民間の保険よりかは、幾分安いイメージがあるJA共済。JA共済は元々は農家のための保険でしたが、一般でも出資金を払って会員になれば保障が受けられます。
JA共済の保険の保障はなないろデザインからなり、各ライフステージに対応しています。ほぼすべての状態を網羅しているので、見直しは不要だとそのまま放置される方が圧倒的に多いのです。しかし、JA共済も保険なので気がついたら保険料(共済掛金)が高く悩んでしまうケースもあとを絶ちません。
今回は、共済掛金が高いと悩む会員のために、JAの共済掛金を減らす方法についてお伝えします。
生命保険を見直すときにJAの共済掛金を減らす方法
JAの共済掛金を減らす方法は、主に3つに分かれます。
なないろデザインで不要な共済を解約する
1つ目は、なないろデザインで不要な共済を解約することです。なないろデザインは、簡単に言うと人生で起こりうる7つの状況を7つの保険に分けて、加入者が自由に選べる保険の制度です。JAの会員になれば受けられる保障のうちの一つです。
なないろデザインは、不要になったものを解約して新たに保障を選ぶことができます。ライフステージの変化に対応しているのでいらないと思えば解約すると月々の共済掛金を減らすことにつながります。
払済契約に変更する
2つ目は、契約内容を払済契約に変更することです。特に終身共済が該当します。払済契約にすることで、今後一切掛け金が発生しなくなります。
払済契約とは?
払済契約とは、以後の共済掛金を払わずこれまで払い込んだ料金に見合う終身共済に変更することをいいます。
払済契約で、これまで払ってきた保険料が別のものに役に立つので、総合的に見て共済掛金をムダにすることなく減らすことにつながります。
保障の一部を民間の保険に乗り換える
3つ目は、保障の一部を民間の保険に乗り換えることです。JA共済は安いイメージがありますが、実質のところそんなに料金が変わりません。
でしたら、少し心配な保険はJAで、メインの部分は民間の保険に乗り換えたほうが最終的には保険料がやすくなったという例が多く見受けられます。
JAのなないろデザインとは?
なないろデザインとは、JAが提供している7つの保障のことです。7つの保障は、万一(=死亡保障)、医療、介護、がん、老後、就労不能、学資にわかれています。会員はこの7つの中から必要な保障を選ぶことになります。基本セット商品が多いので見直すときには何がセットでついているのか見ておきましょう。
万一
終身共済
終身共済は、民間保険で言う定期特約付き終身保険に当たります。一生涯保障がありますが、余計な保障もついており、共済掛金が割高になりやすい原因のうちの一つにもなっている。
養老生命共済
養老生命共済は、民間保険で言う養老保険と同じたぐいの保障になります。満期時や中途で給付を受けることができたり、死亡時にもお金が出ます。こちらもセット商品で余計な保障も付属した状態での契約になるので、共済掛金が割高になりやすい。
定期生命共済
定期生命共済は、民間保険で言う生命保険(定期保険)です。必要な期間だけ備えることができます。保障期間は、5年、10年、15年と80歳で満了するプランから選択することができます。お子さんが小さい間だけ備えたい場合には有効な保険となります。
医療
医療共済
医療共済は、民間保険でいうと医療保険(終身保険)です。一生涯に渡って病気全般に備えられます。保障内容では、がんも含まれておりがん共済と保障内容がかぶることがあります。
介護
介護共済(40歳から加入可能)
介護共済は、公的介護保険と連動したJA独自の共済です。40歳から加入することができ、介護認定受けられたら保障が受けられます。保障も一生涯なので解約しない限りは、ずっと保障を受けられます。
がん
がん共済
がん共済は、民間でいうとがん保険に該当します。保障は一生涯で、診断時、再発時に保障が受けられます。また、先進医療の負担は医療共済とかぶるところがあります。
老後
予定利率変動型年金共済
予定利率変動型年金共済は、民間でいうと個人年金保険に該当します。老後に備えて、一定期間年金のようにお金がもらえます。
加入するときに医師の審査告知がいらないのでわりと誰でも入れるのが魅力のうちの一つです。
就労不能
生活障害共済
生活障害共済は、病気やケガ で障害になったときに保障される保険です。また収入が減少したときにもプランによっては保障されます。
学資
こども共済
こども共済は、民間でいうと学資保険に該当します。お子様の進学に備えられる保険です。学資金は、中学・高校・大学の中から選べます。
JA共済を見直す4つのポイント
ヤフー知恵袋でも過去に加入したJA共済を見直したいという質問が多く寄せられています。JA共済を見直すときには以下の4つに気をつけておきましょう。
JA共済の終身共済は定期特約付き終身保険
JA共済の終身共済は、実質定期特約付きの終身保険です。セットで売りに出されているので、加入時は自動的に余計な保障がついており、その分掛け金が割高になってしまいます。
終身共済以外にもセット商品が多いので、見直すときにはどのようなセットがついているのか合わせて確認しておきましょう。
月々の共済掛金が割高になりやすい
JA共済はセット商品が多いので、最終的には民間の保険と同じ料金、最悪は高くなっていることが多々あります。
共済と聞くと、安いイメージがありますが、JA共済はそんなことありません。
見直しが非常に面倒
セット商品は、見直すときが非常に面倒になります。よく見たら、この保障はいらないので解約したいと申し出ても、セットでの契約なので一部の保障を解約することができません。
基本解約するときには、メインの契約もなくすことが前提になりますので、該当部分の保障は、民間保険で補う必要があります。
共済が破綻すると救済措置が受けられない
一番重要なのが、共済が破綻したときのことです。民間の保険では救済措置が受けられますが、共済の場合は救済措置が受けられないので、潰れてしまったら終わりということになります。
共済が破綻する確率はまだまだ低めなので、過度に心配する必要はありませんが、加入している人は潰れたら終わりということを肝に命じておいたほうがいいでしょう。
まとめ
今回は、JA共済の保険の見直し方についてお伝えしてきました。JA共済はなないろデザインに基づき、保障をご自身で調整するタイプです。
- 不要な保障は解約する
- 払済契約にする
- 民間の保険に乗り換える
- 共済が破綻すると救済措置が受けられない
ほとんどの自体に備えられるので、民間の保険はいらないのではと思うかもしれませんが、そうではありません。なないろデザインのほとんどがセット商品での販売となるので、余計な保障がついています。余計な保障だけの解約が基本できないので、保険料がその分割高になってしまいます。
間違っても終身共済はセット商品の塊でできていますので、見直すときには解約して、該当部分だけ民間の保険で補ったほうがいいでしょう。
また共済が破綻すると、救済措置が受けられないのでメインを共済にするのは非常に危険な行為です。サブの位置づけとして利用するのが保険料が安くもなりバランスが取れます。
JA共済に加入して最近共済掛金が高いとお悩みの方、是非とも参考にしてください。