の滝登り」ということわざ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。五月人形や鯉のぼりの絵柄でも見かける有名なモチーフですよね。でも、正確な意味は?と聞かれると、ちょっと迷ってしまうこともあるかもしれませんね。
このことわざは、実は中国の古い伝説から生まれた深い意味を持つ言葉なんですね。立身出世や努力して成功することの象徴として、現代でも様々な場面で使われています。
この記事では、「鯉の滝登り」の意味や由来はもちろん、実際の使い方がわかる例文、似た意味を持つ類語や対義語、さらには英語でどう表現するのかまで、網羅的にご紹介していきますね。きっとこの記事を読み終える頃には、自信を持って使えるようになっているはずですよ。
「鯉の滝登り」を理解するための基礎知識

読み方
まずは基本的な読み方から確認していきましょう。
「鯉の滝登り」は「こいのたきのぼり」と読みます。特に難しい読み方ではないので、読み間違えることは少ないかもしれませんね。
ちなみに「滝登り」は「たきのぼり」と読みますが、場合によっては「たきのぼり」を「たきばしり」と読み間違える方もいらっしゃるかもしれません。正しくは「のぼり」ですので、覚えておいてくださいね。
意味
「鯉の滝登り」とは、苦労を乗り越えて立身出世することを意味することわざなんですね。
もう少し詳しく言うと、困難な状況に立ち向かい、努力を重ねて大きな成功を収めることを表しています。単に成功するというだけでなく、その過程での苦労や努力が重要なポイントになっているんですね。
鯉が激しい滝の流れに逆らって登っていく姿は、まさに困難に立ち向かう人の姿そのもの。そして、その先には大きな飛躍が待っているという希望に満ちた表現でもあるんですよ。
日本では特に、子どもの成長や成功を願う意味でも使われることが多く、端午の節句に鯉のぼりを飾るのも、この「鯉の滝登り」の故事に由来しているとされています。
語源と由来
「鯉の滝登り」の語源は、中国の古い伝説にあるんですね。気になる方も多いのではないでしょうか。
この伝説は「登竜門」の故事として知られているものです。中国の黄河上流に「竜門」という名前の滝があったとされています。この滝は非常に急流で、普通の魚では登ることができないほど激しいものだったんですね。
ところが、多くの鯉がこの滝を登ろうと挑戦し続けました。ほとんどの鯉は途中で諦めてしまうのですが、何度も何度も挑戦を続け、ついに滝を登り切った鯉だけが、なんと龍に変身できると言われていたんですよ。
龍は中国では最も尊い存在とされていますよね。つまり、この伝説は「並外れた努力と忍耐によって、普通の存在から特別な存在へと変わることができる」という教訓を含んでいるんですね。
この故事から「登竜門」という言葉も生まれました。これは現代でも「成功への難関」や「出世のための関門」という意味で使われていますよね。きっと皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本にこの故事が伝わったのは古く、平安時代にはすでに知られていたとされています。そして江戸時代になると、武家の間で男子の立身出世を願う象徴として広まっていきました。端午の節句に鯉のぼりを飾る習慣も、この頃から定着したと言われているんですね。
ちなみに、実際の自然界でも鯉は滝を登る習性があることが知られています。金沢の兼六園にある翠滝などでは、実際に鯉が滝を登る姿が観察されることもあるんですよ。伝説だけでなく、現実の鯉の力強い姿も、このことわざの説得力を高めているのかもしれませんね。
「使い方」がわかる「例文」3選

ここからは、「鯉の滝登り」の実際の使い方を例文で見ていきましょう。日常会話やビジネスシーンなど、様々な場面で使えますよ。
1:「彼の出世ぶりはまさに鯉の滝登りだね」
この例文は、誰かの華々しい成功を称賛する場面で使われていますね。
平社員から始めて、苦労を重ねながらも努力を続け、ついには役員にまで上り詰めた同僚や友人のことを話しているような状況が想像できますよね。単なる成功ではなく、その過程での努力や苦労を知っているからこそ使える表現なんですね。
ビジネスシーンでの昇進だけでなく、スポーツ選手が下部リーグから努力を重ねてトップリーグで活躍するようになった場合や、学生が猛勉強の末に難関校に合格した場合など、様々な場面で使えますよ。
この表現には、成功した人への尊敬の気持ちと、その努力を認める温かい視線が込められているんですね。
2:「息子には鯉の滝登りのように困難を乗り越えて成長してほしい」
こちらは、子どもの成長を願う親の気持ちを表した例文ですね。
特に男の子の成長を願う文脈でよく使われる表現かもしれません。端午の節句に鯉のぼりを飾る習慣とも関連していますよね。ただ楽に成功するのではなく、困難に立ち向かう強さを持ってほしいという親心が感じられる使い方です。
もちろん、性別に関係なく使える表現ですし、自分自身の目標について語る際にも使えますよ。「私も鯉の滝登りのように、この難関を乗り越えてみせる」といった使い方もできるんですね。
この例文には、苦労することを恐れずに挑戦してほしいという前向きなメッセージが込められています。
3:「新規事業の立ち上げは鯉の滝登りだったが、ようやく軌道に乗った」
こちらはビジネスシーンでの使用例ですね。
新しいプロジェクトや事業を立ち上げる際には、様々な困難が待ち受けていますよね。資金調達の問題、人材の確保、市場の開拓など、乗り越えなければならない壁がたくさんあります。
この例文では、そうした数々の困難を乗り越えて、ようやく成功の兆しが見えてきた状況を「鯉の滝登り」という言葉で表現しているんですね。過去形で使うことで、すでに苦労の時期を乗り越えたという達成感も感じられます。
同じように、研究開発や商品開発、店舗展開など、ビジネスにおける様々なチャレンジの場面で使えますよ。努力が実を結んだ喜びを共有する際に、とても効果的な表現ですね。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「鯉の滝登り」と似た意味を持つことわざや表現は、他にもいくつかあるんですね。それぞれニュアンスが少し異なりますので、場面に応じて使い分けられると素敵ですよ。
登竜門(とうりゅうもん)
「登竜門」は、立身出世のための関門や、成功への難関を意味する言葉です。
実は「鯉の滝登り」と同じ中国の故事が語源なんですね。竜門の滝を登り切った鯉が龍になるという伝説から生まれた言葉です。
ただし、使い方には少し違いがあります。「登竜門」はこれから挑戦する難関や関門そのものを指すことが多いんですね。一方、「鯉の滝登り」はその難関を乗り越える行為や過程を表すことが多いんですよ。
例えば「この大会は若手選手の登竜門だ」という使い方をします。これから挑戦する難関を指しているわけですね。「登竜門を突破する」という表現もよく使われますよ。
出世魚(しゅっせうお)
「出世魚」とは、成長段階によって名前が変わる魚のことを指します。
ブリやスズキなど、成長するにつれて呼び名が変わる魚がいますよね。稚魚から成魚へと成長する過程で、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと名前が変わっていくんですね。
この様子が、人が地位や役職を上げていく「立身出世」に似ているということから、出世や昇進の比喩として使われるようになりました。
「鯉の滝登り」が苦労を乗り越えて成功する過程を強調するのに対し、「出世魚」は段階的な成長や昇進そのものを表すニュアンスが強いんですね。「彼は出世魚のように順調にキャリアを積んでいる」といった使い方をしますよ。
雀が鷹を生む(すずめがたかをうむ)
「雀が鷹を生む」は、平凡な親から優れた子どもが生まれることを意味することわざです。
小さくて平凡な雀から、大きくて立派な鷹が生まれるという驚きを表現しているんですね。親の社会的地位や能力に関わらず、子どもが大きく成長することを表しています。
「鯉の滝登り」が本人の努力による成功を強調するのに対し、「雀が鷹を生む」は生まれ持った才能や素質による成功を表すニュアンスがあるんですね。努力というより、予想外の大成功を表す際に使われることが多いですよ。
「あんな平凡な家庭から、まさか雀が鷹を生むとはね」といった使い方をします。驚きや感嘆の気持ちが込められた表現なんですね。
立身出世(りっしんしゅっせ)
「立身出世」は、ことわざというよりは四字熟語ですが、社会的に高い地位や名声を得ることを意味する言葉です。
「鯉の滝登り」が比喩的な表現であるのに対し、「立身出世」は直接的に成功や出世を表す言葉なんですね。よりストレートな表現と言えるでしょう。
「立身出世を目指す」「立身出世物語」といった使い方をします。特に明治時代から昭和初期にかけて、多くの若者の目標として掲げられた言葉でもあるんですよ。
「鯉の滝登り」のような情緒的な比喩がない分、ビジネス文書などフォーマルな場面でも使いやすい表現ですね。
「対義語」は?
「鯉の滝登り」と反対の意味を持つ表現もいくつかあります。成功の対極にある状況を表す言葉たちですね。
転落人生(てんらくじんせい)
「転落人生」とは、順調だった人生が一転して落ちぶれていくことを意味する表現です。
「鯉の滝登り」が下から上へ、困難を乗り越えて登っていくイメージなのに対し、「転落人生」は上から下へ、地位や名誉を失っていくイメージなんですね。まさに正反対の状況を表しています。
かつては成功していた人が、何らかの理由で社会的地位や財産を失っていく様子を表現する際に使われますよ。「あんなに成功していたのに、転落人生を歩むことになるとは」といった使い方をします。
この表現には、人生の栄枯盛衰や運命の無常さを感じさせるニュアンスがありますね。
鳴かず飛ばず(なかずとばず)
「鳴かず飛ばず」は、何の活躍もせず、目立った成果を上げられない状態を意味することわざです。
鳥が鳴きもせず飛びもしない、つまり何もしていない状態を表しているんですね。努力して成功を目指す「鯉の滝登り」とは対照的に、停滞している状況や、目立った進歩がない状態を表します。
「彼はあれから鳴かず飛ばずだね」といった使い方をしますよ。特にかつては期待されていた人や、才能があると思われていた人が、その後パッとしない状況にある場合に使われることが多いんですね。
ただし、この言葉には「大器晩成」の意味も含まれることがあります。中国の故事では、三年間鳴かず飛ばずだった鳥が、いざ鳴いたら天を揺るがし、飛んだら雲を突き抜けたという話もあるんですよ。
栄枯盛衰(えいこせいすい)
「栄枯盛衰」は、栄えることと衰えることが繰り返されることを意味する四字熟語です。
厳密には対義語というより、「鯉の滝登り」のような一方向の上昇ではなく、栄えたり衰えたりを繰り返す人生や世の無常を表す言葉なんですね。
「世の中は栄枯盛衰だ」という使い方をします。永遠に続く成功はなく、盛者必衰の理を表す際に用いられることが多いんですよ。
「鯉の滝登り」が上昇志向や成功への希望を表すのに対し、「栄枯盛衰」は人生や世の中の移ろいやすさ、運命の不確実性を表現しているんですね。仏教的な無常観とも関連する言葉と言えるでしょう。
「英語」で言うと?
「鯉の滝登り」の意味を英語で表現する方法もいくつかあります。直接的な対応表現はありませんが、似た意味を持つ英語の慣用句をご紹介しますね。
From rags to riches(貧困から富へ)
「From rags to riches」は、貧しい状態から裕福になることを意味する英語の慣用表現です。
「rags」はボロ布や貧困を、「riches」は富や財産を意味しますよね。つまり、どん底の状態から努力して成功を掴むという意味で、「鯉の滝登り」の立身出世の意味に近いんですね。
"His life is a from rags to riches story."(彼の人生はまさに立身出世物語だ)といった使い方をします。
アメリカン・ドリームの文脈でよく使われる表現でもあり、貧困から這い上がって成功した起業家やセレブリティの人生を語る際に頻繁に登場しますよ。
Rise to the top(頂点に上り詰める)
「Rise to the top」は、努力して最高の地位に到達することを意味する表現です。
「rise」は上昇する、「top」は頂点を意味しますね。下から上へと登っていくイメージは、滝を登る鯉の姿と重なるものがありますよね。
"She rose to the top through hard work and dedication."(彼女は懸命な努力と献身によって頂点に上り詰めた)といった使い方をします。
スポーツ選手やビジネスパーソンなど、競争の激しい世界で成功を収めた人について語る際によく使われる表現なんですよ。過程での努力や苦労を含意している点も「鯉の滝登り」と似ていますね。
Climb the ladder of success(成功の梯子を登る)
「Climb the ladder of success」は、成功への道を一歩ずつ登っていくことを意味する表現です。
「ladder」は梯子を意味しますね。梯子を一段一段登っていく様子は、困難を一つ一つ乗り越えていくプロセスを表しているんですよ。
"He climbed the ladder of success in the company."(彼は会社で着実に出世の階段を登った)といった使い方をします。
この表現は段階的な成長や昇進を強調するニュアンスがあります。一足飛びの成功ではなく、コツコツと努力を重ねて成功する様子を表現するのに適していますね。「鯉の滝登り」の持つ、努力の積み重ねによる成功というニュアンスとよく合っている表現だと言えるでしょう。
まとめ
ここまで「鯉の滝登り」について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
改めて要点をまとめると、「鯉の滝登り」は困難を乗り越えて立身出世することを意味することわざで、中国の竜門の滝を登った鯉が龍になるという故事が語源なんですね。
単なる成功ではなく、その過程での努力や苦労を含意している点が、このことわざの大切なポイントです。だからこそ、人の成功を称える際や、子どもの成長を願う際に使うと、とても温かい響きになるんですよね。
現代でも、ビジネスシーンや日常会話で広く使われている表現ですし、端午の節句の鯉のぼりという形で私たちの生活に根付いています。2025年には大学の授業で鯉のおもちゃを使った競技が行われたり、企業のイベントとして開催されたりと、新しい形でも楽しまれているんですね。
類語の「登竜門」や「出世魚」、対義語の「鳴かず飛ばず」なども合わせて覚えておくと、状況に応じて使い分けられて便利ですよ。
皆さんも、誰かの努力が実を結んだ場面や、これから挑戦する人を励ます場面で、ぜひ「鯉の滝登り」という言葉を使ってみてくださいね。きっと、あなたの言葉がより深みのあるものになるはずですよ。
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