最近、うつ病の人が増えたと思いませんか?学生でも会社員でもどなたでもかかりやすい心の病がうつ病だと言われています。SNS疲れや対人関係に不安を覚えている人が多く、追い詰められると何かしらの心の疾患になってしまいます。
ここで、うつ病は心の病気なので保険には関係ないんじゃないの?と思われがちですが、実はそうでもありません。最近になって保険加入時の健康告知の対象が広がり、心の病もうつ病をはじめ告知する義務が出てきました。
告知義務により、うつ病にかかっている方の保険の加入がしずらくなっているのが現状です。今回は、うつ病は保険に加入しづらい理由とうつ病になったらどう保険を見直せばいいのかお伝えしていきます。
うつ病は保険に加入しずらい理由とは?
うつ病は、近年になって保険に加入すると、一般の保険では加入できないのが当たり前になってきました。その理由をみていきましょう。
告知書に健康状態を通知しないといけないから
第一に、保険に加入するときに健康状態を告知しないといけませんが、告知内容にうつ病が含まれるようになったからなんです。
生命保険や医療保険をはじめ、保険商品の中には健康状態を告知する義務があります。また、告知のときに嘘の内容を申告するとお金のもらえる場面で、お金がもらえなかったりするので、決して虚偽の申告はやめておきましょう。
健康状態の告知義務
一般的な保険に入る場合、保険会社によって詳細な内容と異なりますが、告知義務が発生します。大まかなものをまとめてみました。
- 過去3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
- 過去5年以内に、病気やケガで初診日から最終受診日まで7日以上の期間にわたり、医師の診察・検査を受けたこと、または7日分以上の投薬を受けたことはありますか。
- 過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか。
うつ病も上記項目に当てはまりますので、治療中の人は、特に注意しましょうね。
保険会社としてうつ病は自殺願望があり死亡リスクが高いと考える
2つ目の理由は、保険会社の考え方として、うつ病は自殺願望から死亡リスクが高いと考えています。つまり、加入者が亡くなると保険会社からは膨大なお金が出ていくことになります。
なんでもかんでも、お金が出ていくことは、保険会社にとってはデメリットとなり、最悪は倒産してしまうのです。よって、保険会社は保険商品を健康な人に備えてほしいのです。
では、うつ病の人には加入できる保険がないのかと言われるとそんなことはありません。
うつ病(治療中)で加入できる保険
うつ病の方が加入できる保険は、2つあります。一つは無選択型で、もう1つは引受基準緩和型の保険に加入できます。
無選択型
無選択型とは、医師の診断や健康状態を告知することなく入れる保険です。後に説明する引受基準緩和型よりも加入条件が優しくなっております。保険料は一般の保険よりも割増になっているケースがほとんどです。
引受基準緩和型
引受基準緩和型とは、保険に加入する条件を引き下げ持病がある方にでも入りやすくなった保険です。無選択型同様、一般の保険よりかは割増になっているケースがほとんどです。引受基準緩和型には、もちろん告知が必要となります。
でも、うつ病で会社に長期間行けなくなった状態では、新たに保険に加入しようとは思わないのが現状です。割増保険になってしまうので、加入の選択肢はほぼないに等しいのです。
では、うつ病と診断されたからには、一般の保険は諦めないといけないのでしょうか?実は、加入の際の告知には期限があります。
うつ病の人が通常の保険に加入できるようになるためには?
うつ病の人が、一般の保険に加入できるようになるためには、以下の条件が必要です。
医師の治療・投薬を受けなくなってから1年以上経過
肝心の条件は、医師の治療・投薬を受けなくなってから1年以上が経過していることです。実際は、投薬をやめるまでには、人によりますが1年以上と見込んで実質は2年以上経過していることが望ましいです。
条件に該当すると、一般の保険に加入できる確率が高くなります。詳しくは、見直しの際にFPさんにきくきっちりと説明を受けられます。
もしあなたがうつ病になったらできること3項目
うつ病はいつ誰がなるかわからない心の病です。もし、あなたがうつ病になったら保険でできることは以下の3つです。
保険の見直しは医療保険を残し減額する方向で
もし、会社に長期で働けなくなるくらいの程度によりますと、一番心配なのが保険料の支払いです。知恵袋でもうつ病になって保険料が支払えなくなったので、どう見直したらいいのかといった質問があとを絶ちません。
うつ病になって保険料が払えないからやめてしまうと、再度加入できないほうが多く、保障が受けられないケースに発展してしまいます。うつ病で保険を見直すなら、医療保険を残し、減額する方向へ持っていきましょう。
保険料を減額しても、終身保険ならば減額した分も解約返戻金として戻ります。また、解約返戻金の8~9割はいつでも貸付が受けられるので合わせて覚えておくと万が一困ったときには助けとなります。
加入し直しは絶対NG
うつ病にとって、保険を見直すときに加入しなおしは絶対にNGとなります。また、解約返戻金を新しい保険に当てる転換もNGです。というのも、うつ病は告知義務があり条件に引っかかれば、加入お断りが当たりませの世界なのです。
スタッフの中には、うつ病が告知審査の対象であることを知らずに勧めてくる場合もあるので注意してくださいね。また、うつ病は公的保障制度が受けられるケースが多くありますので、合わせて覚えておくと長期治療にも専念できます。
公的保障でお金を確保する
公的保障は、多くありますがうつ病に関連するものをピックアップしておきます。
- 自立支援医療制度
- 障害年金
- 特別障害手当
- 生活保護
- 精神障害者保険福祉手帳
- 傷病手当金
中でも、自立支援医療制度は積極的に利用しておきましょう。自立支援医療制度は、心療内科の診察代やお薬代が大幅に安くなる制度です。私も利用していますが、心療内科は話しただけで1000円くらいとられますが、自立支援医療制度になると、400円程度にまで減額になります。場合によっては、無料になることもあります。
次に、精神障害者保険福祉手帳を申請すると障害年金が受け取れます。うつ病の場合、会社に努めている場合は障害基礎年金に加え、障害厚生年金がもらえます。障害者厚生年金は、等級に関係なくもらえるので合わせて覚えておくとお金には困りません。
更に、うつ病の原因が明らかに会社にあると認められた場合は、傷病手当金が健康保険から出ます。
うつ病になっても、保険の加入条件が厳しくなる分、公的保障が充実しているので、安心して治療に専念できるようになっています。是非ともフル活用して、少しでも回復のお役に立てれば幸いです。
まとめ
今回は、うつ病に加入できない理由を中心にお届けしました。
- 保険会社はうつ病は自殺願望により死亡リスクが高いと考える
- 告知書に健康状態を書く必要がある
2015年あたりから、告知の対象にうつ病が入り始めてます。うつ病の他にも自律神経失調症やパニック障害、心身症、知的障害も対象になっています。つい最近のことなので、知らないスタッフさんも中にはいます。
うつ病と医師から診断されたあとに、保険を見直す場合は、加入しなおしではなく、減額の方向で考えていきましょう。うつ病での保険の再加入は非常に厳しいものがあるからです。
保険の加入は厳しいものがありますが、一方公的保障が充実していいます。特に自立支援医療制度や精神障害者保険福祉手帳は、診察代やお薬代を減額したり、障害年金を受給するのに必要になってきます。長期に渡る方は、是非とも活用していきましょう。