
「共に白髪が生えるまで」という言葉、結婚式や結納の場で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
素敵な響きの言葉ですよね。でも、正確にどういう意味なのか、どんな由来があるのか、そしてどう使えばいいのかと聞かれると、ちょっと迷ってしまうかもしれませんね。
この記事では、「共に白髪が生えるまで」という表現について、その意味や由来、実際の使い方まで、わかりやすく詳しくご紹介していきます。類語や対義語、英語での表現もあわせてお伝えしますので、この言葉をもっと身近に感じていただけるはずですよ。
「共に白髪が生えるまで」を理解するための基礎知識

まずは、この言葉の基本的な情報から見ていきましょう。
読み方
「ともにしらががはえるまで」と読みます。
とても自然な日本語の響きですから、読み間違えることは少ないかもしれませんね。「白髪」は「しらが」と読みますが、「はくはつ」と読む場合もありますよね。ただし、この表現では「しらが」と読むのが一般的なんですね。
意味
「共に白髪が生えるまで」とは、夫婦が白髪になるまで、つまり長寿を全うするまで、仲睦まじく一緒に過ごすことを願う表現です。
白髪は年齢を重ねた証ですよね。ですから、この言葉には「お互いに年を取っても、ずっと仲良く寄り添って生きていきましょう」という、とても温かい願いが込められているんですね。
結婚式や結納の際に、夫婦の永遠の絆を象徴する言葉として使われてきました。現代でも、結婚という人生の大きな節目で、この言葉が持つ意味の重さと美しさが多くの人の心に響いているんですね。
語源と由来
「共に白髪が生えるまで」という表現は、いくつかの伝統的な文化と深く結びついています。
まず、「友白髪(ともしらが)」という結婚の縁起物が関係しています。友白髪とは、白髪に似せた白い絹糸や麻糸、麻ひもを束ねたもので、結納品や結婚式の儀式で使用されてきました。
この友白髪は一対で夫婦を表し、時には赤い糸とセットで贈られることもあるんですね。赤い糸は魔除けの意味を持っているとされています。白い糸が白髪を象徴し、「二人が白髪になるまで仲良く暮らせますように」という願いが形になったものなんです。
また、「お前百までわしゃ九十九まで、共に白髪が生えるまで」ということわざとも深く関連しています。これは妻が夫に長寿を誓う言葉として知られているんですね。
このことわざは、高砂人形(熊手と箒を持つ老夫婦の人形)とも結びついています。高砂神社の高砂翁と高砂姫の伝説から派生したとされていて、熊手で福を集め、箒で魔を払うという、夫婦の助け合いを表しているんですね。
兵庫県にある高砂神社には、相生の松という二本の松が寄り添って生えているご神木があり、これが夫婦の永遠の愛の象徴として信仰されてきました。こうした古い伝説や信仰が、「共に白髪が生えるまで」という美しい表現を生み出したのかもしれませんね。
江戸時代から続く伝統として、結婚という人生の門出に、この言葉や友白髪を贈ることで、新しい夫婦の幸せと長寿を祈る文化が受け継がれてきたんです。
「使い方」がわかる「例文」3選

では、実際にこの言葉はどのように使われるのでしょうか。具体的な例文を見ていきましょう。
1:「祖父母は今年で金婚式を迎えるが、まさに共に白髪が生えるまで仲良く暮らしているお手本のような夫婦だ」
この例文は、長年連れ添った夫婦を称える場面で使われていますね。
金婚式は結婚50周年のお祝いですから、本当に長い年月を共に過ごしてこられたわけです。その間には、きっといろいろな出来事があったことでしょう。嬉しいこと、辛いこと、様々なことを二人で乗り越えてきたんですよね。
そんな祖父母の姿を見て、「共に白髪が生えるまで」という言葉の本当の意味を実感できる、そんな使い方なんですね。理想だけでなく、実際にその理想を体現している夫婦への敬意が込められています。
2:「結婚式で新郎が『共に白髪が生えるまで、どんな時も支え合っていきます』と誓いの言葉を述べた」
これは結婚式という、まさにこの言葉がぴったりの場面での使い方ですね。
結婚式の誓いの言葉で「共に白髪が生えるまで」と言うことで、二人の未来への決意がより具体的に、そして情感豊かに表現されています。
単に「ずっと一緒にいます」と言うよりも、「白髪になるまで」という言葉を使うことで、長い人生の道のりを共に歩むイメージが鮮やかに浮かび上がってきますよね。列席者の心にも深く響く、温かい誓いの言葉になっているんです。
3:「友人夫婦は喧嘩しても次の日には仲直りしている。きっと共に白髪が生えるまで仲良くやっていけるだろう」
この例文では、夫婦の絆の強さを表現する際に使われていますね。
夫婦といっても、時には意見の食い違いや喧嘩もあるものです。でも、それを乗り越えられる関係性があること、それこそが長続きする秘訣なのかもしれません。
「共に白髪が生えるまで」という言葉を使うことで、その夫婦が一時的な感情ではなく、長期的な視点でお互いを大切にしているという印象を与えています。日常の中で見せる夫婦の姿から、その未来を予測する温かいまなざしが感じられる使い方ですね。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「共に白髪が生えるまで」と似た意味を持つ言葉や表現は、他にもいくつかあります。それぞれのニュアンスの違いを見ていきましょう。
偕老同穴(かいろうどうけつ)
「偕老同穴」は、夫婦が共に老い、死後は同じ墓に入るという意味の四字熟語です。
中国の古典『詩経』に由来する言葉で、夫婦の永遠の契りを表現しています。「共に白髪が生えるまで」よりもさらに深く、死後までの結びつきを示しているんですね。
やや格調高い表現なので、祝辞や格式のある場面で使われることが多いかもしれません。「共に白髪が生えるまで」のほうが、日常会話でも使いやすい柔らかい表現と言えるでしょう。
百年の契り(ひゃくねんのちぎり)
「百年の契り」は、夫婦が生涯を通じて変わらぬ愛を誓い合うことを意味する表現です。
「百年」という長い期間を示すことで、永遠に近い夫婦の絆を表しています。結婚を「契り」と表現することで、固い約束、誓いというニュアンスが強調されているんですね。
「共に白髪が生えるまで」が具体的なイメージ(白髪)を使っているのに対し、「百年の契り」は抽象的な時間の長さで表現している点が違いますね。どちらも美しい表現ですが、視覚的なイメージの有無という違いがあります。
添い遂げる(そいとげる)
「添い遂げる」は、夫婦が生涯を共にすることを意味する動詞です。
これはことわざというより、日常的に使われる言葉ですよね。「二人は最後まで添い遂げた」のように使います。
「共に白髪が生えるまで」と比べると、より日常的でシンプルな表現です。詩的な美しさは少し控えめかもしれませんが、その分、親しみやすく使いやすい言葉だと言えるでしょう。
連れ添う(つれそう)
「連れ添う」も、夫婦が共に生活することを意味する日常的な表現です。
「長年連れ添った夫婦」のように使われることが多いですね。こちらも「添い遂げる」と同様、日常会話で自然に使える言葉です。
「共に白髪が生えるまで」のような詩的な表現ではありませんが、夫婦が並んで歩む姿が浮かぶ、温かみのある言葉ですよね。親しい人との会話では、こうした自然な表現のほうが使いやすいかもしれません。
「対義語」は?
では、「共に白髪が生えるまで」と反対の意味を持つ言葉にはどんなものがあるでしょうか。
朝に紅顔ありて夕べに白骨となる(あしたにこうがんありてゆうべにはっこつとなる)
これは人生の無常さを表す仏教的な言葉です。
朝には血色の良い元気な顔をしていた人が、夕方には白骨になってしまうという、人の命のはかなさを表現しています。
「共に白髪が生えるまで」が長い時間をかけて共に生きることを願う言葉であるのに対し、この表現は人生の短さ、予測不可能性を強調しているんですね。長寿と永続性を願う言葉と、無常と儚さを説く言葉という対比になっています。
朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり(あしたにみちをきかばゆうべにしすともかなり)
これは『論語』に出てくる孔子の言葉で、「真理を悟ることができれば、その日のうちに死んでも構わない」という意味です。
真理の探究という崇高な目的のためなら、命の長さは問題ではないという考え方を示しています。
「共に白髪が生えるまで」が人生の長さと共に生きることの価値を重視しているのに対し、こちらは生きる長さよりも生き方の質を重視する考え方なんですね。価値観の違いという意味で対照的な表現と言えるでしょう。
破鏡(はきょう)
「破鏡」とは、割れた鏡という意味で、夫婦の離別を象徴する言葉です。
中国の故事に由来していて、一度は離れ離れになった夫婦が、割れた鏡の片割れを持ち合うことで再会を果たすという物語から生まれました。「破鏡重円(はきょうちょうえん)」という四字熟語もあり、こちらは別れた夫婦が再び一緒になることを意味します。
「共に白髪が生えるまで」が夫婦の永続的な結びつきを表すのに対し、「破鏡」は夫婦の別離を表すという点で、まさに対義的な関係にあるんですね。
「英語」で言うと?
「共に白髪が生えるまで」という美しい日本語の表現を、英語ではどのように表現するのでしょうか。
Till death do us part(死が二人を分かつまで)
これは英語圏の結婚式で使われる最も有名な誓いの言葉です。
キリスト教の結婚式で牧師が新郎新婦に問いかける際に使われる伝統的な表現なんですね。「あなたたちは死が二人を引き離すまで、共に生きることを誓いますか?」という意味です。
「共に白髪が生えるまで」が老いのプロセスを通じた結びつきを表現するのに対し、この英語表現は死という終わりまでの結びつきを強調しています。どちらも夫婦の永遠の絆を誓う言葉ですが、アプローチが少し違うんですね。
日本語が視覚的なイメージ(白髪)を使うのに対し、英語は終わりの時点(死)を明確にするという、文化的な違いも感じられて興味深いですよね。
Grow old together(一緒に年を取る)
こちらは「共に白髪が生えるまで」の意味に最も近いシンプルな英語表現です。
文字通り「一緒に老いていく」という意味で、日本語の「共に白髪が生えるまで」のニュアンスをストレートに伝えることができます。
結婚式のスピーチや、夫婦への祝福の言葉として「I hope you grow old together(お二人が一緒に年を取られますように)」のように使われることが多いですね。
格調高い表現ではありませんが、その分、温かみがあって親しみやすい表現と言えるでしょう。日常会話でも使いやすい点が魅力ですね。
Through thick and thin(順境でも逆境でも)
これは「良い時も悪い時も共に」という意味の英語の慣用句です。
「thick(厚い、密集した)」は困難な状況を、「thin(薄い)」は楽な状況を比喩的に表しているんですね。
「共に白髪が生えるまで」が時間の長さを強調するのに対し、この表現は人生の浮き沈みを共に乗り越えることを強調しています。長い人生には様々なことがあるけれど、それを二人で乗り越えていくという意味で、「共に白髪が生えるまで」の精神と通じるものがありますね。
「We've been through thick and thin together(私たちは良い時も悪い時も一緒に乗り越えてきた)」のように使われます。
まとめ
「共に白髪が生えるまで」という言葉について、ここまで詳しく見てきました。
この言葉の意味は、夫婦が白髪になるまで、長寿を全うするまで、仲睦まじく一緒に過ごすことを願うという、とても温かく美しいものでしたね。
友白髪という結婚の縁起物や、高砂神社の伝説など、古くから伝わる日本の文化と深く結びついていることもわかりました。こうした背景を知ると、この言葉がただの美辞麗句ではなく、長い歴史の中で育まれてきた、深い願いが込められた表現だということが実感できますよね。
結婚式や結納の場面はもちろん、長年連れ添ったご夫婦を称える時や、これから結婚する人への祝福の言葉としても、ぜひ使ってみてください。
現代は人生100年時代とも言われています。「共に白髪が生えるまで」という言葉が持つ、長い時間を共に歩むという意味は、今の時代にこそ改めて大切にしたい価値観なのかもしれませんね。
あなたの大切な人との関係においても、この言葉の持つ温かな精神を思い出していただけたら嬉しいです。