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「背水の陣」の意味・由来・例文を徹底解説!使い方もわかる

「背水の陣」の意味・由来・例文を徹底解説!使い方もわかる

「背水の陣」ということわざ、聞いたことはありますよね。でも、「正確な意味は?」と聞かれると、ちょっと迷ってしまうかもしれませんね。スポーツの試合や仕事の場面で使われているのを見かけるけれど、本当の由来や正しい使い方まで知っている人は意外と少ないんですね。

この記事では、「背水の陣」の意味や歴史的な由来、実際の使い方を示す例文、さらには類語や対義語、英語表現まで、わかりやすく解説していきますね。読み終わる頃には、あなたも自信を持ってこのことわざを使えるようになっているはずですよ。

「背水の陣」を理解するための基礎知識

「背水の陣」を理解するための基礎知識

読み方

「背水の陣」は、「はいすいのじん」と読みます。

「背」を「せ」と読んでしまいそうになるかもしれませんが、この四字熟語では「はい」と読むんですね。また、「陣」を「じん」ではなく「ちん」と読み間違える方もいらっしゃるかもしれませんが、正しくは「じん」ですよ。

意味

「背水の陣」とは、退路を断って、逃げ場をなくした状態で必死の覚悟で物事に取り組むことを意味する四字熟語なんですね。

文字通りに解釈すると、「背後に水がある陣形」ということになりますよね。つまり、後ろに川や海があって逃げ場がない状況で戦いを挑むという意味なんです。

現代では、戦いに限らず、仕事やスポーツ、受験など、さまざまな場面で「後がない状況で全力を尽くす」という意味で使われていますよね。追い詰められた状況だからこそ、人は本来の力以上のものを発揮できる、という心理的な効果を表現している言葉でもあるんですね。

語源と由来

「背水の陣」の由来は、紀元前204年頃に起こった中国の「井陘の戦い」という歴史的な戦いにさかのぼります

この戦いは、楚漢戦争という大きな争いの中の一場面でした。楚漢戦争とは、秦の滅亡後に中国の覇権をめぐって劉邦さんと項羽さんが争った戦いのことなんですね。この戦いの結果、劉邦さんが勝利して漢王朝を建国することになったんです。

「背水の陣」の主人公は、劉邦さんの部下だった韓信という将軍です。韓信さんは、井陘口という場所で趙軍と対峙することになったんですね。

このとき、韓信さんが率いていた漢軍はわずか1万の兵力でした。一方、敵の趙軍はなんと20万もの大軍だったと言われているんですね。普通に考えたら、勝ち目がない戦いですよね。

ここで韓信さんが取った戦略が驚くべきものでした。わざと川を背にして陣を敷いたんです。兵法の常識では、川を背にして陣を張るのは絶対にやってはいけないこととされていました。なぜなら、負けたときに逃げ場がなくなってしまうからなんですね。

趙軍の将軍たちは、韓信さんのこの陣形を見て嘲笑したと言われています。「兵法も知らない愚か者だ」と思ったんでしょうね。

でも、これこそが韓信さんの狙いだったんです。兵士たちに「逃げ場がない」と覚悟させることで、全員が必死になって戦うように仕向けたんですね。退路がないからこそ、兵士たちは死に物狂いで戦わざるを得なくなったわけです。

さらに韓信さんは、趙軍が漢軍を見くびって油断しているところを巧みに誘導し、別働隊を趙軍の本陣に送り込むという作戦も実行しました。結果として、数では圧倒的に劣っていた漢軍が見事に勝利を収めたんですね。

この戦いの様子は、中国の歴史書『史記』の「淮陰侯列伝」に詳しく記されていますよ。韓信さんのこの大胆な戦略は、後世に語り継がれ、「背水の陣」ということわざとして現代まで伝わってきたんですね。

「使い方」がわかる「例文」3選

「使い方」がわかる「例文」3選

1:「今季の最終戦は背水の陣で挑むしかない」

スポーツの試合でよく使われる表現ですよね。

この例文は、リーグ戦などで負けたら終わりという状況を表しているんですね。もう後がない、次に負けたらプレーオフに進めない、あるいは降格してしまうという切羽詰まった状況を「背水の陣」という言葉で表現しています。

プロ野球やサッカー、バスケットボールなど、さまざまなスポーツで使われる表現ですよね。選手たちやファンの緊張感が伝わってくる言葉だと思いませんか?

2:「このプロジェクトは会社の命運がかかっているから、背水の陣の覚悟で取り組もう」

ビジネスシーンでも「背水の陣」はよく使われますよね。

この例文では、会社の存続や大きな利益に関わる重要なプロジェクトに対して、失敗は許されないという覚悟を示しているんですね。退路を断って、成功以外の選択肢はないという強い決意を表現しています。

上司がチームメンバーを鼓舞するときや、経営者が社員に向けて語りかけるときなどに使われることが多いかもしれませんね。

3:「もう浪人はできない。背水の陣で受験勉強に臨むつもりだ」

受験生や資格試験の受験者が使う表現ですね。

この例文では、「今回の試験で必ず合格しなければならない」という強い決意が込められているんです。浪人できない経済的な事情があったり、年齢的な制約があったり、あるいは自分自身に課した決意だったりするわけですね。

「背水の陣」という言葉を使うことで、ただ頑張るのではなく、もう後がないという追い詰められた状況での全力投球を表現しているんですね。

似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現

一か八か(いちかばちか)

「一か八か」は、結果がどうなるかわからないけれど、思い切ってやってみるという意味の慣用句ですね。

「背水の陣」と似ているのは、どちらも覚悟を決めて取り組むという点なんです。ただし、「一か八か」は運任せやギャンブル的な要素が強いのに対して、「背水の陣」は必死の覚悟で臨むという意味合いが強いんですね。

「一か八か、この株を買ってみよう」のように、成功するか失敗するかは運次第という場面で使われることが多いですよね。

乾坤一擲(けんこんいってき)

「乾坤一擲」は、運命をかけて一気に勝負に出ることを意味する四字熟語です。

「乾坤」は天地、宇宙を意味し、「一擲」はサイコロを一度投げることを意味しているんですね。つまり、天地をかけた一度きりの大勝負という意味になります。

「背水の陣」との共通点は、どちらも逃げ場のない状況で全力を尽くすという点ですよね。ただ、「乾坤一擲」の方がより大げさで、人生をかけた一世一代の勝負というニュアンスが強いかもしれませんね。

捲土重来(けんどちょうらい)

「捲土重来」は、一度敗れたものが再び勢いを盛り返して攻めてくることを意味する四字熟語なんですね。

「捲土」は土煙を巻き上げるという意味で、馬が勢いよく走る様子を表しています。「重来」は再びやって来るという意味ですよ。

「背水の陣」が追い詰められた状況からの戦いを表すのに対して、「捲土重来」は一度負けた後の再挑戦というニュアンスがあるんですね。どちらも必死の覚悟という点では共通していますが、時系列が少し異なるんです。

破釜沈舟(はふちんしゅう)

「破釜沈舟」も中国の故事に由来する四字熟語で、釜を壊し船を沈めて退路を断ち、決死の覚悟で事に当たることを意味しますよ。

「釜」は食事を作る鍋のこと、「舟」は船のことですね。つまり、帰るための船を沈めて、食事を作る道具まで壊してしまうという、まさに後戻りできない状況を作り出すという意味なんです。

これは「背水の陣」と非常に近い意味で、どちらも退路を断って必死に戦うという点で共通していますよね。実際、この二つの故事は似た戦略を表現しているんですね。

「対義語」は?

余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)

「余裕綽々」は、ゆとりがあって焦る様子がまったくないことを意味する四字熟語です。

「背水の陣」が追い詰められて必死の状況を表すのに対して、「余裕綽々」は時間的にも精神的にもゆとりがある状態を表しているんですね。まさに正反対の状況だと言えますよね。

「彼は余裕綽々と試験を受けている」のように、焦りや不安がまったくない様子を表現するときに使われますよ。

安全策(あんぜんさく)

「安全策」は、危険を避けて確実な方法を取ることを意味する言葉ですね。

「背水の陣」がリスクを取って攻めの姿勢で臨むのに対して、「安全策」は守りの姿勢で慎重に進めることを意味しているんです。ビジネスや日常生活で、「今回は安全策を取ろう」のように使われますよね。

リスクを取るか、安全を優先するか、状況によって使い分けることが大切かもしれませんね。

退路を確保する(たいろをかくほする)

これは慣用句的な表現ですが、失敗したときのために逃げ道や別の選択肢を用意しておくことを意味しますよ。

「背水の陣」がまさに退路を断つことを意味するのに対して、「退路を確保する」は反対に逃げ道を作っておくという意味なんですね。完全な対義表現だと言えますよね。

「転職活動をするときは、今の会社を辞めずに退路を確保しておいた方がいい」のように、慎重な行動を表現するときに使われることが多いですね。

「英語」で言うと?

fight with one's back to the wall(壁を背にして戦う)

この英語表現は、追い詰められた状況で戦うという意味で、「背水の陣」に非常に近いニュアンスを持っているんですね。

「wall」(壁)を背にしているということは、後ろに逃げ場がないということですよね。文字通り「背水の陣」の「水」が「壁」に変わっただけで、意味はほぼ同じなんです。

「We're fighting with our backs to the wall.」(私たちは背水の陣で戦っている)のように使えますよ。ビジネスやスポーツの場面でよく使われる表現なんですね。

do or die(やるか死ぬか)

「do or die」は、成功するか失敗するかの二者択一で、中間はないという意味の英語表現です。

直訳すると「やるか死ぬか」となりますが、実際には「やるしかない」「絶対にやり遂げる」という強い決意を表現する言葉として使われているんですね。

「It's a do or die situation.」(これは背水の陣の状況だ)のように、追い詰められた状況を表現するときに使えますよ。「背水の陣」の持つ必死の覚悟というニュアンスをよく表現していますよね。

burn one's boats/bridges(自分の船/橋を焼く)

この表現は、自ら退路を断って前進するしかない状況を作るという意味なんですね。

「boats」(船)や「bridges」(橋)を焼いてしまうということは、もう後戻りできないということですよね。これは「破釜沈舟」の英語版とも言える表現で、「背水の陣」と非常に近い意味を持っているんです。

「He burned his bridges when he quit his job without having another one lined up.」(彼は次の仕事も決めずに会社を辞めて、背水の陣で臨んでいる)のように使われますよ。

まとめ

「背水の陣」について、意味や由来、使い方まで詳しく見てきましたが、いかがでしたか?

改めて振り返ると、「背水の陣」は退路を断って必死の覚悟で物事に取り組むことを意味し、紀元前204年頃の井陘の戦いで韓信さんが取った大胆な戦略に由来するんでしたよね。

現代では、スポーツやビジネス、受験など、さまざまな場面で「もう後がない」という状況を表現するときに使われています。類語には「一か八か」や「乾坤一擲」などがあり、対義語には「余裕綽々」や「退路を確保する」などがあるんでしたね。

人生には、ときに「背水の陣」で臨まなければならない場面が訪れるかもしれません。そんなとき、この言葉の由来である韓信さんの勇気ある決断を思い出してみるのもいいかもしれませんね。追い詰められた状況だからこそ、本来の力以上のものを発揮できることもあるんです。

ぜひこの記事で学んだことを活かして、日常会話やビジネスの場面で「背水の陣」を使ってみてくださいね。正しい意味と由来を知っていれば、より説得力のある表現ができるはずですよ。

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