
「遠きに行くは必ず邇きよりす」って、何かで聞いたことがあるけれど、正確な意味を聞かれるとちょっと迷ってしまいますよね。
特に、読み方も難しそうで、どんな場面で使えばいいのかわからないという方も多いかもしれませんね。
このことわざは、実は私たちの人生や仕事、勉強のあらゆる場面で役立つ、とても深い教えが込められているんです。
この記事では、「遠きに行くは必ず邇きよりす」の意味や由来をわかりやすく解説し、実際に使える例文や類語・対義語、さらには英語での表現まで、幅広くご紹介していきますね。
きっと、このことわざの奥深さに気づいて、日常で使ってみたくなると思いますよ。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」を理解するための基礎知識

まずは、このことわざの基本的な情報から見ていきましょう。
読み方から意味、そして由来まで、順番に丁寧に解説していきますね。
読み方
「遠きに行くは必ず邇きよりす」の読み方は、「とおきにゆくはかならずちかきよりす」です。
「邇き」という漢字が難しいので、読み間違えやすいポイントかもしれませんね。
「邇」は「ちかい」と読み、「近い」と同じ意味を持つ古い表現なんです。
この漢字自体、日常ではあまり見かけないので、初めて見た時は戸惑う方も多いと思います。
でも、一度覚えてしまえば、このことわざの意味もイメージしやすくなりますよね。
意味
「遠きに行くは必ず邇きよりす」の意味は、遠くへ行くには、必ず近くから始めなければならないということなんですね。
もう少し詳しく言うと、大きな目標や遠い夢を実現したいと思ったら、まずは足元にある身近なこと、小さな一歩から着実に進んでいくべきだという教えなんです。
一足飛びに結果を求めるのではなく、順序を追って、段階を踏んで進むことの大切さを伝えているんですね。
「高い山に登りたいなら、まず目の前の坂道から」と考えると、わかりやすいかもしれません。
このことわざは、私たちが焦ってしまったり、近道を探そうとしたりする時に、本当に大切なことを思い出させてくれる言葉なんですよね。
語源と由来
「遠きに行くは必ず邇きよりす」は、儒教の経書である『中庸』から来ていることわざなんです。
『中庸』は『礼記』という古典の中の一章で、儒教の重要な教えをまとめた文献として知られていますよね。
具体的には、『中庸』第五章に「辟如行遠、必自邇」「辟如登高、必自卑」という原文があり、これが由来となっているんです。
直訳すると「遠くへ行くには、必ず近くから始める」「高く登るには、必ず低いところから始める」という意味になるんですね。
この言葉は、君子(理想的な人物)が歩むべき道を示す例えとして書かれていて、大きなことを成すための基本姿勢を教えてくれているんです。
儒教では、道徳的に優れた人間になるためには、まず身近な日常の振る舞いや、小さな善行から始めることが大切だと考えられていました。
その教えが、このことわざに凝縮されているんですね。
古代中国の知恵が、今でも私たちの人生指針として使われているって、すごいことだと思いませんか?
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際にどんな場面で使えるのか、具体的な例文を見ていきましょう。
日常会話でも使いやすい表現をご紹介しますね。
1:「将来は海外で活躍したいけれど、遠きに行くは必ず邇きよりすで、まずは国内で経験を積もうと思います」
これは、キャリアアップを目指す人が使う例文ですね。
海外で働くという大きな夢を持っているけれど、いきなり海外に飛び出すのではなく、まずは国内でスキルや経験を積んでから、というステップを踏む考え方を表しています。
留学や海外転職を考えている人が、「まずは基礎固めから」という意味で使うことが多いんですね。
焦らず、順序立てて準備を進める姿勢が、このことわざの教えと重なっていますよね。
2:「いきなり難しい本を読むのではなく、遠きに行くは必ず邇きよりすで、基礎から学び直すことにした」
これは勉強や自己啓発の場面での使い方ですね。
新しい分野を学ぶ時、つい背伸びをして難しい専門書から始めてしまいがちですが、実は基礎をしっかり固めることが一番の近道だったりするんです。
資格試験の勉強でも、ビジネススキルの習得でも、この考え方はとても大切ですよね。
「急がば回れ」という言葉にも通じる、堅実な学びの姿勢を表現できるんです。
3:「起業して成功したいなら、遠きに行くは必ず邇きよりすで、まずは副業から始めてみるのがいいかもしれない」
これはビジネスの場面で使える例文ですね。
起業という大きな目標に向かって、いきなり会社を辞めて独立するのではなく、まずは副業やスモールビジネスから始めて、徐々に準備を整えていくという現実的なアプローチを示しています。
リスクを抑えながら、着実に前進するという意味でも、このことわざがぴったり当てはまりますよね。
最近では、2024年の企業ブログでも、営業マンが日々の目標達成に向けて、この言葉をモチベーションとして活用しているという事例もあるんですよ。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「遠きに行くは必ず邇きよりす」と似た意味を持つことわざは、実はたくさんあるんです。
それぞれ微妙にニュアンスが違うので、比較してみると面白いですよ。
千里の行も足下より始まる
これはとても有名なことわざですよね。
「千里の行も足下より始まる」は、どんなに遠い道のりも、最初の一歩から始まるという意味なんです。
中国の古典『老子』に由来する言葉で、「遠きに行くは必ず邇きよりす」とほぼ同じ意味と言えるでしょう。
ただ、こちらは「始まり」の大切さに焦点を当てているのに対し、「遠きに行くは必ず邇きよりす」は「近いところから順番に」という段階性を強調している点が、少し違うかもしれませんね。
高きに登るに卑きよりす
「高きに登るに卑きよりす」は、実は「遠きに行くは必ず邇きよりす」とセットで『中庸』に登場する表現なんです。
高いところに登るには、低いところから始めなければならないという意味で、まさに同じ教えを別の角度から表現しているんですね。
「登る」という動作を使っているので、より具体的にイメージしやすいかもしれません。
山登りや階段を登る様子を思い浮かべると、この言葉の意味がすんなり理解できますよね。
急がば回れ
「急がば回れ」は、日本でよく使われる有名なことわざですね。
急いでいる時こそ、確実で安全な方法を選ぶべきだという意味です。
近道や裏技を探すのではなく、遠回りに見えても正攻法で進む方が、結果的には早く目的地に着けるという教えなんですね。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」が「近くから始める」ことを強調しているのに対し、「急がば回れ」は「焦らず正しい方法で」という点に重きを置いている違いがあります。
でも、どちらも着実に進むことの大切さを教えてくれる点では共通していますよね。
ローマは一日にして成らず
「ローマは一日にして成らず」は、西洋のことわざですが、日本でもよく使われますね。
大きな偉業や成果は、短期間では達成できず、長い時間と努力の積み重ねが必要だという意味なんです。
古代ローマ帝国のような偉大な文明も、一日で築かれたわけではないという例えから来ているんですね。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」が「近くから始める順序」を教えているのに対し、こちらは「時間をかけた積み重ね」の重要性を強調している点が特徴的です。
「対義語」は?
では、反対の意味を持つことわざも見ていきましょう。
対義語を知ることで、元のことわざの意味がより深く理解できるかもしれませんね。
一足飛び
「一足飛び」は、段階を踏まずに、一気に高いところまで到達しようとすることを意味します。
ことわざというよりは慣用表現ですが、「遠きに行くは必ず邇きよりす」の対義的な考え方を表していますね。
「一足飛びに成功を掴もうとする」といった使い方をすることが多く、通常は焦りすぎや無謀さを批判的に表現する時に使われるんです。
着実な積み重ねを大切にする「遠きに行くは必ず邇きよりす」とは、真逆のアプローチと言えますよね。
二階から目薬
「二階から目薬」は、物事が思うようにいかない、じれったい状況を表すことわざです。
二階から一階にいる人の目に目薬を差そうとしても、なかなか上手くいかないという様子から来ているんですね。
遠回りをしすぎて、かえって効率が悪くなってしまう状況を指すこともあります。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」が正しい順序で着実に進むことを教えているのに対し、「二階から目薬」は適切な方法を選ばないと無駄が多くなることを警告しているんです。
どちらも、正しいアプローチの大切さを教えてくれるという点では、実は共通しているのかもしれませんね。
一攫千金
「一攫千金」は、一度に大きな利益を得ることを意味する四字熟語です。
コツコツと積み重ねるのではなく、一気に大金を手に入れようとする姿勢を表していますよね。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」が地道な努力を推奨しているのに対し、「一攫千金」は短期間での大成功を狙う考え方なので、まさに対義的な概念と言えるでしょう。
ただ、「一攫千金を狙う」という表現は、現実的ではない夢物語を追いかけているというニュアンスで使われることが多いんですね。
「英語」で言うと?
「遠きに行くは必ず邇きよりす」の精神は、英語でも同じように表現されているんですよ。
どんな表現があるのか、見ていきましょう。
A journey of a thousand miles begins with a single step(千里の旅も一歩から)
これは英語圏で最もよく使われる表現の一つですね。
「A journey of a thousand miles begins with a single step」は、直訳すると「千マイルの旅も一歩から始まる」という意味になります。
実はこれ、先ほど紹介した「千里の行も足下より始まる」の英語版なんです。
中国の『老子』から来ている教えが、英語圏にも広まって、同じように使われているんですね。
大きな目標も、最初の小さな一歩から始まるという意味で、「遠きに行くは必ず邇きよりす」とほぼ同じメッセージを伝えています。
ビジネスシーンでも自己啓発でも、よく引用される名言なんですよ。
Rome wasn't built in a day(ローマは一日にして成らず)
「Rome wasn't built in a day」は、そのまま「ローマは一日では建てられなかった」という意味ですね。
類語のところでも紹介しましたが、これは英語のことわざなんです。
大きな成果を出すには、時間をかけた積み重ねが必要だという教えで、焦らず着実に進むことの大切さを伝えています。
「遠きに行くは必ず邇きよりす」の精神に通じる表現として、英語圏でも広く使われているんですね。
特に、何か大きなプロジェクトを進めている時や、新しいスキルを習得しようとしている時に、励ましの言葉として使われることが多いんです。
Step by step(一歩一歩)
「Step by step」は、「一歩一歩」「段階的に」という意味のシンプルな表現です。
これはことわざではなく、日常的によく使われるフレーズなんですが、「遠きに行くは必ず邇きよりす」の考え方を端的に表していますよね。
「Let's take it step by step(一歩ずつ進みましょう)」のように使うことで、焦らず順序立てて物事を進める姿勢を示すことができるんです。
ビジネスメールや日常会話でも使いやすい表現なので、覚えておくと便利かもしれませんね。
まとめ
「遠きに行くは必ず邇きよりす」は、遠くへ行くには必ず近くから始めるべきという、とても深い教えを持つことわざでしたね。
儒教の経書『中庸』から来ているこの言葉は、大きな目標を達成するためには、足元の一歩一歩を大切にすることが何より重要だということを教えてくれています。
読み方は「とおきにゆくはかならずちかきよりす」で、「邇き」という難しい漢字が使われていますが、意味を理解すれば、とても使いやすいことわざなんです。
使い方としては、キャリアアップや勉強、ビジネスなど、様々な場面で「焦らず順序立てて進む」姿勢を表現できますよね。
類語には「千里の行も足下より始まる」や「急がば回れ」、対義語には「一足飛び」や「一攫千金」があり、これらと比較することで、より深く意味を理解できると思います。
英語では「A journey of a thousand miles begins with a single step」や「Rome wasn't built in a day」が同じような意味で使われていて、世界共通の知恵だということがわかりますね。
近年では、漫画『ハイキュー!!』で武田一鉄先生の名言として紹介されたことで、若い世代にも広く知られるようになったそうですよ。
人生でも仕事でも、つい近道を探してしまったり、一気に結果を出そうと焦ってしまったりすることってありますよね。
そんな時こそ、この「遠きに行くは必ず邇きよりす」という言葉を思い出して、目の前の一歩を大切にする気持ちを持つことが大切なのかもしれません。
ぜひ、日常の中でこのことわざを使ってみてくださいね。