
「創業は易く守成は難し」ということわざ、聞いたことはありますよね。でも、いざ「どういう意味?」と聞かれると、なんとなくは分かるけど正確には説明しにくい…そう感じる方も多いかもしれませんね。
このことわざは、ビジネスの世界だけでなく、人生のさまざまな場面で使われる深い教訓なんですね。新しいことを始めるのは意外と簡単だけれど、それを継続して守り発展させていくことの方がずっと難しいという、私たちの日常にも通じる智恵が込められているんです。
この記事では、「創業は易く守成は難し」の正確な意味や、古代中国の皇帝が残した由来、実際の使い方が分かる例文、さらには類語や対義語、英語表現まで、網羅的にご紹介していきますね。読み終わる頃には、このことわざを自信を持って使えるようになっているはずですよ。
「創業は易く守成は難し」を理解するための基礎知識

読み方
「創業は易く守成は難し」は、「そうぎょうはやすくしゅせいはかたし」と読みます。
「創業」は「そうぎょう」、「守成」は「しゅせい」と読むんですね。特に「守成」という言葉は日常ではあまり使わないので、読み方に迷う方もいらっしゃるかもしれません。でも一度覚えてしまえば、とても印象的な響きのことわざですよね。
意味
「創業は易く守成は難し」の意味は、新しく事業や物事を始めること(創業)は比較的容易だが、それを維持・発展させること(守成)の方がはるかに難しいということなんですね。
「創業」とは、文字通り「業を創る」こと、つまり新しいことを始める、起業する、何かをスタートさせることを意味します。一方「守成」とは、「成を守る」、つまり成し遂げたものを守り続ける、維持していくことを指しているんです。
このことわざが教えてくれるのは、始めることよりも続けることの方が大変だという普遍的な真理なんですね。新しいことを始めるときは、情熱や勢い、新鮮さがあって、意外とスムーズに進むものです。でも、それを長期的に維持し、さらに発展させていくためには、継続的な努力、創意工夫、変化への対応が必要になってくるんです。
ビジネスだけでなく、人間関係や趣味、勉強など、私たちの日常のあらゆる場面で当てはまる教訓だと思いませんか?
語源と由来
「創業は易く守成は難し」の由来は、中国の唐の時代、名君として知られる太宗(李世民)の言葉にあるんですね。この故事は、古典『貞観政要』の「論君道」という章に記されています。
唐の太宗は、ある日、臣下たちに「創業と守成、どちらが難しいか」という問いを投げかけました。すると、臣下の房玄齢さんは「創業の方が難しい」と答えたんですね。彼の考えでは、戦乱の中から国を建てることの方が大変だというわけです。
一方、魏徴さんという別の臣下は「守成の方が難しい」と答えました。国を建てた後、それを安定させ、発展させていくことの方が困難だという見解だったんですね。
この二人の意見を聞いた太宗は、どう答えたと思いますか?太宗は「房玄齢と創業を共にした時は創業が難しく思えたが、今は守成の時代であり、守成こそが難しい」と述べたんです。
つまり、太宗は創業と守成の両方を経験した立場から、その時々で難しさは異なるものの、特に今は守成の難しさを実感していると語ったわけですね。この言葉が後世に伝わり、「創業は易く守成は難し」ということわざとして定着したんです。
この故事の興味深いところは、単に「守成が難しい」と言い切っているのではなく、立場や状況によって何が難しいかは変わるという、太宗の深い洞察が含まれていることなんですね。それでも一般的には、維持・継続の難しさの方が強調されるようになったのは、きっと多くの人がその難しさを実感してきたからかもしれませんね。
「使い方」がわかる「例文」3選

1:「父が一代で築いた会社を継いだが、創業は易く守成は難しというように、伝統を守りながら新しい時代に対応するのは本当に大変だ」
この例文は、事業継承の場面で使われていますね。二代目経営者さんが直面する典型的な苦労を表現しているんです。
創業者のお父様は、ゼロから会社を立ち上げた情熱と勢いがあったかもしれません。でも、それを受け継いだ二代目は、先代が築いた評判や取引先との関係を守りつつ、時代の変化に合わせて会社を進化させなければならないんですね。
これって本当に難しいことですよね。既存のものを壊さず、でも停滞もせず、バランスを取りながら前進する…そんな守成の難しさが、このことわざによって的確に表現されているんです。
2:「新しいプロジェクトを立ち上げるのはワクワクするけど、創業は易く守成は難しというから、本当の勝負はこれからだね」
こちらは、ビジネスプロジェクトの開始時に使われる例文ですね。チームメンバーと話し合っている場面が想像できませんか?
新規プロジェクトのスタート時は、誰もが意欲的で、アイデアも次々と湧いてくるものです。でも、この発言者さんは冷静に「本当の勝負はこれから」と言っているんですね。プロジェクトを軌道に乗せ、成果を出し続けることの方が難しいと理解しているんです。
このように、「創業は易く守成は難し」は、これから始まる困難を予見し、気を引き締める場面でもよく使われるんですね。前向きでありながらも、慎重さを忘れない、そんな心構えを表現するのにぴったりなんです。
3:「YouTubeチャンネルを開設するのは簡単だったけど、毎週動画を投稿し続けるのは本当に大変。創業は易く守成は難しとはまさにこのことだ」
この例文は、現代的な個人の活動に「創業は易く守成は難し」を当てはめた使い方ですね。
YouTubeチャンネルの開設自体は、今や誰でも数分でできてしまいます。でも、コンテンツを定期的に作り続け、視聴者さんとの関係を築き、チャンネルを成長させていくのは、想像以上に大変なんですよね。
このように、「創業は易く守成は難し」は元々の企業経営の文脈を超えて、ブログ、SNS、趣味の活動、勉強の継続など、私たちの日常のさまざまな「始めること」と「続けること」の関係にも使えるんですね。とても応用の効くことわざだと思いませんか?
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
始めは処女の如く後は脱兎の如し
「始めは処女の如く後は脱兎の如し」は、始めは静かでおとなしく、後になって急速に行動するという意味のことわざですね。
これは『孫子』の兵法に由来する言葉で、戦略の話なんです。でも、「創業は易く守成は難し」と共通するのは、始まりと継続で求められるものが違うという点なんですね。ただし、こちらは「難しさ」よりも「戦略の変化」に焦点が当たっているという違いがあります。
「創業は易く守成は難し」が継続の困難さを強調するのに対し、「始めは処女の如く後は脱兎の如し」は状況に応じた戦術の変化を教えてくれるんですね。
続けることは難し
「続けることは難し」は、そのままの意味で、何事も継続することが最も困難であることを表す表現ですね。
これは「創業は易く守成は難し」の本質を、よりシンプルに表現したものと言えるかもしれません。「創業」や「守成」という特定の文脈を持たない分、より幅広い状況で使いやすいんですね。
ダイエット、語学学習、早起きの習慣…私たちが「続けることは難し」を実感する場面は、日常にたくさんありますよね。「創業は易く守成は難し」の日常版とも言える表現なんです。
千里の道も一歩から、されど千里の道
「千里の道も一歩から」は有名なことわざですよね。でも、それに「されど千里の道」と付け加えることで、始めることの大切さと、完遂することの困難さの両方を表現できるんです。
最初の一歩を踏み出すことは大事だけれど、目的地までの道のりは長く険しいという意味ですね。「創業は易く守成は難し」と似ているのは、スタートよりもその後の道のりの方が大変だという点なんです。
ただし、「創業は易く守成は難し」が「維持・発展」に焦点を当てているのに対し、こちらは「目標達成までの過程」により重点を置いているという違いがあるかもしれませんね。
守りは攻めより難し
「守りは攻めより難し」は、攻撃するよりも防御する方が困難であるという意味のことわざですね。
これは「創業は易く守成は難し」と非常に近い構造を持っているんです。「攻め(創業)」と「守り(守成)」という対比で、後者の難しさを強調している点が共通しているんですね。
スポーツでも「攻撃は最大の防御」と言いますが、実際には守りを固めることの方が難しいことも多いですよね。ビジネスでも、市場に参入すること(攻め)より、シェアを維持すること(守り)の方が大変だったりします。まさに「創業は易く守成は難し」と同じ教訓を、別の角度から表現しているんですね。
「対義語」は?
思い立ったが吉日
「思い立ったが吉日」は、何かをしようと思ったら、その日がちょうど良い日だから、すぐに始めるべきという意味のことわざですね。
これが「創業は易く守成は難し」の対義語になるのは、どちらも「始めること」に関連していながら、その捉え方が正反対だからなんです。「創業は易く守成は難し」が「始めることは比較的簡単(でも続けることが難しい)」という意味なのに対し、「思い立ったが吉日」は「始めることこそが大事で、今すぐ行動すべき」という積極性を強調しているんですね。
「創業は易く守成は難し」が継続の難しさを教えてくれるのに対し、「思い立ったが吉日」は行動を起こすことの大切さを教えてくれる、そんな対照的な関係にあるんです。
初めが肝心
「初めが肝心」は、物事の最初が最も重要であるという意味のことわざですね。
これも「創業は易く守成は難し」とは逆の視点を持っているんです。「創業は易く守成は難し」が「最初よりも継続が大事」と言っているのに対し、「初めが肝心」は「最初こそが最も重要」と主張しているわけですね。
もちろん、どちらも一理あるんです。良いスタートを切ることは確かに大切ですし、それを継続することも同じくらい大切なんですよね。この二つのことわざは、物事の異なる段階に焦点を当てているとも言えるかもしれません。
創業守成、どちらも等しく難し
これは厳密には有名なことわざではないのですが、唐の太宗の故事における房玄齢さんの意見を表現したものとも言えますね。
「創業は易く守成は難し」が「守成の方が難しい」という立場を取っているのに対し、この表現は「創業も守成も、それぞれに異なる難しさがあり、どちらが難しいとは言えない」という視点なんです。
実際、太宗自身も最初は「創業と守成、どちらが難しいか」と問いかけていて、両方に難しさがあることを認識していたんですね。この視点は、「創業は易く守成は難し」という一般化された教訓に対する、もう一つの考え方を示してくれているんです。
「英語」で言うと?
One hath more ado to preserve than to get.(得るよりも保つ方が苦労が多い)
この英語表現は、「得ることよりも、それを保持することの方が大変だ」という意味なんですね。
「ado」は「苦労、手間、騒ぎ」という意味の古風な英語で、「preserve」は「保存する、維持する」という意味です。まさに「創業は易く守成は難し」の本質を捉えた表現ですよね。
この表現は、イギリスの古い諺として使われてきたもので、東洋と西洋で同じような知恵が独自に生まれたというのは興味深いことですよね。人間が直面する普遍的な真理なんだと実感できます。
It's easier to start than to maintain.(始めることは維持することよりも簡単だ)
これは現代英語でのシンプルな表現ですね。「maintain」は「維持する、保つ」という意味です。
この表現は日常会話で使いやすく、ビジネスシーンでもよく使われるんです。「We can start this project easily, but it's easier to start than to maintain.(このプロジェクトは簡単に始められるけど、始めることは維持することよりも簡単だからね)」のように使えるんですね。
「創業は易く守成は難し」の現代的で実用的な英訳として、覚えておくと便利かもしれませんね。
Keeping is harder than getting.(保つことは得ることより難しい)
こちらもとてもシンプルで覚えやすい英語表現ですね。「keeping」は「保つこと、維持すること」、「getting」は「得ること、手に入れること」です。
この表現の良いところは、短くて分かりやすいことなんです。ダイエット、人間関係、キャリア、どんな文脈でも使えますよね。「Keeping friends is harder than getting friends.(友達を保つことは友達を作ることより難しい)」のように応用できるんです。
「創業は易く守成は難し」という深い教訓を、現代のグローバルなコミュニケーションで伝えたいとき、このようなシンプルな英語表現が役立つんですね。
まとめ
「創業は易く守成は難し」ということわざについて、ここまで詳しく見てきましたね。唐の太宗の時代から伝わる、千年以上の歴史を持つ智恵なんです。
意味のポイントは、新しく何かを始めることは比較的容易だけれど、それを維持・発展させることの方がはるかに難しいということでしたね。起業、プロジェクト開始、新しい習慣、人間関係…私たちの日常のあらゆる場面で当てはまる教訓なんです。
由来のポイントは、中国の名君・唐の太宗が臣下たちと「創業と守成、どちらが難しいか」について議論したという『貞観政要』の故事に基づいていることでしたね。房玄齢さんと魏徴さんという二人の臣下の異なる意見、そして太宗自身の深い洞察が込められているんです。
使い方のポイントは、事業継承、プロジェクト開始時の心構え、日常的な継続の難しさなど、幅広い場面で使えることでしたね。「始めるのは簡単だったけど、続けるのは大変だ」という実感を表現するときに、ぴったりのことわざなんです。
類語として「続けることは難し」や「守りは攻めより難し」、対義語として「思い立ったが吉日」や「初めが肝心」なども学びましたね。英語では「Keeping is harder than getting」のようなシンプルな表現で伝えられることも分かりました。
このことわざが教えてくれるのは、始めることだけでなく、継続し、発展させていくことにこそ価値があるということなんですね。新しいことにチャレンジするのは素晴らしいことですが、それを長期的に維持していくための努力、創意工夫、変化への適応こそが本当の挑戦なんです。
あなたも今、何か新しいことを始めたばかりかもしれませんし、あるいは長年続けてきたことを守り続けている最中かもしれませんね。そんなとき、「創業は易く守成は難し」という言葉を思い出してみてください。きっと、継続することの大切さと、その難しさに立ち向かう勇気をもらえるはずですよ。
ぜひ、日常会話やビジネスシーンで、このことわざを使ってみてくださいね。きっと、あなたの言葉に深みと説得力が増すはずです。