
「ほぞを噛む」ということわざ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。でも、いざ意味を聞かれると「なんとなくはわかるけど、正確には説明できない…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はこのことわざ、「へそを噛む」と読み間違えている方もいらっしゃるんですよ。正しくは「ほぞを噛む」と読むんですね。
この記事では、「ほぞを噛む」の正確な意味から由来、実際に使える例文、さらには類語や対義語、英語表現まで、網羅的に解説していきます。読み終わる頃には、自信を持ってこのことわざを使えるようになっているはずですよ。
「ほぞを噛む」を理解するための基礎知識

まずは「ほぞを噛む」の基本的な情報から見ていきましょう。意味や由来を知ることで、より深くこのことわざを理解できますよね。
読み方
「ほぞを噛む」は、ひらがなで「ほぞをかむ」と読みます。
「臍を噛む」という漢字で書かれることもあるんですね。ここで注意したいのが、「臍」という漢字は通常「へそ」と読むことが多いため、つい「へそを噛む」と読んでしまいがちなんです。
でも、このことわざでは「臍」を「ほぞ」と読むのが正しいんですよ。「ほぞ」は「へそ」の古い言い方なんですね。日常会話で使う際も「ほぞを噛む」と発音することを覚えておいてくださいね。
意味
「ほぞを噛む」は、取り返しのつかないことを深く後悔するという意味のことわざです。
単に「後悔する」というだけではないんですね。ポイントは「もう取り返しがつかない状況」での後悔を表すということなんです。
たとえば、まだやり直しができる状況や、これから挽回できる可能性がある場面では、このことわざは使いません。すでに事態が終わってしまっていて、どうすることもできない状況での深い後悔を表現する言葉なんですね。
自分のへそを噛もうとしても絶対に届かないように、どうすることもできないもどかしさや悔しさ、そんな気持ちが込められた表現なんですよ。
語源と由来
「ほぞを噛む」の由来は、中国の古典『春秋左伝』荘公六年にあるとされています。
この古典には、ある王が後悔のあまり自分のへそを噛もうとしたけれど、当然ながら自分の口は自分のへそには届かず、どうすることもできなかったという話が記されているんですね。
考えてみてください。自分で自分のへそを噛もうとしても、体の構造上、絶対に届きませんよね。どんなに体を曲げても、どんなに頑張っても、物理的に不可能なんです。
この「絶対に届かない、できない」という状況が、「取り返しがつかない」「どうすることもできない」という深い後悔の気持ちを表すのにぴったりだったんですね。
そこから、後悔してもどうにもならない状況を「ほぞを噛む」と表現するようになったんですよ。中国から日本に伝わり、現代でも使われ続けている歴史あることわざなんですね。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際の使い方を例文で見ていきましょう。どんな場面で使えるのか、具体的にイメージできるようになりますよ。
1:「面接の準備を怠ったことを、今になってほぞを噛んでいる」
就職活動や転職活動で、面接に落ちてしまった後に使える表現ですね。
もっと企業研究をしておけばよかった、模擬面接を受けておけばよかった…そんな後悔をしている状況です。でも、面接はすでに終わってしまっていて、もう取り返しがつきません。
準備不足だったことに気づいても、時間は戻せないんですよね。そんな深い後悔とどうしようもない気持ちを「ほぞを噛む」という言葉で表現しているんです。
ビジネスシーンでよく使われる例ですね。皆さんも似たような経験があるかもしれませんね。
2:「締め切りを勘違いして提出できなかった。ほぞを噛む思いだ」
学校の課題やビジネスの提案書など、締め切りを間違えて提出できなかった時の表現ですね。
カレンダーをきちんと確認しておけばよかった、アラームを設定しておけばよかった…いくら後悔しても、締め切りは過ぎてしまっているんですよね。
「ほぞを噛む思いだ」という言い方も、よく使われる表現なんですよ。「ほぞを噛むような気持ちだ」「ほぞを噛むほど後悔している」といった言い回しもあります。
時間は取り戻せないからこそ、その後悔の深さが伝わってきますよね。
3:「あの時、素直に謝っておけばよかった。今さらほぞを噛んでも遅い」
人間関係でのトラブルや別れに関する後悔を表現する例文ですね。
大切な人と喧嘩した時、自分のプライドを優先してしまって謝れなかった。その結果、関係が修復できなくなってしまった…そんな状況を表しています。
「今さらほぞを噛んでも遅い」という表現は、後悔してももう手遅れだという諦めの気持ちも込められているんですね。
きっと誰もが、人生で一度や二度はこんな経験をしているのではないでしょうか。だからこそ、このことわざには共感する方も多いんですよね。
恋愛や友情、家族関係など、プライベートな場面でも使いやすい表現だと思いませんか。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「ほぞを噛む」と似た意味を持つことわざも、日本にはたくさんあるんですよ。それぞれ微妙にニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けられると素敵ですよね。
後悔先に立たず
「後悔先に立たず」は、後悔しても取り返しがつかないという意味のことわざですね。
「ほぞを噛む」との違いは、こちらの方がより教訓的な意味合いが強いという点なんです。「だから事前にしっかり準備しなさいね」というメッセージが込められているんですね。
「ほぞを噛む」が後悔の感情そのものを表すのに対して、「後悔先に立たず」は「後悔しても意味がないから、前もって考えて行動しましょう」という予防的な意味も含んでいるんですよ。
若い人にアドバイスする時などに、よく使われる表現かもしれませんね。
後の祭り
「後の祭り」は、時機を逃してしまって、今さら何をしても無駄だという意味のことわざです。
祭りが終わった後に会場に行っても、もう楽しむことはできませんよね。そこから、タイミングを逃したことを表現するようになったんです。
「ほぞを噛む」との違いは、「後の祭り」の方がタイミングや機会を逃したことに焦点が当たっているという点なんですね。後悔の深さよりも、「もう時期が過ぎてしまった」という事実を強調しているんです。
日常会話でも使いやすい、カジュアルな表現だと言えるかもしれませんね。
覆水盆に返らず
「覆水盆に返らず」は、一度こぼれた水は元の器に戻せないという意味で、取り返しのつかないことを表すことわざですね。
中国の故事に由来する表現で、特に離婚や別れなど、人間関係が元に戻らないことを表す際によく使われるんですよ。
「ほぞを噛む」が後悔の感情に焦点を当てているのに対して、「覆水盆に返らず」は「もう元には戻せない」という不可逆性を強調しているんですね。
やや格調高い表現なので、フォーマルな場面や文章で使うことが多いかもしれません。
泣いて馬謖を斬る
「泣いて馬謖を斬る」は、断腸の思いで厳しい決断をするという意味のことわざです。
三国志の故事に由来していて、諸葛亮が愛弟子の馬謖を軍規のために処刑せざるを得なかった話から来ているんですね。
「ほぞを噛む」とは少し違って、こちらは「悲しくても正しい決断をした後の苦しみ」を表しているんです。後悔というよりは、必要だった決断への悲しみという感じですね。
リーダーの立場にある方が使うことが多い表現かもしれませんね。組織のために厳しい判断をしなければならない時の気持ちを表すのにぴったりなんですよ。
「対義語」は?
では、「ほぞを噛む」の対義語、つまり反対の意味を持つことわざも見ていきましょう。後悔とは逆の、前向きな気持ちや満足を表す表現ですね。
思い立ったが吉日
「思い立ったが吉日」は、何かをしようと思ったら、その日が最良の日だからすぐに行動しなさい、という意味のことわざですね。
「ほぞを噛む」が行動しなかったことへの後悔を表すのに対して、こちらは「すぐに行動することの大切さ」を教えてくれるんです。
後悔しないためには、チャンスが来たらすぐに動くことが大事だということですよね。「明日やろう」「来週でいいかな」と先延ばしにせず、今すぐ始めることで、後でほぞを噛むことにならないんですね。
前向きで行動的な姿勢を応援してくれることわざだと言えますよね。
後悔のない人生
これはことわざというよりは慣用的な表現ですが、「後悔のない人生」という言い方もありますね。
「ほぞを噛む」ことがない人生、つまり、やりたいことをやって、言いたいことを言って、充実した日々を送るという意味なんです。
後悔しないためには、その時その時に全力で向き合うことが大切なんですよね。「あの時こうすればよかった」と思わないように、今を大切に生きるということを表しているんですよ。
人生の目標として、多くの方が目指している状態かもしれませんね。
満足する
シンプルに「満足する」という言葉も、「ほぞを噛む」の対義語と言えますね。
後悔とは正反対の、充足感や達成感を表す表現です。自分の選択や行動に納得していて、悔いがない状態のことですね。
「ほぞを噛む」が「こうすればよかった」という過去への未練を表すのに対して、「満足する」は「これでよかった」という過去への肯定を表しているんです。
私たちも、できるだけ満足できる選択をして、ほぞを噛むことのない人生を送りたいものですよね。
「英語」で言うと?
「ほぞを噛む」を英語で表現する場合、いくつかの言い方があるんですよ。国際的なコミュニケーションでも使えるように、覚えておくと便利かもしれませんね。
to regret bitterly(ひどく後悔する)
「to regret bitterly」は、「激しく後悔する」「ひどく後悔する」という意味の英語表現ですね。
"regret"は「後悔する」という動詞で、"bitterly"は「激しく」「苦々しく」という意味の副詞なんです。この二つを組み合わせることで、深い後悔を表現できるんですよ。
例文としては、"I regret bitterly that I didn't study harder."(もっと一生懸命勉強しなかったことを激しく後悔している)というように使えますね。
「ほぞを噛む」の感情的な部分をしっかり伝えられる表現だと思いませんか。
to be very sorry (for)(非常にすまないと思う)
「to be very sorry (for)」は、「非常に申し訳なく思う」「深く後悔している」という意味の表現ですね。
"sorry"には「すまない」「残念に思う」という意味があって、"very"で強調することで、深い後悔や残念な気持ちを表現できるんです。
例えば、"I'm very sorry for not calling you back."(電話をかけ直さなくて本当に申し訳ない)というように使えますよ。
「ほぞを噛む」ほどの強い後悔というよりは、やや柔らかい表現になるかもしれませんね。日常会話でも使いやすい表現だと言えるでしょう。
to kick oneself(自分を責める)
「to kick oneself」は、直訳すると「自分自身を蹴る」という意味で、自分の失敗を深く後悔するという意味のイディオムなんですよ。
これは面白い表現ですよね。自分で自分を蹴るという行為は、「ほぞを噛む」のように自分ではできないことを表しているんです。つまり、どうしようもない後悔を体で表現しているんですね。
例文としては、"I could kick myself for forgetting her birthday."(彼女の誕生日を忘れたことを本当に後悔している)というように使います。
「ほぞを噛む」のニュアンスに一番近い英語表現かもしれませんね。カジュアルな会話でよく使われるんですよ。
まとめ
さて、ここまで「ほぞを噛む」について、意味から由来、使い方まで詳しく見てきましたね。
もう一度ポイントをおさらいしましょう。
- 読み方は「ほぞをかむ」で、「へそをかむ」ではない
- 意味は「取り返しのつかないことを深く後悔する」
- 由来は中国の古典『春秋左伝』から
- まだやり直せる状況では使わず、もう手遅れの時に使う
- 類語には「後悔先に立たず」「後の祭り」「覆水盆に返らず」などがある
- 英語では"to regret bitterly"や"to kick oneself"などで表現できる
「ほぞを噛む」は、人間の深い後悔の感情を表す、とても味わい深いことわざなんですね。
できれば、私たちはほぞを噛むことのない人生を送りたいものですよね。そのためには、今この瞬間を大切にして、後悔しない選択をしていくことが大事なのかもしれません。
でも、人間ですから、時には失敗したり、間違った選択をしてしまうこともありますよね。そんな時、「ほぞを噛む」という言葉を知っていれば、その深い後悔の気持ちを的確に表現できるんですよ。
ぜひ、日常会話や文章の中で、この歴史あることわざを使ってみてくださいね。きっと、あなたの表現力がより豊かになるはずですよ。