
「糟糠の妻」ということわざ、聞いたことはあるけど、正確な意味や使い方となると少し迷ってしまいますよね。結婚式のスピーチで耳にしたり、時代劇で登場したりすることもある表現ですが、実はとても深い意味が込められているんですね。
この記事では、「糟糠の妻」の意味や由来、具体的な使い方まで、わかりやすく丁寧に解説していきますね。例文や類語、さらには英語での表現まで網羅していますので、きっとあなたの疑問が解決できると思いますよ。
「糟糠の妻」を理解するための基礎知識

読み方
「糟糠の妻」は「そうこうのつま」と読みます。
「糟」や「糠」という漢字は普段あまり使わない文字なので、初めて見ると読み方に迷ってしまうかもしれませんね。でも、一度覚えてしまえば忘れない印象的な響きですよね。
意味
「糟糠の妻」とは、貧しい時代に苦労を共にし、支え合ってきた妻のことを指します。
もう少し詳しく見ていきましょうね。「糟」とは酒粕のこと、「糠」とは米ぬかのことなんです。どちらも、とても粗末な食べ物ですよね。つまり、酒粕や米ぬかのような粗末な食事しかできない極貧の時代を、一緒に乗り越えてきた妻という意味なんですね。
この言葉には、貧しい時から夫を支えてきた妻への感謝と尊敬の念が込められているんです。成功した後も、苦労を共にした妻を大切にするという、とても美しい夫婦愛の精神が表現されているんですね。
語源と由来
「糟糠の妻」の由来は、中国の歴史書『後漢書』の宋弘伝に記されている、感動的なエピソードから来ているんですよ。
時は後漢の時代、光武帝という皇帝がいました。光武帝の姉である湖陽公主という女性が、宋弘という立派な臣下に好意を抱いていたんですね。光武帝は姉の気持ちを知って、宋弘に「身分が高くなれば、友人も変わるし、富めば妻を替えるものだ」と、暗に妻を離縁して公主を娶るように勧めたんです。
するとその時、宋弘は毅然とした態度でこう答えました。
「貧賤の交わりは忘るべからず、糟糠の妻は堂より下さず」
これは「貧しい時代の友人を忘れてはならないし、貧しい時代を共に過ごした妻を家の表座敷(堂)から降ろすようなことはしない」という意味なんですね。つまり、どんなに出世しても、苦労を共にした妻を捨てることはできないという、強い忠義の心を示した言葉なんです。
光武帝はこの答えを聞いて深く感銘を受け、姉である湖陽公主にも宋弘の意思を伝えて諭したと言われています。このエピソードから、「糟糠の妻は堂より下さず」という故事成語が生まれ、そこから「糟糠の妻」という表現が使われるようになったんですね。
このお話、本当に素敵だと思いませんか?現代にも通じる、夫婦の絆の大切さを教えてくれる物語ですよね。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際にどのように使うのか、具体的な例文で見ていきましょうね。
1:「今の成功があるのも、貧しい時代から支えてくれた糟糠の妻のおかげです」
これは、成功した男性が自分の妻を紹介する際によく使われる表現ですね。
例えば、会社を大きくした経営者の方が、起業当初の苦しい時期を一緒に乗り越えてくれた奥様への感謝の気持ちを表す時に使われることが多いんですよ。結婚式のスピーチや、受賞の際のインタビューなどで、このような表現を聞いたことがあるかもしれませんね。
この使い方には、「妻のサポートなしには今の自分はなかった」という深い感謝の念が込められているんです。
2:「彼は有名になっても糟糠の妻を大切にする立派な人だ」
これは第三者が、誰かの人柄を評価する時に使う表現ですね。
芸能人やスポーツ選手、政治家などが有名になった後も、結婚当初からのパートナーを大切にし続けている様子を見た人が、その人物の人格の高さを称賛する際に使われるんですよ。
きっと皆さんも、成功した後に家族を大切にしている著名人の話を聞いて、好感を持ったことがあるんじゃないでしょうか。まさにそういった状況で使える表現なんですね。
3:「糟糠の妻を忘れて、若い女性と浮気するなんて許せない」
これは少しネガティブな文脈での使用例ですね。
成功した後に、貧しい時代を支えてくれた妻を軽んじる行為を批判する際に使われる表現なんです。いわゆる「成り上がり者」の身勝手な行動を非難する文脈で登場することもあるんですよ。
この使い方からも、「糟糠の妻」という言葉に込められた、妻への尊敬と忠義の精神がいかに大切にされてきたかがわかりますよね。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「糟糠の妻」と似た意味を持つ言葉もいくつかありますので、ご紹介していきますね。
貧賤の交わり
「貧賤の交わり」は、貧しく身分が低い時代に築いた友情や人間関係のことを指します。
実は先ほどご紹介した故事の中にも登場した表現ですよね。宋弘が「貧賤の交わりは忘るべからず」と言ったように、苦しい時代に支え合った関係は忘れてはいけないという教えなんです。
「糟糠の妻」が夫婦関係に特化しているのに対して、「貧賤の交わり」は友人関係全般に使えるという違いがありますね。でも、どちらも「苦しい時を共にした人を大切にする」という共通の精神が流れているんですよ。
糟糠の友
「糟糠の友」は、貧しい時代に苦労を共にした友人のことを指します。
これはまさに「糟糠の妻」の友人版と言えますね。「糟」や「糠」という同じ言葉を使っていることからもわかるように、粗末な食事しかできない貧しい時代を一緒に過ごした友人への敬意と感謝が込められているんです。
ビジネスパートナーや学生時代の親友など、苦しい時期を共に乗り越えた仲間に対して使うことができる表現なんですよ。
内助の功
「内助の功」は、夫の成功を陰で支える妻の功績のことを指します。
この言葉も、妻の献身的なサポートを称える表現ですよね。ただし、「糟糠の妻」が「貧しい時代を共にした」という時間軸を強調しているのに対して、「内助の功」は妻が家庭を守ることで夫の仕事を支えたという役割分担の面を強調しているんですね。
どちらも妻への感謝を表す言葉ですが、ニュアンスには少し違いがあるんです。使い分けができると、より正確に気持ちを伝えられるかもしれませんね。
糟糠の妻は堂より下さず
これは「糟糠の妻」の元になった完全な故事成語なんですね。
「堂」とは家の表座敷のことで、正妻としての地位を象徴しているんです。つまり、「貧しい時代を共にした妻を、正妻の地位から降ろすようなことはしない」という強い決意を表しているんですよ。
現代では「糟糠の妻」と短縮して使うことが多いですが、この完全な形を知っていると、言葉の重みがより深く理解できると思いませんか?
「対義語」は?
次に、「糟糠の妻」とは反対の意味を持つ言葉も見ていきましょうね。
糟糠の妻を下す
これは「糟糠の妻は堂より下さず」の反対の行為、つまり苦労を共にした妻を捨てることを指します。
出世したり裕福になったりした後に、貧しい時代を支えてくれた妻を軽んじて離縁するという、非道な行為を表す表現なんですね。これは道徳的に非難される行為として語られることが多いんですよ。
まさに「糟糠の妻」の精神とは真逆の、恩を忘れた行為と言えますよね。
不義理
「不義理」とは、道義に反する行い、恩を忘れた行為のことを指します。
「糟糠の妻」が忠義や感謝の心を表すのに対して、「不義理」はその正反対なんですね。世話になった人を裏切ったり、恩を仇で返したりする行為を指すんです。
苦労を共にした妻を粗末に扱うことは、まさにこの「不義理」に当たると言えるでしょうね。
恩知らず
「恩知らず」は、受けた恩を忘れて感謝の心を持たない人のことを指します。
これも「糟糠の妻」の精神とは対極にある態度ですよね。貧しい時代に支えてくれた人の恩を忘れて、成功してから冷たくするような人を指す言葉なんです。
私たちも日々の生活の中で、支えてくれる人への感謝を忘れないようにしたいものですね。
「英語」で言うと?
最後に、英語で「糟糠の妻」に近い表現をご紹介しますね。実は直訳できる言葉はないのですが、似た意味合いを持つ表現がいくつかあるんですよ。
a wife who stuck by me through thick and thin(苦楽を共にしてくれた妻)
この表現は、「糟糠の妻」に最も近い英語表現と言えるかもしれませんね。
「through thick and thin」は「良い時も悪い時も、困難な時も順調な時も」という意味の慣用句なんです。「stuck by me」は「私のそばにいてくれた、支え続けてくれた」という意味ですから、合わせて「どんな時も支えてくれた妻」というニュアンスになるんですね。
英語圏の人にも、この表現を使えば「糟糠の妻」の意味が伝わると思いますよ。
a wife who shared my struggles(私の苦労を分かち合った妻)
こちらも苦労を共にした妻という意味を表せる表現ですね。
「shared my struggles」は「私の苦労を共有した」という意味で、とてもシンプルながら、夫婦が共に困難を乗り越えてきたという事実をストレートに表現できるんです。
特にビジネスの場面などで、フォーマルに使いたい時にも適した表現だと思いますよ。
my faithful wife from the beginning(最初から変わらぬ忠実な妻)
この表現は、初めから一貫して支えてくれた妻への忠誠を表すことができます。
「faithful」には「忠実な、誠実な」という意味があって、「from the beginning」で「最初から」という時間軸を示せるんですね。貧しい時代から変わらず支えてくれたという、「糟糠の妻」の時間的な要素も表現できる言い方なんですよ。
英語で「糟糠の妻」の精神を伝えたい時には、これらの表現を組み合わせて使うと、より深いニュアンスまで伝えられるかもしれませんね。
まとめ
「糟糠の妻」についてたくさんお話ししてきましたが、いかがでしたか?
改めて要点をまとめますと、「糟糠の妻」とは貧しい時代に苦労を共にした妻のことで、中国の歴史書『後漢書』に記された宋弘の感動的なエピソードが由来なんでしたね。「糟」は酒粕、「糠」は米ぬかという粗末な食べ物を象徴していて、極貧の時代を共に過ごした妻への深い感謝と尊敬の念が込められているんです。
この言葉には、成功した後も苦労を共にした妻を大切にするという、夫婦の絆を尊ぶ美しい精神が表れているんですね。結婚式のスピーチや人物評価の際に使われることが多く、現代でも多くの人の心に響く言葉として受け継がれているんですよ。
きっと皆さんも、人生のどこかでパートナーと苦労を共にする時期があるかもしれませんね。そんな時、この「糟糠の妻」という言葉の意味を思い出していただけたら、お互いへの感謝の気持ちがより深まるんじゃないでしょうか。
ぜひ適切な場面で、この素敵な言葉を使ってみてくださいね。