
「上には上がある」って聞いたことはあるけど、正確な意味は?と聞かれると迷ってしまいますよね。なんとなく「自分より優れた人がいる」という意味だとわかっても、どんな場面で使うのが適切なのか、語源は何なのか、気になる方も多いかもしれませんね。
実はこのことわざ、私たちが謙虚さを忘れないようにと教えてくれる、とても深い意味を持つ言葉なんですね。ビジネスシーンでも自己啓発の場面でも使える、実用的な表現でもあるんです。
この記事では、「上には上がある」の正しい意味や由来、具体的な使い方を例文とともにご紹介します。さらに類語や対義語、英語ではどう表現するのかまで、網羅的に解説していきますね。読み終わる頃には、自信を持ってこのことわざを使えるようになっているはずですよ。
「上には上がある」を理解するための基礎知識

読み方
「上には上がある」は、「うえにはうえがある」と読みます。特に難しい読み方ではありませんので、そのまま素直に読んでいただければ大丈夫ですよね。
ちなみに、よく「上には上がいる」という表現を耳にすることがあるかもしれませんが、これは実は誤用なんですね。正しくは「上には上がある」という表現が辞書にも掲載されている正式なものなんです。
意味
「上には上がある」は、自分が最高に優れていると思っていても、さらに優れた人や物が存在するという意味を持つことわざです。
つまり、「自分はこの分野でトップだ」「これ以上ない成果を出した」と思っても、世の中は広くて、もっと優れた能力を持つ人や、もっと高い成果を出している人がいるものだよ、という教えなんですね。
このことわざには、いくつかの大切なメッセージが込められています。
- うぬぼれを戒める:自分が一番だと過信することへの警告
- 謙虚さの大切さ:常に謙虚な姿勢を保つことの重要性
- 継続的な努力:現状に満足せず、さらに上を目指すべきという励まし
ちょっと厳しい教えのように聞こえるかもしれませんが、実は私たちの成長を促してくれる、ポジティブな意味も持っているんですよね。
語源と由来
「上には上がある」の語源は、広い世の中には必ず自分より優れたものがあるという認識から生まれたとされています。
このことわざの初出例として知られているのが、太宰治さんの1946年の作品なんですね。もちろん、それ以前から似たような考え方は存在していたはずですが、文献として確認できるのはこの時期からなんです。
日本は昔から「謙虚さ」を美徳とする文化がありますよね。武道でも茶道でも、どんなに熟練しても「まだまだ学ぶことがある」という姿勢が重んじられてきました。このことわざも、そうした日本の精神性を反映していると言えるかもしれませんね。
また、昔は情報が限られていた時代でも、旅をしたり他の地域の人と交流したりすることで、「自分の村では一番でも、隣の村にはもっとすごい人がいた」という経験をすることがあったはずです。そんな経験から生まれた、実感のこもった教えなのかもしれません。
「使い方」がわかる「例文」3選

ここからは、「上には上がある」を実際にどのように使うのか、具体的な例文を見ていきましょう。日常会話からビジネスシーンまで、さまざまな場面で活用できますよ。
1:「地区大会で優勝したけど、全国大会に行ったら上には上があると痛感したよ」
この例文は、スポーツや競技の場面での使い方ですね。地区レベルでは一番だったのに、より広い範囲で競争すると自分より優れた選手がたくさんいた、という状況を表しています。
この使い方には、単なる敗北の報告だけでなく、「もっと頑張らないといけない」という前向きな気持ちも込められていることが多いんですね。失敗や挫折を経験したときに、それを糧にして成長しようとする姿勢が感じられる表現なんです。
学生さんなら部活動やコンクール、社会人さんなら資格試験やプレゼンテーションなど、さまざまな場面でこうした経験があるかもしれませんよね。
2:「今月の営業成績トップだったけど、他の支店の記録を見たら上には上があるね」
この例文は、ビジネスシーンでの使い方です。自分の所属する部署や支店では最高の成績を出したものの、会社全体で見ればもっと優れた成績を出している人がいた、という状況ですね。
職場でこのことわざを使うと、自慢にならず、かつ向上心を示すことができるんです。「自分はまだまだだ」という謙虚さと、「もっと上を目指したい」という意欲の両方を伝えられる、とても便利な表現なんですよね。
上司や同僚との会話で使えば、好印象を持ってもらえることも多いかもしれません。
3:「ギネス記録を更新したと思ったら、すぐに別の人に塗り替えられた。まさに上には上があるだね」
この例文は、世界レベルでの記録更新という、非常にハイレベルな状況での使い方です。最高峰だと思われた記録でさえ、さらに上を行く人が現れる、という人間の可能性の素晴らしさを表現していますね。
この使い方には、記録の儚さや、人間の限界への挑戦といったテーマが含まれています。オリンピックや世界選手権などのニュースを見ているときに、こんな風に感じることもあるのではないでしょうか。
また、この表現には少し客観的な視点も入っていて、自分自身のことではなく、第三者の状況について語るときにも使えるんですね。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「上には上がある」と似た意味を持つことわざは、実はたくさんあるんですね。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。それぞれ微妙にニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けられるといいですよね。
上を見れば切りがない
「上を見れば切りがない」は、上を見ようと思えばいくらでも上の存在があり、終わりがないという意味のことわざです。
「上には上がある」とよく似ていますが、こちらは特に「欲望や向上心にはきりがない」というニュアンスが強いんですね。必ずしもネガティブな意味ではなく、「今の自分に満足することも大切だよ」という教訓として使われることもあります。
例えば、「年収が上がっても上を見れば切りがないから、今の生活に感謝しよう」といった使い方ができますね。謙虚さを促すという点では似ていますが、「満足することも必要」という視点が加わっている表現なんです。
上に上あり下に下あり
「上に上あり下に下あり」は、自分より優れた人もいれば、劣った人もいるという意味のことわざです。
これは「上には上がある」をさらに広げた表現と言えるかもしれませんね。上だけでなく下も見ることで、自分の立ち位置を客観的に把握しようという教えが込められています。
「自分より上の人と比べて落ち込むのではなく、自分より下の人もいることを忘れずに、バランスの取れた視点を持とう」というメッセージですね。自己評価が極端になりがちな人には、特に役立つ考え方かもしれません。
上を見れば方図がない
「上を見れば方図(ほうず)がない」は、上を見ようとすれば限度がなく、きりがないという意味のことわざです。
「方図」とは限度や見当のことで、やや古い言い回しですが、意味は「上を見れば切りがない」とほぼ同じなんですね。こちらも欲望や向上心の際限なさを表現していて、現状に満足することの大切さを教えてくれる言葉です。
使う頻度は少ないかもしれませんが、知っておくと文学作品などを読むときに役立ちますよ。
井の中の蛙大海を知らず
「井の中の蛙大海を知らず」は、狭い世界にいる者は、広い世界のことを知らないという意味のことわざです。
これは少し視点が違って、「上には上がある」が謙虚さを促すのに対し、こちらは視野の狭さを戒める表現なんですね。井戸の中のカエルは井戸が世界のすべてだと思っているけど、実は広い海があることを知らない、という比喩です。
自分の経験や知識が限られていることを自覚して、もっと広い世界を見るべきだという教訓ですね。「上には上がある」と組み合わせて使うと、より説得力のある主張ができるかもしれません。
「対義語」は?
「上には上がある」の対義語は、自分が最高であるとか、これ以上ないという状態を表す表現になりますね。ここではいくつかご紹介します。
天下無双
「天下無双(てんかむそう)」は、天下に並ぶ者がいないほど優れているという意味の四字熟語です。
「上には上がある」が謙虚さを促すのに対して、「天下無双」は他に類を見ないほど優れている状態を表します。誰も自分を超えられない、まさに頂点にいるという意味ですから、完全に対義の関係にありますよね。
ただし、この言葉は自分に使うと傲慢に聞こえるので、歴史上の偉人や他者を褒めるときに使われることが多いんです。「宮本武蔵は天下無双の剣豪だった」といった使い方ですね。
唯我独尊
「唯我独尊(ゆいがどくそん)」は、この世で自分だけが尊いという意味の四字熟語です。
もともとは仏教用語で、お釈迦様が生まれたときに言ったとされる言葉なんですね。本来の意味は「すべての人間に尊い価値がある」という教えなのですが、現代では自分だけが偉いと思い上がっているというネガティブな意味で使われることが多いんです。
「上には上がある」が戒めている「うぬぼれ」や「過信」を象徴する表現と言えるかもしれませんね。
我が世の春
「我が世の春(わがよのはる)」は、自分にとって最高に幸せで栄える時期という意味のことわざです。
これは頂点に立っている状態、何もかもうまくいっている状態を表す表現ですね。「上には上がある」が「まだ上がいるよ」と教えるのに対し、「我が世の春」は「今が最高の時だ」という満足感を表しています。
「彼は出世して我が世の春を謳歌している」といった使い方ができますが、ちょっと皮肉な意味合いで使われることもあるんですよ。つまり、「調子に乗っているね」というニュアンスも含まれる場合があるということですね。
「英語」で言うと?
日本のことわざ「上には上がある」と同じような意味を持つ英語表現もあるんですよ。グローバルな場面で使えるように、いくつかご紹介しますね。
There is always someone better than you.(あなたよりも優れた人が常にいる)
これは「上には上がある」を最も直訳に近い形で表現した英語ですね。
"always"(常に)という言葉を使うことで、「どんなに優れていても、必ずもっと上がいる」という教訓をしっかり伝えています。この表現は、謙虚さを保つことの大切さを英語圏の人にも理解してもらいやすい言い方なんですね。
ビジネスの場面でも自己啓発の文脈でも使える、万能な表現と言えるかもしれません。"You should remember that there is always someone better than you"(あなたより優れた人が常にいることを忘れるべきではない)といった形で使えますよ。
There is always someone above you.(あなたの上には常に誰かがいる)
これも「上には上がある」のニュアンスをよく表現している英語表現です。
"above"(上に)という前置詞を使うことで、階層や順位の上下関係をはっきりと示しているんですね。組織やランキングなど、明確な序列がある状況で使いやすい表現かもしれません。
「どんなに高い地位についても、さらに上の存在がある」という意味合いが強いので、キャリアや社会的な成功について語るときに適していますよ。
There's always a bigger fish.(常にもっと大きな魚がいる)
これは英語圏でよく使われる慣用表現で、「上には上がある」と同じ意味を持つ面白い言い回しなんですね。
直訳すると「常にもっと大きな魚がいる」となりますが、これは海の中の食物連鎖を比喩にしています。どんなに大きな魚でも、それを食べるさらに大きな魚がいる、という自然界の摂理から生まれた表現なんです。
映画『スター・ウォーズ』のセリフでも使われたことがあり、英語圏では広く知られている表現ですよ。カジュアルな会話でも使いやすいので、覚えておくと便利かもしれませんね。
まとめ
ここまで、「上には上がある」ということわざについて、詳しく見てきましたね。最後に大切なポイントをおさらいしましょう。
「上には上がある」は、自分がどんなに優れていると思っても、さらに上の存在があるという意味のことわざです。正しい表現は「上には上がある」で、「いる」ではないという点も覚えておきたいですよね。
このことわざは、単なる敗北や挫折を表すだけでなく、以下のような大切な教訓を私たちに与えてくれるんです。
- うぬぼれや過信を戒める
- 常に謙虚な姿勢を保つことの大切さ
- 現状に満足せず、さらなる成長を目指すべきという励まし
日常生活でもビジネスシーンでも、成功体験があったときこそこのことわざを思い出すといいかもしれませんね。「今回は良い結果が出たけど、上には上がある。もっと頑張ろう」という気持ちを持つことで、継続的な成長につながるはずです。
また、類語として「上を見れば切りがない」「上に上あり下に下あり」なども知っておくと、状況に応じて使い分けられて便利ですよ。英語では"There is always someone better than you"や"There's always a bigger fish"といった表現があることも、国際的な場面で役立つかもしれません。
このことわざを心に留めて、謙虚さを忘れずに、でも前向きに成長を続けていく。そんな姿勢を大切にしたいものですよね。ぜひ日常会話や仕事の場面で、このことわざを使ってみてくださいね。