
「水魚の交わり」という言葉、どこかで耳にしたことがありますよね。でも、いざ「どういう意味?」と聞かれると、ちょっと戸惑ってしまうかもしれませんね。古い言葉のように感じても、実は今でもビジネスシーンや日常会話で使われている素敵な表現なんですね。
この記事では、「水魚の交わり」の正確な意味から歴史的な由来、実際の使い方まで、わかりやすく丁寧にご紹介していきますね。類語や対義語、さらには英語での表現方法までカバーしていますので、この記事を読み終わる頃には、自信を持ってこの言葉を使えるようになっているはずですよ。
「水魚の交わり」を理解するための基礎知識

読み方
「水魚の交わり」は、「すいぎょのまじわり」と読みます。
また、「すいぎょのこう」という読み方もあって、どちらも正しい読み方なんですね。四字熟語として「水魚之交(すいぎょのこう)」と表記されることもありますよ。
「交わり」を「まじわり」と読むのがポイントで、「こうわり」と読まないように気をつけたいところですね。
意味
「水魚の交わり」とは、水と魚のように切っても切れない、極めて親密な関係や交際を表す言葉なんですね。
この言葉の美しいところは、魚が水なしでは生きられないように、お互いがお互いを必要としている深い絆を表現している点ですよね。単なる仲良しではなく、もっと深い、離れられない関係性を示しているんです。
主に友人関係、夫婦関係、主従関係など、さまざまな親密な人間関係を表すときに使われています。現代では、ビジネスパートナーの理想的な関係や、長年連れ添った夫婦の絆を表現するときにも用いられることがあるんですね。
語源と由来
「水魚の交わり」の由来は、中国の歴史書「三国志」の「蜀志(しょくし)」にある諸葛亮伝(しょかつりょうでん)に記されているエピソードから来ているんですね。
時代は今から約1800年前、三国時代の中国にさかのぼります。蜀(しょく)の国を建国した劉備(りゅうび)という人物がいました。劉備は、若き天才軍師・諸葛孔明(しょかつこうめい)を三顧の礼をもって迎え入れたことで有名なんですね。
劉備には、関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)という義兄弟がいました。二人は劉備にとって長年苦楽を共にしてきた最も信頼できる仲間だったんです。ところが、劉備が諸葛孔明を軍師として迎え入れてから、何かにつけて孔明に相談するようになったんですね。
それを見た関羽と張飛は、少し面白くない気持ちになってしまいました。「私たちとの付き合いは長いのに、最近来た孔明ばかり頼りにして…」という不満があったのかもしれませんね。
そんな二人の気持ちを察した劉備は、こう語ったとされています。「私にとって孔明は、魚にとっての水のようなものなのだ。魚が水なしでは生きられないように、私も孔明なしではやっていけない」と。
この言葉によって、関羽と張飛も劉備にとっての諸葛孔明の重要性を理解し、納得したと言われているんですね。このエピソードから「水魚の交わり」という言葉が生まれ、後世に語り継がれるようになったわけです。
ちなみに、劉備と諸葛孔明のコンビは実際に素晴らしい成果を上げ、弱小勢力だった劉備の軍が強大な国家を築く原動力となったんですね。まさに「水魚の交わり」を体現した関係だったと言えるでしょう。
「使い方」がわかる「例文」3選

1:「彼らは学生時代から30年以上、水魚の交わりを続けている親友同士だ」
この例文は、長年にわたる深い友情を表現していますね。
単に「仲が良い」というだけでなく、お互いがお互いを必要とし、支え合ってきた関係性が「水魚の交わり」という言葉によって表されています。30年という長い年月を共に過ごしてきた絆の深さが伝わってきますよね。
このような使い方は、結婚式のスピーチや弔辞、友人への手紙などでよく見られる表現なんですね。時間の長さと関係の深さを同時に表現できる、とても便利な言葉だと思いませんか?
2:「社長と専務は創業以来の水魚の交わりで、お互いの考えが手に取るようにわかる」
この例文は、ビジネスパートナーシップの理想的な形を表していますね。
ビジネスの世界では、信頼関係が何よりも重要です。特に経営層同士の関係性は、会社の命運を左右することもありますよね。「水魚の交わり」という表現を使うことで、単なるビジネス上の協力関係を超えた、深い信頼と理解に基づいた関係であることが強調されているんです。
このような使い方は、企業の紹介記事や、経営者へのインタビュー記事などでよく見かける表現方法ですね。
3:「夫婦は水魚の交わりというが、私たち二人も50年連れ添って、まさにそんな関係になれた」
この例文は、長年連れ添った夫婦の深い絆を表現していますね。
夫婦関係において「水魚の交わり」という言葉を使うと、互いに支え合い、片方が欠けたら成り立たないような深い結びつきを感じさせます。50年という歳月は決して短くないですよね。その長い年月を通じて培われた理解と信頼が、この一言に込められているわけです。
金婚式のスピーチや、結婚記念日のお祝いの言葉として使われることも多い表現ですね。若い夫婦が目指すべき理想の関係性としても引用されることがありますよ。
似た意味の「ことわざ」は?「類語」「言い換え」表現
管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)
「管鮑の交わり」とは、利害を超えた真の友情を表す言葉なんですね。
この言葉も中国の故事に由来していて、春秋時代の管仲(かんちゅう)と鮑叔牙(ほうしゅくが)という二人の友人の物語から生まれました。二人は若い頃に商売を一緒にしていたのですが、管仲が利益を多く取っても、鮑叔牙は「彼の家が貧しいから」と理解を示したそうです。
「水魚の交わり」が「お互いに必要不可欠な関係」を強調するのに対し、「管鮑の交わり」は「相手を深く理解し、信頼する友情」というニュアンスが強いんですね。どちらも深い人間関係を表していますが、微妙に焦点が異なっているわけです。
刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)
「刎頸の交わり」とは、首を刎ねられても悔いがないほどの深い友情を意味する言葉ですね。
これも中国の故事に由来していて、戦国時代の趙国の廉頗(れんぱ)と藺相如(りんしょうじょ)という二人の関係から生まれた言葉です。「刎頸」とは「首を刎ねる(切る)」という意味で、命を懸けても守りたい友情を表しているんですね。
「水魚の交わり」が日常的な親密さや依存関係を表すのに対し、「刎頸の交わり」はより劇的で、生死を共にする覚悟があるような友情を表現しています。ちょっと重々しい印象がありますよね。ですから、使う場面も少し限定されるかもしれません。
琴瑟相和す(きんしつあいわす)
「琴瑟相和す」は、夫婦の仲が非常に良いことを表す言葉なんですね。
琴(きん)と瑟(しつ)はどちらも古代中国の弦楽器で、この二つの楽器が調和して美しい音色を奏でることから、夫婦の調和のとれた関係を表現するようになったんです。
「水魚の交わり」が友人、夫婦、主従など幅広い関係に使えるのに対し、「琴瑟相和す」は主に夫婦関係に限定して使われる点が違いますね。また、「必要不可欠」というよりは「調和・ハーモニー」という美的な側面が強調されているのが特徴的です。
莫逆の友(ばくぎゃくのとも)
「莫逆の友」とは、心が完全に通じ合った、逆らうことがない親友を意味する言葉ですね。
「莫逆」は「逆らうことがない」という意味で、お互いの心が完全に一致していて、意見の対立がないような理想的な友情を表しているんです。『荘子』という古典に由来する言葉なんですね。
「水魚の交わり」が「必要不可欠な関係」を強調するのに対し、「莫逆の友」は「心の通じ合い」や「意思の一致」という精神的な側面を重視している点が異なりますね。どちらも深い友情を表していますが、表現したい関係性の質が少し違うわけです。
「対義語」は?
水と油
「水と油」は、決して混じり合わない、相性が悪い関係を表す言葉ですね。
水と油を同じ容器に入れても、どうやっても混ざらずに分離してしまいますよね。この性質から、性格や考え方が全く合わない人間関係を表現するときに使われるんです。
「水魚の交わり」が「切っても切れない親密な関係」を表すのに対し、「水と油」は「どうやっても相容れない関係」を表すわけですから、まさに対義的な表現と言えますね。職場でどうしても合わない同僚がいるとき、「あの二人は水と油だからね」なんて使われることがありますよね。
犬猿の仲
「犬猿の仲」は、犬と猿のように非常に仲が悪い関係を表す言葉なんですね。
犬と猿は昔から仲が悪い動物の代表として知られていますよね。この言葉は、些細なことですぐに喧嘩をしたり、顔を合わせるだけで険悪な雰囲気になったりする関係性を表現するときに使われます。
「水魚の交わり」が「互いに必要とし合う深い絆」を意味するのに対し、「犬猿の仲」は「互いに嫌い合っている敵対的な関係」を意味するわけですから、完全に正反対の関係性を表していますね。兄弟喧嘩や近所トラブルなどでよく使われる表現です。
一期一会(いちごいちえ)
「一期一会」は、一生に一度だけの出会いという意味ですね。
茶道の心得から生まれた言葉で、この出会いは二度と繰り返されることのない、一度限りのものだから大切にしなさい、という教えを含んでいます。
これは厳密には対義語というより、関係性の「時間軸」という点で対照的なんですね。「水魚の交わり」が「長く深く続く関係」を表すのに対し、「一期一会」は「一度限りの貴重な出会い」を表しています。継続性のある関係と、一回限りの出会い、という対比があるわけです。
「英語」で言うと?
Inseparable relationship(切り離せない関係)
"Inseparable relationship"は、文字通り「切り離すことができない関係」という意味ですね。
"Inseparable"は「分離できない」という形容詞で、"relationship"は「関係」を意味します。この表現は、「水魚の交わり」が持つ「切っても切れない」というニュアンスを最もストレートに表現した英語と言えるでしょう。
ビジネス英語でも日常会話でも使える汎用性の高い表現なんですね。例えば、"They have an inseparable relationship."(彼らは切っても切れない関係だ)のように使えますよ。
Like fish to water(魚と水のように)
"Like fish to water"は、まさに「水魚の交わり」の直訳に近い表現なんですね。
この表現は、何かに非常に適応している、または自然に溶け込んでいる状態を表すときに使われることが多いです。"He took to the new job like a fish to water."(彼は新しい仕事に水を得た魚のように適応した)という使い方が一般的ですね。
ただし、人間関係を表現する場合は、"They are like fish and water to each other."(彼らはお互いにとって魚と水のような存在だ)のように表現することで、「水魚の交わり」により近いニュアンスを伝えられますよ。
Kindred spirits(心の通じ合う者同士)
"Kindred spirits"は、「気が合う人たち」「魂の友」という意味なんですね。
"Kindred"は「血縁の、同類の」という意味で、"spirits"は「精神、魂」を指します。血のつながりはなくても、精神的に深く結びついている関係を表現する美しい言葉なんです。
「水魚の交わり」のような深い絆や親密さを表現したいときに、とても適した英語表現と言えますね。"They are kindred spirits who understand each other perfectly."(彼らは完璧にお互いを理解し合う魂の友だ)のように使えますよ。文学的で詩的なニュアンスがある表現なので、フォーマルな場面でも使いやすいんです。
まとめ
「水魚の交わり」は、魚が水なしでは生きられないように、切っても切れない極めて親密な関係を表す故事成語なんですね。
三国志の劉備と諸葛孔明の深い信頼関係から生まれたこの言葉は、約1800年の時を経た今でも、理想的な人間関係を表現するときに使われています。友人関係、夫婦関係、ビジネスパートナーシップなど、さまざまな場面で活用できる素敵な表現ですよね。
大切な人との関係を表現したいとき、長年の絆を言葉にしたいとき、「水魚の交わり」という言葉を思い出してみてください。きっと、あなたの気持ちが相手にしっかり伝わるはずですよ。
日常会話ではちょっと使いにくいと感じるかもしれませんが、スピーチや手紙、フォーマルな場面では、この言葉が持つ重みと深さが大きな効果を発揮してくれるんですね。ぜひ、適切な場面で使ってみてくださいね。