
「猫の手も借りたい」って、よく耳にすることわざですよね。年末の師走の時期や、仕事が立て込んでいる時などに使われるのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。でも、いざ「正確にどういう意味なの?」と聞かれると、ちょっと迷ってしまうかもしれませんね。
実はこのことわざ、単に「忙しい」という意味だけではなく、もっと深いニュアンスが込められているんですね。この記事では、「猫の手も借りたい」の意味から由来、実際の使い方の例文、さらには類語や対義語、英語表現まで、わかりやすく解説していきますね。読み終わる頃には、自信を持ってこのことわざを使えるようになっているはずですよ。
「猫の手も借りたい」を理解するための基礎知識

読み方
「猫の手も借りたい」は、「ねこのてもかりたい」と読みます。
特に読み間違いやすい部分はありませんが、「借りたい」の部分を「かしたい」と読まないよう注意してくださいね。「借りたい」は自分が何かを借りる時に使う表現で、こちらが手を借りたいという意味になるんですね。
意味
「猫の手も借りたい」は、非常に忙しくて人手が足りず、どんな小さな手伝いでも欲しいと思うほど困っている状態を表すことわざなんですね。
このことわざの面白いところは、猫という動物が選ばれている点ですよね。猫の手は人間の手と違って、細かい作業や力仕事には向いていません。むしろ、手伝いとしてはあまり役に立たないイメージがありますよね。それなのに、「そんな猫の手ですら借りたいほど忙しい」という極端な表現をすることで、忙しさの程度を強調しているんですね。
つまり、普段なら役に立たないと思われるものでさえ欲しくなるくらい、本当に人手不足で困っているという気持ちが込められているわけなんです。
語源と由来
「猫の手も借りたい」の由来は、江戸時代中期にまでさかのぼるとされています。
このことわざが初めて登場したのは、近松門左衛門が書いた浄瑠璃『関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)』だと言われているんですね。近松門左衛門さんといえば、江戸時代を代表する劇作家として知られていますよね。
では、なぜ「犬」でも「鳥」でもなく、「猫」だったのでしょうか。これにはちゃんと理由があるんですよ。
江戸時代の人々にとって、猫はネズミ捕り以外にはあまり役に立たない存在として認識されていました。犬は人間に従順で、番犬として働いたり、狩りの手伝いをしたりと協力的なイメージがありますよね。それに対して猫は、自由気ままで人間の言うことを聞かず、協力的ではないというイメージがあったんですね。
つまり、「普段は役に立たない猫の手すら借りたくなるほど」という対比を作ることで、忙しさの深刻さをより効果的に表現できたわけなんです。現代でも猫のマイペースな性格は変わりませんから、このことわざの説得力は今も昔も変わらないのかもしれませんね。
「使い方」がわかる「例文」3選

それでは、実際に「猫の手も借りたい」をどのように使うのか、具体的な例文を見ていきましょう。シチュエーションごとに紹介しますので、使い方のイメージがつかめるはずですよ。
1:「納期が迫っているのに人手不足で、本当に猫の手も借りたいよ」
これは仕事の現場でよく使われる例文ですね。
プロジェクトの締め切りが近づいているのに、メンバーが足りなくて大変な状況を表しているんですね。こういう時って、本当に誰か手伝ってくれないかなって思いますよね。
この例文のポイントは、独り言のように使っているところなんです。実は「猫の手も借りたい」は、誰かに直接「手伝って」とお願いする時には使わない方がいいんですよ。なぜなら、相手を「役に立たない猫」に例えることになってしまい、失礼にあたるからなんですね。
ですから、このように自分の状況を嘆く独り言として使ったり、後から振り返って「あの時は猫の手も借りたいくらい忙しかった」と過去形で使ったりするのが適切なんです。
2:「文化祭の準備で猫の手も借りたいほど忙しかった」
こちらは学生生活でのシーンですね。
文化祭やイベントの準備って、やることがたくさんあって大変ですよね。装飾を作ったり、出し物の練習をしたり、当日の役割分担を決めたりと、本当にてんてこ舞いになることが多いものです。
この例文では過去形で使っているのがポイントなんですね。終わった出来事を振り返って「あの時は大変だったなあ」という気持ちを表現しているわけです。このように過去の忙しさを表現する時には、安心して使うことができますよ。
また、友達との会話の中で「あの時は猫の手も借りたいくらいだったよね」と共感を求める形で使うのも自然な使い方ですね。
3:「年末の繁忙期は、猫の手も借りたいくらいお客さんが来る」
これは商売をされている方がよく使う表現かもしれませんね。
年末年始や、お店の繁忙期には、本当にお客さんが次から次へと来店されて、スタッフさんたちは大忙しですよね。レジ対応、商品の補充、お客様への接客と、やることが山積みになる状況を表しているんですね。
この例文では、「猫の手も借りたいくらい」という形で比喩的に使っているのが特徴です。実際の忙しさの程度を強調するために、こういう表現をすることで、聞き手に状況の大変さが伝わりやすくなるんですよ。
特に師走の時期は、このことわざが使われる頻度が高くなりますよね。きっと皆さんも耳にする機会が多いのではないでしょうか。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「猫の手も借りたい」と似たような意味を持つことわざや表現は、実はたくさんあるんですね。それぞれ微妙にニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けられるようになると、表現の幅が広がりますよ。
てんてこ舞い
「てんてこ舞い」は、忙しくて走り回っている様子を表す慣用句なんですね。
「猫の手も借りたい」が「人手が足りない」という側面を強調しているのに対して、「てんてこ舞い」は自分自身が忙しく動き回っている状態に焦点を当てているんですよ。
例えば「朝から晩までてんてこ舞いだった」というように使います。忙しさの視点が少し違うんですね。「猫の手も借りたい」は「誰か助けて」という気持ちが強いのに対し、「てんてこ舞い」は実際に忙しく動いている様子そのものを描写している感じがしますよね。
盆と正月が一緒に来たよう
「盆と正月が一緒に来たよう」は、非常に忙しい状態や、良いことが重なった状態を表すことわざなんですね。
お盆と正月は、それぞれ一年で最も忙しい時期の代表格ですよね。その二つが同時に来たら…と想像すると、確かに大変なことになりそうです。
「猫の手も借りたい」と比べると、このことわざは忙しさだけでなく、喜ばしいことが重なった場合にも使えるという点が違うんですよ。例えば「昇進と結婚が同時に決まって、盆と正月が一緒に来たようだ」というポジティブな使い方もできるんですね。
犬の手も人の手にしたい
「犬の手も人の手にしたい」は、「猫の手も借りたい」のバリエーションとも言えることわざなんですね。
犬も猫と同様に、人間のような細かい作業はできませんよね。でも犬は猫より協力的なイメージがあるため、「協力的な犬でさえも人間の手として使いたいほど忙しい」というニュアンスになるんですよ。
「猫の手も借りたい」の方が一般的によく使われますが、地域やシチュエーションによっては「犬の手も」という表現を耳にすることもあるかもしれませんね。基本的な意味は同じですが、犬を使うことで少し表現のバリエーションが生まれるわけです。
手が足りない
「手が足りない」は、ことわざというよりも日常的な表現ですが、「猫の手も借りたい」を直接的に言い換えた言葉と言えますね。
「今日は手が足りなくて大変だった」というように、シンプルに人手不足の状態を伝えることができます。「猫の手も借りたい」が比喩的で文学的な表現なのに対し、「手が足りない」は事実をストレートに伝える表現ですね。
ビジネスシーンなどでは、あまりくだけた表現を使いたくない時に「人手が足りない」「手が足りない」という言い方をする方が適切な場合もありますよ。
「対義語」は?
「猫の手も借りたい」の反対の意味を持つことわざや表現も知っておくと、状況に応じた表現ができるようになりますよね。忙しさの対極にある「暇」や「余裕がある」状態を表す表現を見ていきましょう。
手持ち無沙汰
「手持ち無沙汰(てもちぶさた)」は、することがなくて手を持て余している状態を表す言葉なんですね。
「猫の手も借りたい」が「やることが多すぎて人手が足りない」状態なのに対して、「手持ち無沙汰」は「やることがなくて暇」という正反対の状態を表しているわけです。
例えば「待ち時間が長くて手持ち無沙汰だった」というように使いますね。忙しさとは無縁の、むしろ時間を持て余している様子が伝わってきますよね。仕事が暇な時に「今日は手持ち無沙汰だなあ」なんて感じることもあるかもしれませんね。
手が余る
「手が余る」は、人手が余っている状態や、やることが少なすぎて困っている様子を表す表現なんですね。
「猫の手も借りたい」が「手が足りない」状態なら、「手が余る」はその対極で「手が余っている」状態ですよね。人員が多すぎたり、仕事量が少なすぎたりして、かえって持て余してしまう状況を指すんですよ。
「今日は予想より来客が少なくて、スタッフの手が余ってしまった」というような使い方をします。忙しすぎるのも大変ですが、暇すぎるのも困りものですよね。
暇を持て余す
「暇を持て余す(ひまをもてあます)」は、時間が有り余っていて、することがない状態を表す慣用句なんですね。
「猫の手も借りたい」が時間が足りないほど忙しい状態なら、「暇を持て余す」は時間がありすぎて困っている状態ですよね。まさに対極の表現と言えるでしょう。
「休日に暇を持て余している」「退職後に暇を持て余す人も多い」というように使います。忙しい時には「暇な時間が欲しい」と思うものですが、実際に暇になると持て余してしまうというのも、人間の面白いところかもしれませんね。
「英語」で言うと?
「猫の手も借りたい」を英語で表現したい時、どのように言えばいいのでしょうか。日本語のことわざをそのまま直訳しても伝わらないことが多いので、同じような意味を持つ英語表現を知っておくと便利ですよね。
I'll take all the help I can get(もらえる助けは全部もらいたい)
この表現は、「どんな助けでも欲しい」という意味で、「猫の手も借りたい」に最も近いニュアンスを持つ英語表現なんですね。
直訳すると「手に入る助けは全部受け取る」という意味になります。「猫の手でも」という比喩はありませんが、どんな小さな手助けでも歓迎するという気持ちがよく表れているんですよ。
例えば、友達が「手伝おうか?」と声をかけてくれた時に、"I'll take all the help I can get!"と答えれば、「どんな助けでもありがたい!」という気持ちが伝わりますね。ビジネスシーンでも使える便利な表現ですよ。
I'm desperate for any help(どんな助けにも必死だ)
「desperate」は「必死の」「切羽詰まった」という意味の単語なんですね。
この表現は、かなり切迫した状況で、本当に助けが必要だという強い気持ちを表しているんですよ。「猫の手も借りたい」の「どんなものでも」というニュアンスと、「本当に困っている」という切実さの両方が込められているわけですね。
"I'm desperate for any help right now."と言えば、「今すぐにでもどんな助けでも欲しい」という気持ちが伝わります。ただし、「desperate」は少し強い表現なので、使う場面には気をつけた方がいいかもしれませんね。
I'm extremely busy(極めて忙しい)
これは最もシンプルで直接的な表現ですね。
「extremely busy」で「非常に忙しい」という意味になります。「猫の手も借りたい」ほどの比喩的な面白さはありませんが、状況を端的に伝えることができるんですよ。
"I'm extremely busy these days and could use some help."と言えば、「最近とても忙しくて、助けが欲しい」という意味になりますね。ビジネスメールなどフォーマルな場面でも使いやすい表現ですよ。
また、「up to my neck in work(仕事で首まで浸かっている)」という比喩的な表現もあって、これも忙しさを生き生きと伝えることができる面白い表現なんですね。英語にも日本語と同じように、状況を視覚的に表す表現があるのは興味深いですよね。
まとめ
「猫の手も借りたい」ということわざについて、詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
改めて整理すると、このことわざは「非常に忙しくて人手が足りず、普段は役に立たない猫の手でさえ借りたいほど困っている状態」を表すんですね。江戸時代の近松門左衛門さんの浄瑠璃から生まれたとされ、猫がネズミ捕り以外には役立たない存在として例えられていたという歴史的背景も面白いですよね。
使い方のポイントとしては、誰かに直接お願いする時には使わないということが大切でしたね。独り言として使ったり、過去の忙しかった出来事を振り返る時に使ったりするのが適切な使い方なんです。
また、「てんてこ舞い」「盆と正月が一緒に来たよう」などの類語や、「手持ち無沙汰」「暇を持て余す」などの対義語を知っておくと、状況に応じた表現の幅が広がりますよね。
年末の忙しい時期や、仕事が立て込んでいる時など、きっと使う機会があるはずですよ。ぜひ日常会話の中で、このことわざを使ってみてくださいね。ただし、相手に失礼にならないよう、使い方には気をつけてくださいね。