保険の見直しと言えば、既存保険を解約して新たに別の保険に加入し直すイメージが非常に強いです。保険料を下げるには、既存保険を手放さなければといった思い込みが事実あります。
しかし、保険料を下げるには、すべてのケースで既存保険を解約する必要性がないのです。そんな方法が実際あるのか?解約しなくても済むなら今すぐにでも見直しにいきたい人必見。実は、払い済をすることで保険料を下げることができます。
今回は、払い済保険について中学生でもわかりやすく解説していきます。
払い済(はらいすみ)保険とは?
払い済保険とは、以後の保険料を支払わずに保障をがっちり残せる保険のことを言います。例えば、一生涯に渡って医療保険に加入している場合は、医療保険のお支払いをなくし、医療保険の保障が解約するまでずっと続けられるのです。もちろん、一生涯の保険の醍醐味でもある解約するともらえるお金もたまり続けます。
保険の節約方法としては、保険を契約している人にとっては最も嬉しい方法と言えるのです。保障はそのまま残り、保険料の発生もありません。
しかし、何万とある保険の種類ですべての保険が払い済にできるのかと言うと、そうではありません。では、どのような種類の保険が払い済にできるのでしょうか。
払い済にできる保険
払い済にできる保険を知ることで、保険を見直すときにある程度自分で判断できるようになります。
払い済にできる保険
払い済保険にできるのは、以下の保険です。ご自身で払い済ができる保険かどうか確認してください。確認方法は、ネットまたは年に1度くる保険の契約内容の確認のハガキからできますよ。
①終身保険
1つ目は、終身保険です。終身という意味は、解約するまでずっとという意味になります。したがって終身保険は、解約するまで保障がある保険です。では、気になるのが保障。終身保険の保障は、死亡に関する保障です。
死亡保障の保険は、一般的に残す人がいて初めて役に立つので、残す人がいない場合には不要となります。使いみちは、残された家族の生活費やお子さんんが小さい場合は教育費に使われます。
②終身医療保険(医療保険終身型)
2つ目は、終身タイプの医療保険です。医療保険は主に病気全般に備えられる保険になります。終身なので、解約するまで保障があります。また、解約返戻金といって解約するといくらかお金が戻ってくるのです。継続年数があればあるほど、お金が戻ってくる額が大きくなっていきます。
医療保険の使いみちは、ご自身の葬儀代です。また若い世代は、解約返戻金を使って新たな保険に加入する人もいます。がしかし、この方法はあまりおすすめできないので注意が必要。
③養老保険
3つ目は、養老保険です。養老保険は、死亡保険とは違って、生きていても一定年齢に達すればお金がもらえる保険になります。満期(保険の契約が終了する)になると、死亡したときにもらえるお金と同額のお金がもらえます。
会社によって違ってきますが、加入年齢も0歳からと中学生でも加入できるのが大きな特徴です。
④個人年金保険
4つ目は、個人年金保険です。個人年金保険とは、年金のように一定期間お金がもらえる保険になります。一定期間は60歳からがほとんどです。一年ごとの支給になります。
主な使いみちは、定年退職後の生活費の足しとしてです。あくまでも生活費のメインではなく、足りない部分の保障となるので大きな金額は期待できません。
払い済保険にする3つの判断基準
払い済できる保険を理解したところで、次はどのような判断のときに払い済保険にするかです。実はこの部分はあまり知られていません。
したがって、保険を見直すときには、既存保険を解約して新しい安い保険に入り直すイメージのほうが強い要因にもなるのです。
判断基準は主に以下の3つになります。
①保険を残しておきたいが保険料の支払いが厳しくなった
1つ目は、保険を残しておきたいけど、保険料の支払いが厳しくなった場合です。経済的な事情で、保険料の支払いが厳しくなったといったことは、頻繁にあります。
ここで一般的な考えだと保険料の支払いが厳しくなると手放して安い保険にとなるところですが、払い済のことを知っていれば保険を手放すことなく、保険料を安くすることが可能です。見直した以後の保険料は0円になります。したがって、大幅な保険料の支払を減らすことができます。
②保障を維持して他の保障内容を見直したい
2つ目は、保障内容を見直したいときです。 例えば、大きな保障が必要なくなったので保障を減らしたい場合にも払い済は役に立ちます。
お子さんが成長したけどこの保険は維持して、他の保険を減らすといった欲張りな方法も実際にはありです。まさにこのやり方は後に紹介する払い済のメリットを活かした賢い見直し方になります。
③バブル期に入ったお宝保険を持っている
3つ目は 、バブル期に入ったお宝保険を持っていることです。お宝保険とは、保険料が安く保障の質が非常にいい保険になります。現在ではバブルの崩壊で安くて質のいい保険は存在しません。故にバブル期に加入した保険は貴重になるのです。
バブル期に加入した保険は、解約してもメリットがありませんので、真っ先に払い済にしておくことをおすすめします。
払い済保険のメリット・デメリット
実際に、払い済にすることで、保険にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。保険を見直すならメリットを活かしましょう。
メリット
払い済保険のメリットは以下の通り。
- 保険料が0円になる
- 保障内容が維持できる
- 解約するとお金が戻ってくる額も増える
最大のメリットはなんといっても、見直し後の保険料が0円になることです。つまり、既存保険を解約するよりも保険料がかからなくなり、大幅減につながります。また保障内容はそのままなので、おいしい保険の見直し方といってもいいでしょう。
しかし、そんな払い済保険でもデメリットが存在します。
デメリット
払い済保険のデメリットは、以下のとおりです。
- 保険金が下がってしまう
- 特約が消滅する場合がある
- 一度払い済にした保険は元には戻せない
保険金は、一定条件に達したときにもらえるお金のことです。例えば生命保険の場合、一定条件が契約者の死亡ですので、払い済保険の場合、死亡したときの金額が減ります。
保険は、メインの契約とサブの契約(特約)で成り立っています。特約は、あってもなくてもいいのですが、特約をつけていた場合、払い済保険にしてしまうと、この特約部分が消滅します。
一番覚えてほしいことは、一度払い済にした保険は、元の保険には戻せないことです。例えば医療保険を払い済にして、事情が落ち着いたので元の医療保険にしてほしいといってもできません。
払い済保険で損するケース
大幅な保険料減を可能にする払い済保険。実は、得ばかりと思うところですが、損する場合もあります。以下のケースに該当する場合はやめておくことをおすすめします。
①低解約返戻金型の保険
1つ目は、低解約返戻金型の保険です。低解約返戻金型というのは、お金が戻ってくることは解約返戻金と同じですが、戻ってくる金額が一定期間低額になるタイプになります。一定期間は、保険料をお支払いする間です。
この一定期間に保険を払い済にしてしまうと、もともと保険料が安いのですが、解約して戻ってくるお金を上回る可能性が出てきます。したがって損です。
②変額タイプの保険
2つ目は、変額タイプの保険です。変額タイプは、利率が変動することにより受け取れる金額が変動します。もちろん保障されている金額より下回ることはありませんが、 低い利率のときに払い済にすると、以後利率も低いままに固定されていくのです。
タイミングの見極めが非常に難しいので、このタイプの保険を持っている方は、必ず保険の無料相談を利用してください。
まとめ
今回は、払い済保険についてお話してきました。払い済保険とは、保障をそのままに以後の保険料を0円にする見直し方法です。ただし、一度払い済の保険にしてしまうと、保険金が減ってしまったり、元の保険には戻せないので注意が必要です。払い済にする場合は、メリットとデメリットをしっかり理解した上で行いましょう。