
「縁の下の力持ち」って、よく耳にすることわざですよね。誰かを褒めるときに使われることが多いですが、正確にはどんな意味なのか、どういう場面で使うのが適切なのか、ちょっと迷ってしまうこともあるかもしれません。
また、このことわざの由来や歴史的な背景を知ると、もっと深く理解できて、自然な使い方ができるようになるんですね。
この記事では、「縁の下の力持ち」の意味や由来、実際の使い方を示す例文、さらには類語や対義語、英語での表現まで、網羅的にご紹介していきます。読み終わる頃には、きっとこのことわざを自信を持って使えるようになりますよ。
「縁の下の力持ち」を理解するための基礎知識

まずは、「縁の下の力持ち」ということわざの基本的な情報から見ていきましょう。読み方や正確な意味、そしてどのようにして生まれたのかを知ることで、より深く理解できるんですね。
読み方
「縁の下の力持ち」は、「えんのしたのちからもち」と読みます。
「縁(えん)」という漢字は、建物の外周部分に張り出した床のことを指しているんですね。現代では「縁側」という言葉でよく使われますよね。この読み方を間違える方は少ないかもしれませんが、ことわざ全体として覚えておくと、自然に使えるようになりますよ。
意味
「縁の下の力持ち」とは、見えないところで人を支え、陰ながら苦労している人のことを指す言葉です。
現代では、脚光を浴びることはないけれど、影で重要な役割を果たしている人を意味することわざとして使われていますね。表舞台に立つことなく、人目につかないところで人を支えることを表現する言葉なんです。
たとえば、学校の文化祭で華やかなステージに立つ人たちの裏で、会場設営や音響、照明などを担当してくれる人たちがいますよね。そういった方々こそが「縁の下の力持ち」と呼べる存在なんですね。
面白いことに、このことわざの意味は時代とともに変化してきたんです。実は、明治や大正の時代までは、他人のために苦労して報われない行為や人を指す、どちらかというと否定的な言葉だったんですね。
でも現在では、そのような否定的な意味合いはなくなり、もっぱら称賛する意味で使われています。これって、社会の価値観の変化を反映しているのかもしれませんね。
語源と由来
「縁の下の力持ち」の由来には、大阪の四天王寺にまつわる説があります。
この由来は、四天王寺の経供養という法要で披露された「椽(えん)の下の舞」から来ているとされているんですね。「椽」というのは「縁」と同じ意味で、建物の床の張り出し部分のことを指します。
この法要の特徴は、舞が舞台上ではなく、誰にも見られない庭で非公開に演じられたことにあるんです。つまり、誰も見ていないところで、丁寧に舞を披露していたということなんですね。
このことから、陰ながら努力することや、人に見られなくても真摯に取り組む姿勢を表す言葉として、「縁の下の力持ち」が使われるようになったと言われています。
また、このことわざは「京都いろはかるた」の「え」の一句としても用いられているんですよ。いろはかるたは江戸時代から親しまれている遊びで、そこに採用されているということは、昔から人々の間で大切にされてきた教訓だということがわかりますよね。
実際の建物の構造を考えてみると、縁の下というのは家の基礎を支える重要な部分です。目には見えないけれど、建物全体を支えている大切な場所なんですね。この物理的なイメージが、人間関係や組織における役割の比喩として、とてもぴったりだと思いませんか?
「使い方」がわかる「例文」3選

では、実際に「縁の下の力持ち」がどのように使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。シチュエーションごとに使い方を知ると、自然に使えるようになりますよ。
1:「彼女は部活のマネージャーとして、いつも縁の下の力持ちとして選手たちを支えている」
この例文は、学校の部活動という場面での使い方ですね。
部活動では、試合や大会で活躍する選手たちがどうしても注目されがちですよね。でも実際には、マネージャーさんたちが練習のスケジュール管理をしたり、ドリンクやタオルの準備をしたり、試合の記録をつけたりと、たくさんのサポートをしてくれているんです。
こういった目立たないけれど重要な役割を果たしている人に対して使うのが、このことわざの典型的な使い方なんですね。表彰台に立つことはないけれど、その人がいなければチームは成り立たない、そんな存在を表現できますよ。
2:「今回のプロジェクトの成功は、営業部だけでなく、縁の下の力持ちとして働いてくれた総務部のおかげでもある」
この例文は、ビジネスシーンでの使い方を示していますね。
会社でプロジェクトが成功したとき、お客様と直接やり取りする営業部門や、製品を開発する技術部門が評価されることが多いかもしれません。でも実際には、経理処理や事務手続き、資料作成などを担当する間接部門の働きがあってこそ、プロジェクトがスムーズに進むんですよね。
このように、直接的には成果が見えにくいけれど、組織全体を支えている部門や人を評価する際に、「縁の下の力持ち」という表現がぴったりなんです。
職場でこういった表現を使うことで、普段あまり注目されない部門の人たちにも感謝の気持ちを伝えることができますよね。
3:「あの舞台の成功は、舞台監督や照明・音響スタッフなど、縁の下の力持ちの皆さんの努力があったからこそだ」
この例文は、エンターテイメント業界での使い方ですね。
演劇やコンサートでは、ステージ上の出演者に観客の拍手が集まります。でも、その裏では舞台装置を動かしたり、照明や音響を調整したり、衣装を管理したりする、たくさんのスタッフさんたちが働いているんですね。
こういった裏方の仕事をする人たちこそ、まさに「縁の下の力持ち」と呼べる存在です。カーテンコールで名前が呼ばれることは少ないかもしれませんが、その人たちの技術と努力がなければ、素晴らしい舞台は成立しないんですよね。
このように、「縁の下の力持ち」は称賛や感謝の気持ちを込めて使うことが大切なんです。誰かの貢献を認め、その価値を言葉にして伝えることができる、素敵な表現だと思いませんか?
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
「縁の下の力持ち」と似た意味を持つことわざや表現は、他にもいくつかあります。それぞれ微妙にニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けると、より豊かな表現ができますよ。
陰の立役者
「陰の立役者」(かげのたてやくしゃ)は、表に出ることなく、物事の成功に大きく貢献した人を指す言葉です。
「縁の下の力持ち」と非常に近い意味を持っていますが、「立役者」という言葉からわかるように、より積極的に重要な役割を果たしたニュアンスがあるんですね。
たとえば、「今回の新商品開発の陰の立役者は、マーケティング部の田中さんだった」というように使います。裏方ではあるけれど、その貢献度が特に大きかった場合に適した表現ですよ。
黒子
「黒子」(くろこ)は、もともと歌舞伎や人形浄瑠璃で、舞台上にいながら観客からは「いないもの」として扱われる裏方のことを指します。
現代では、表に出ずにサポートする人という意味で広く使われていますね。「彼はチームの黒子として働いている」というように表現します。
「縁の下の力持ち」との違いは、「黒子」の方がより「見えない存在」としての性質を強調している点かもしれません。また、やや現代的でカジュアルな印象の言葉ですね。
内助の功
「内助の功」(ないじょのこう)は、家庭内で配偶者を支えることによる貢献を指す言葉です。
特に伝統的には、夫の社会的な成功を妻が家庭で支えることを表現する際に使われてきました。「彼の出世は、妻の内助の功によるものだ」というような使い方ですね。
「縁の下の力持ち」との違いは、家庭内や夫婦関係に限定された表現である点です。職場や組織全般には使えないので、使用場面が限られていますよ。ただし、最近では性別に関係なく、パートナーを支える人に対して使われることもありますね。
名脇役
「名脇役」(めいわきやく)は、もともとは演劇や映画で主役を支える優れた役者を指す言葉です。
現代では、主役ではないけれど重要な役割を果たす人という意味で、様々な場面で使われていますね。「彼はチームの名脇役として欠かせない存在だ」というように表現できます。
「縁の下の力持ち」との違いは、「名脇役」はある程度は表に出ている存在を指すことが多い点です。完全に裏方というよりは、主役ほどではないけれど目に見える形で活躍している人、というニュアンスがありますよ。
「対義語」は?
「縁の下の力持ち」の反対の意味を持つ言葉も見ていきましょう。対義語を知ることで、このことわざの意味がより明確になりますよね。
表舞台に立つ
「表舞台に立つ」は、人前に出て活躍する、注目される立場にいることを意味します。
「縁の下の力持ち」が裏方として見えないところで働くことを表すのに対して、「表舞台に立つ」は前面に出て活躍する様子を表現しているんですね。
たとえば、「今回のプレゼンテーションで表舞台に立つのは営業部長だ」というように使います。視覚的にも、舞台の「表」と「縁の下」という対比が明確で、わかりやすい対義語と言えますよね。
花形
「花形」(はながた)は、最も目立つ存在や、人気のある役割、華やかな仕事を指す言葉です。
「花形選手」「花形部署」というように使われ、注目を集める立場にいる人や役割を表現しますね。
「縁の下の力持ち」が地味で目立たない役割を指すのに対して、「花形」は華やかで人々の注目を集める役割を意味しています。スポーツチームで言えば、エースストライカーやスター選手が「花形」で、マネージャーや用具係が「縁の下の力持ち」というイメージですね。
主役
「主役」(しゅやく)は、中心となって活躍する人、最も重要な役割を担う人を指します。
演劇や映画の主演者から転じて、あらゆる場面で中心的な存在や最も注目される立場の人を表現する際に使われますね。「今回のプロジェクトの主役は開発チームだ」というような使い方です。
「縁の下の力持ち」が脇役や裏方を指すのに対して、「主役」は文字通り最も重要で目立つ立場を表しています。ただし、どちらも組織や集団にとって必要不可欠な存在であることは変わりませんよね。主役がいても縁の下の力持ちがいなければ成功しない、というのが実際のところかもしれません。
「英語」で言うと?
「縁の下の力持ち」のような概念は、日本だけでなく海外にも存在するんですね。英語での表現を知っておくと、国際的な場面でも同じような気持ちを伝えることができますよ。
unsung hero(称賛されないヒーロー)
"unsung hero"は、「縁の下の力持ち」に最も近い英語表現の一つです。
"unsung"は「歌われない」「称えられない」という意味で、"hero"は「英雄」ですから、直訳すると「称賛されないヒーロー」「知られざる英雄」となりますね。
表舞台に出ることなく、認識されることも少ないけれど、重要な貢献をしている人を指す表現なんです。たとえば、"The maintenance staff are the unsung heroes of this hospital."(メンテナンススタッフは、この病院の縁の下の力持ちだ)というように使えますよ。
この表現はややフォーマルで、その人の貢献を敬意を持って認めるニュアンスがあるんですね。
behind-the-scenes worker(舞台裏の働き手)
"behind-the-scenes worker"は、文字通り「舞台裏で働く人」という意味です。
"behind the scenes"は「舞台裏で」「表に出ないところで」という意味の慣用表現で、これに"worker"(働く人)をつけた形ですね。目に見えないところで努力している人を表現できる、わかりやすい言い方です。
たとえば、"She's a behind-the-scenes worker who keeps everything running smoothly."(彼女はすべてを円滑に進める縁の下の力持ちだ)というように使います。
この表現は"unsung hero"よりもカジュアルで、日常会話でも使いやすい印象ですよ。
backbone(背骨)
"backbone"は、もともと「背骨」という意味ですが、比喩的に「中心的な支え」「要となるもの」という意味で使われます。
人体において背骨が身体全体を支えているように、組織や集団を根底から支えている重要な存在を表現する際に使われるんですね。
たとえば、"Administrative staff are the backbone of this organization."(事務スタッフはこの組織の縁の下の力持ちだ)というように使えます。
この表現は、「支える」という機能を特に強調していて、その人がいなければ組織が成り立たないという重要性を伝えることができますよ。日本語の「縁の下」が家を支える基礎部分を指すのと似た発想ですよね。
まとめ
ここまで「縁の下の力持ち」について詳しく見てきましたが、いかがでしたか?
「縁の下の力持ち」は、見えないところで人を支え、陰ながら重要な役割を果たしている人を称賛する言葉なんですね。四天王寺の法要に由来するこのことわざは、時代とともに意味が変化し、現代では肯定的な評価として使われています。
日常生活でも職場でも、私たちの周りには多くの「縁の下の力持ち」がいますよね。その存在に気づき、感謝の気持ちを伝えることはとても大切なことだと思います。
このことわざを使うときは、心からの敬意を込めて使うことがポイントですよ。「あなたの努力を見ていますよ」「あなたの貢献を評価していますよ」というメッセージを、この美しい日本語表現で伝えることができるんですね。
ぜひ、身近な「縁の下の力持ち」に感謝を伝える際に、このことわざを使ってみてください。きっと、その人の顔が明るくなるはずですよ。